COPD(シーオーピーディー)』 と 『KO1(ケーオーワン)
 
◆両肺にかげが
 もう20年ほども前のこと、勤めていた東京の会社で定期検診を受けた時に、肺のレントゲンで影が見つかり再検査となった。両方の肺の上部にモヤモヤとした影があったが、再検査で変化が見られず急な病変の疑いがないと診断された。その後も毎年の検診で引っかかったが、前年と比べても変化が見られなかった。ただ、その時に問診で言われた一言・・・「歳をとって体力が衰えたら、これが暴れだすかもしれない」という言葉が、ずっと心に引っかかっていた。

◆それが暴れだした
 2年前(2017)の暮れに別の病気で入院した時に、近ごろ息切れを起こすことが多いのでついでに肺も診てもらったところ、「COPD」だと言われた。昔で言うところの「肺気腫」や「慢性気管支炎」のことで、おもにたばこが原因だとのこと。それだけではなく「間質性肺炎」にも罹っているらしく、こちらは原因が良く分からない。
 とうとう暴れだしたのか・・・というのが正直な感想だったが、やっかいなことにこれらの病気には有効な治療法がないというのだ。毎月、病院には通っているが、レントゲンを撮るなどの経過観察のみで投薬などの治療は行われない。この歯がゆさは患者だけでなく、医師も強く感じているに違いない。


◆歩くのもしんどい
 現状の肺活量は通常の半分ほどで、少し体を動かすだけで息切れを起こすようになってしまった。幸いなことに血中酸素濃度はまだほぼ100%で、酸素吸入に頼る必要はしばらくなさそうだ。
 とは言っても、坂道や階段はもちろんのこと平地を歩いていても息が切れるようでは、「きのこ撮影」に出かけようという気力さえ削がれることが多くなってきた。
 そんな時、頭に浮かんだのは「セグウェイ」だった。歩くことなくゆっくり移動しながらきのこを探せる、夢のような乗り物はないものか。「セグウェイ」ほど大掛かりでなく、乗りこなすのにさほどの訓練が必要ないものをいろいろ探し始めた。

 

KIWANO KO1(高さ:108cm 重さ:16kg)
◆きのこ撮影の足
 いろいろ探すうちに英国ロンドンにある「KIWANO」社から発売された、立ち乗り式の電動一輪車「KO1(ケーオーワン)」というのを見つけた。同社によるPR動画だけでなく、すでに数か国のユーザーからユーチューブ動画が発信されていて、少しの練習だけで乗りこなすことができそうなことが伺えた。これなら使えそうだと購入した。
 4〜5日間、毎日1時間ほど公園の広い駐車場で練習したところ、なんとか乗れるようになったので、実際のきのこ撮影行に使い始めた。まだ多少のバランス保持や自在のコントロールに不安はあるものの、登り坂でもらくらく進んでいけるのはとても気分がいい。階段や急な坂道は無理なので、ある程度コースは制限されるが、出かけようという気力の後押しはしてくれる。これからの「きのこ撮影」の足にはなってくれそうだ。

◆年寄りの冷や水・・・?
 「古希」になる痩せこけたジジイにはおよそ似つかわしくない乗り物で、シニアカーに乗ってゆっくり走る方が違和感がないことは百も承知なのだが、車からの積み下ろしを一人ですることを考えると、現状ではベストの選択ではないかと思う。
 そう遠くない将来、鼻からの酸素吸入が必要になり、出歩くことさえままならない時が来る。その時までの精一杯の悪あがきとして、スローペースの「きのこ撮影」を続けたいと思う。寒期や猛暑を避けて、なおかつ被写体の多そうなタイミングを見計らっての、極めてわがままな行動になってしまうが、これからも「ドキッと」するきのこの美しさを追いかけていきたい。
2019.6.20   竹 しんじ

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