主にきのこウオッチングの記録です。

2003.09.29 下部町(山梨県)
 筋肉痛が2日目に出るのは年を取った証拠と言われるが、朝起きると足から背中にかけて登山の筋肉痛が始まっていた。今日で休みは終わるので静かにしていようかと思ったが、この時期に家で静かにしていることはできず10時をすぎてから、あまり歩かなくても観察できる某林道を散策してきた。
 平坦な道を5分ほど歩いたミズナラの根本に出始めのマスタケ(正式名アイカワタケ)が出ていた。一字違いのマイタケなら良かったのに、などと思いながら山の中にはいると、本当にマイタケが出ていた。
 天然のマイタケを見つけたのは初めてで喜びは大きく、あたりに人もいないのでお約束の踊りを踊ってから(筋肉痛はもうどこかに吹っ飛んでいた。)撮影を始めた。
 アドレナリンがたくさん出て元気が出たので、少し山に登るとミズナラの倒木の高さ3メートルの所に最高の状態のヤマブシタケが純白の姿を見せていた。斜面で細い木につかまりながらの撮影は困難を極めたが、この機会を逃すまいと何枚もシャッターを切りやっと2〜3枚見られる写真が撮れた。

 普通のキノコはほとんど無かったが、様子を見るだけのつもりが記念すべき散策になった。


2003.09.27〜28 熊伏山・野鳥の森(水窪町)
 上記の二日間、「静岡きのこの会」の西部地区探索会に参加してきた。

 一日目は長野県境の青崩峠から熊伏山(1,653メートル)の観察、急な坂道の連続で観察会というより、完全に登山で皆さん日頃鍛えた健脚でぐんぐん高度を上げて行く。写真を撮っていると、たちまちおいて行かれるが幸いなことに?キノコが無いのでしばらくは付いていくことができた。
 およそ7合目付近に来ると坂も緩くなりキノコの姿も見え始めたので気ままに観察を開始する。
 登山道脇の土が露出したところにはホウベニタケが所々に出ていて指で押すとホコリタケのように胞子を飛ばした。
 カヤタケも出ていたが異常気象のせいか皆小さかった。
 林道脇の苔に花が咲いたように白いところがあるので近づいてみるとハナサナギタケだった。冬虫夏草を特に意識して探しているわけではないが今年はなぜか目につく。

 二日目は野鳥の森の観察でハイキング気分で楽しめるコースだった。
 同行のM君が見つけたホコリタケが普段見るものより白く輝いて見えたのでよく見るとアラゲホコリタケだった。
 大きなブナの根元のウロにはスギタケが団体様で顔を出していた。絵になる姿だが光が届かないところがあるので撮影は難しい。
 Iさんが声をかけてくれたのは初めて見るヒメベニテングタケだったが極小であった。
 皆さんに遅れたので後を急ぐと林道下の大きなミズナラにアイカワタケが見事な姿で出ていた。強者揃いが歩いた後によく残っていたものだ。

 二日間を通し、キノコの量は全体に少なかったが種類は多く観察会としては有意義だった。特にキノコ鍋は絶品で忘れられない思い出となった。
2003.09.23 富士山(スバルライン)
 待ちに待った雨が台風によってもたらされ、気温も一気に秋本番となった。
 見に行きたいところばかりだが一番気にかかるスバルラインの5合目付近を菌友のS君と歩いてきた。

 雨の効力はやはり顕著でたくさんのキノコが顔を出していた。林道脇にはハリガネオチバタケがどこまでも続き、露に濡れた綺麗な姿を見せていたが、帰りにゆっくり撮ろうと後回しにしたらほとんどが乾いてしまった。
 苔の深いところにはアイシメジが最盛期を迎えあちこちで見られた。アイシメジにしては全体が黄色いと思い引き抜いてみると傘裏も黄色いキシメジが所々に混じっていた。

 ツガタケはもう終わったと思っていたが大きいのが一つだけ出ていた。

 例年なら早くから見られるヌメリササタケもやっと綺麗な姿が見られた。ヌメリ系のキノコは雨上がりは本領を発揮する。

 斜面のコケの中からホウキタケが全身を見せるように出ていてしばし撮影会となった。やはり雨が降ったせいか色が濃いようだ。

 私には進路をはずれて歩く癖があり、人とはぐれそうになることがよくある。今日も大きくコースを外したのが幸運で、傘が完全に地上に出ていて誰でも見つけられる状態の大きなマツタケと巡り会えた。撮影後、周りの苔を手で探ったがこれ一本だけだった。

