写真資料館、1,000種を達成!
 
◆全種に「?」を付けるべき・・・
 2001年2月9日に当HPを開設して以来、足かけ11年にわたり毎週のきのこ探しと撮影を続けてきた。その間(一部はそれ以前)に撮りためた写真の中から、何とか名前の分かるものを「写真資料館」のコーナーに掲載していったところ、当初には夢にも思わなかった1,000種を達成することができた。しかし、今これらを見ると「確信あり」「ほぼOK」の種類が多いものの、「かなり怪しい」「たぶん間違い」と思うものが含まれていることも確かだ。厳密に正確な情報をと考えるなら、全種に「?」を付けなければならない。
 正確な同定に「顕微鏡」は不可欠と言われてきた。そして昨今では、DNA鑑定による分類も広がりつつある。そうなると、今まで積み上げられてきた「形態分類」「検鏡分類」が、根底から覆ってしまう可能性もはらんでいる。いや、事実そうなってきている。

◆本当に「きのこ」を知るのなら・・・
 そもそも世の中の、ありとあらゆるものを分類しようとする行為そのものに、無理があるに違いない。どこに線を引いて分けようと、必ずその中間のものが存在するだろう。
 より正確に分類しようとするあまり、研究室に籠りっきりで標本と格闘している例をよく見かける。本当に自然のこと、きのこのことを知りたいのなら、「やはり野に置けレンゲソウ」の精神で、自分の身を野に置いて、そこにあるきのこと対話すべきではないだろうか。
 なるべくたくさんのきのこを見て「経験値」を高めることが、きのこを理解する最短で最良の方法だと信じて、ここまで歩いてきた。おそらくこれからも顕微鏡を覗くことはしないと思う。ましてやDNA鑑定など無縁にしたい。
 これからも老眼の進んだこの両目と、ポケットに忍ばせた10倍ルーペと、そして相棒のカメラ2台を駆使して、じっくりきのこと対話をしていきたい。

◆「横綱不在」・・・?
 1,000種類ものきのこを掲載しているのなら、きっと万人に知られるポピュラーな種類は当然あるはず・・・なのだが、「においマツタケ、味シメジ」と言われる、東西の両横綱とも言うべきマツタケとホンシメジが、未だに撮影チャンスに恵まれない。その他にも、こんなものが・・・?と思うような平凡な種類も、いくつも欠けている。それはとりもなおさず、図鑑を作りたいがために何が何でも種類を追いかけてきたのではなく、ひたすらマイペースで「きのこ写真」を撮り続けた結果に他ならない。こんな調子だから、これから先も「横綱不在場所」が続くことだろう。

◆これは一つの「通過点」
 よく大記録を達成したスポーツ選手などが、インタビューでかっこ良く答えるセリフがある。「これは単なる一つの通過点」・・・なにもそれをまねてクールに構えるつもりはない。しかし、きのこ撮影とHPの更新をこれからも続ける以上、きっと1,000種は「通過点」になるだろう。
 どこまで行けるかは分からない。とりたてて目標とする数字も考えていない。つまり、行けるところまで行くことが、目標と言えば目標だ。

 
※掲載種の中で間違いや疑問点を見つけられた場合は、お手数ですがぜひ、次のメールアドレスあてにご連絡ください。よろしくお願いします。
 shinji−t@jt7.so−net.ne.jp
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2011.12.13   竹 しんじ

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