 食菌のいいものが並んだが、警鐘を鳴らすように富士山の毒キノコの代表カキシメジも綺麗なヌメリを見せていた。いかにも食べられそうな姿に中毒例の多いキノコだ。

 この他にもたくさんのキノコが出ていたがチャナメつめタケは一つも見られなかった。
2003.09.17 富士山(滝沢林道)
 今日は早く起きて滝沢林道へ行く予定だったが、朝寝坊で大きく出遅れ山へ着いたのは10時過ぎだった。
 もう帰る車も出始めたが、写真を撮るキノコはあるだろうと山に入った。

 枯れ沢の倒木にニカワハリタケが出ていたが朽ちたものが多かった。
 やや開けたところの立ち枯れにキノボリイグチが木に登ったように出ていて周りに幼菌も2本見られた。
 苔むした斜面に先に入った人たちの目のこしと思われるタマゴタケが1本だけ出ていた。
 ウラジロモミ林の苔が厚いところに綺麗なベニタケの仲間が出ていた。毎年見るきのこだが図鑑合わせでは名前が分からない。

 道路が閉鎖されてところで休んでいると、採り終えた人が帰ってきたので様子を聞くとハナイグチやキシメジを持っていた。いろいろ話しているうちに当ホームページの愛読者で私が若いとき東京で勤めたことのある同業の先輩であることが分かり感動するものがあった。
 静岡に帰らず東京に暮らしていたとしても今のようにキノコに夢中になっていただろうか・・・?

 
2003.09.16 富士山(スカイライン2合目)
 三連休の後で晴天続きとなると、どこへ行くか考えてしまう。食菌は無くても連日霧がかかっている富士山2合目なら何とかキノコの顔は見れるだろうと、西臼塚周辺のブナ林を歩いてきた。

 山肌は適度に湿っていて、色々なキノコが少しずつ出ていて観察は面白かったが、きのこ狩りの対象となるきのこはほとんど出ていなかった。
(例年見られる、ナラタケ、ヌメリツバタケモドキ、ツキヨタケは一つも見られなかった。)

 チシオタケも数はいつもの年より少ないが可愛い姿を見せてくれた。
 昨年老菌を見ただけのクロサカズキシメジが、いい状態で出ていてやっと被写体になった。
 カサヒダタケも初めて見るキノコで、ウラベニガサの仲間はシイタケのホダ木で見ることが多いがやはり苔むしたブナに出るのが野生らしくていい。
 霧に濡れた苔に橙色の花が咲いたようにヒナノヒガサが出ていた。苔の緑とのコントラストが綺麗だ。
 広葉樹の落ち枝からアシグロタケに酷似している(足の部分が黒くなるのは、材に付着した部分だけ)キアシグロタケの仲間が出ていて、驚いたことに傘の上に新たな子実体が出ていた。天候不順で奇形になったのだろうか?

 
2003.09.13 安倍峠
 静岡木の子の会、中部研修会が山梨県身延町から静岡市の梅ヶ島に通じる安倍峠で開かれ参加してきた。
 朝8時から10時頃まで強い雨が降ったが参加者も多く、連日乾燥していたわりにはキノコの種類も多く(量は少なかった。)楽しい観察会だった。

 笹藪を切り開いた急な登りの林道脇にアカイボカサタケが可愛い姿を見せていた。キイボカサタケもあったがここではシロイボカサタケは見られなかった。

 尾根づたいの峠道に出るとキノコの姿が増え、初めてコガネテングタケを見ることができた。

 カバイロツルタケも笹藪の脇に時々見られた。

 峠の一番奥には食べ頃のヤマドリタケモドキが一本出ており、もう少しないかとあたりを探したが幼菌が一本あっただけだった。

 登るときにS君と二人で丁寧に探したはずの帰り道に立派なイッポンシメジが2本出ていた。クサウラベニタケとよく似ているがこれはイッポンシメジに間違いないだろう。

 どのキノコも雨上がりで瑞々しい姿が見られたが、倒木に出るキノコは少なく、ここも気象の影響には逆らえないようだ。

       ※9月12日分も更新しました。
2003.09.12 富士山(須走口)
 昨日更新ができなくて一日遅れ(13日)になってしまった。
 相変わらず雨は降らないが、富士山は少しずつ色々なキノコが出ている。
  ハナイグチ2、ショウゲンジ2、タマゴタケ3といった具合で、たくさん出ていたのはアミハナイグチ、ウラグロニガイグチ、ヤマイグチなどだ。

 売店に来た人の中にはコウタケやホウキタケを持っている人もいたので探し方によっては見つけられるようだ。

 私が見た中で、気に入った写真を掲載する。
 シロヤマイグチ
 シロカノシタ
 サクラシメジ
 アシベニイグチ
 クサウラベニタケ?
 
2002.09.09 櫛形山(山梨県)
 息子と二人で山梨県の櫛形山へ行って来た。下調べがいいかげんで登山口は間違える、装備は足りない、途中でキノコに出会うで、とうとう頂上に着く前にタイムアップになってしまった。

 ここもキノコの出は悪かったが、亜高山帯のコメツガ林に入るとチラホラと見え始め頂上付近ではたくさんの種類が見られた。
 しかし、きのこ狩りの対象になるような食菌はハナイグチだけで、これも老菌が多かった。
 数少ないミズナラの、根本がウロになっている所にクサハツモドキが二つ並んで顔を出していた。面白い構図に見飽きたキノコにもカメラが向いたしまった。
 コメツガの樹下の苔むしたところに、今まで見たことがない紫色のベニタケ科のキノコが出ていた。家に帰り図鑑で調べるとムラサキカスリタケが一番近いようだ。
2003.09.08 富士山(スカイライン2合目)
 雨がしばらく降っていないので里山は乾燥しているが富士山の2〜3合目は連日霧に包まれ(雲の中)適当に湿っている。

 ブナ林もキノコは少ないが一箇所だけツエタケが点在していた。ここのものはどれも大きく傘径6〜8pある。

 落ち枝の脇にヒロヒダタケモドキが出ていて老菌が多かったが一つだけ瑞々しいものがあった。

 ウラジロモミ林には今年はもうあきらめていたコガネヤマドリが二つ出ており、周りを探したが老菌が一つ見つかっただけだった。

 苔むした広葉樹の倒木に綺麗なスギタケモドキが出ていて、こちらは幼菌もたくさん見られた。

 ミヤマタマゴタケもいつもは普通に見られるきのこだが今年はやっと見ることができた。
 先日、「気分は き・の・こ」のニヴァリスさんにミヤマタマゴテングタケの和名はミヤマタマゴタケとメールをいただいていたので当HPのアルバムも訂正した。テングタケ節とされていたがタマゴタケ節に分類されるらしい。そういえば傘に条線がある。
(ニヴァリスさんありがとうございました。)


2003.09.07 富士山(スカイライン五合目)
 前回の続きでスカイラインの五合目を歩いてきた。
 日曜日とあってキノコはほとんど採られた後だったが、カラ松の林にはホテイシメジキノボリイグチが所々に出ており幼菌も見られた。(ハナイグチはなかった。)

 シラベの根本にツバアブラシメジ?が幼菌から老菌まで6本出ていたがアブラシメジの仲間は似ているものが多くいつも同定は悩まされる。

 上記の他、ヤマイグチ、ベニタケの仲間、ツルタケ、クサウラベニタケ、カラマツベニハナイグチ、クロラッパタケなどが見られた。


2003.09.03 富士山(スカイライン五合目)
 今日の残暑は、今年一番の暑さで、妻が午前中で仕事を終えて帰って来たのですぐに富士山の五合目に避難した。

 五合目はやはり快適でシラベ(針葉樹)とダケカンバの遊歩道を二時間かけて散策してきた。
 「色々なキノコが少しずつ」が今年の富士山の特徴らしく、ここでもベニタケの仲間やイグチの仲間がいろいろ出ていたが老菌や乾燥したものが多く、被写体になったキノコは少なかった。

 シラベの根本にクロノボリリュウタケが出ていたが里山のものより色が淡くノボリリュウタケとの中間くらいに思えた。

 ダケカンバの多い場所には、クロラッパタケが最盛期を迎え何カ所も出ていた。食菌らしいがどうも日本人向きとは思えない。

 この他、食菌はタマゴタケ、ショウゲンジ、オトメノカサ?、ツガタケ?などが少量ずつ出ていた。



2003.09.01 身延町〜上九一色村
 8/23にハナヤスリタケとして掲載したキノコは日本冬虫夏草の会のN内さんからアドバイスをいただき、調べなおしたところタンポタケモドキと判明した。(詳細は8/23参照)

 富士山が絶不調のところへ来て、月曜日の休みではどこへ行っても土日に採られた後と考え、人が入らない山梨の山を歩いてきた。
 モミの古い切り株の際に幼菌の塊が出ていて、一瞬シャカシメジと思ったが周りを見渡すとナラタケモドキの成菌が点々と出ていて、すぐその夢はうち消された。
 風通しのいい斜面には、今日あたりもしかしたらと期待していたモミタケが二つ出ていた。傘径16pとやや小ぶりだが虫も入っていなくいい状態のものだ。
 この山の赤松は松食い虫のためか、ほとんどが枯れて倒れている。水分が多いところのものはヒメカバイロタケが一面に生え花が咲いたようだ。
 遠くで見たとき、切り株で何かのキノコが干からびていると思って近づくと初めて見るマゴジャクシだった。黒い引き締まった姿がマンネンタケと違った趣を演出している。

 モミタケ、マゴジャクシと初めてのキノコに気分良く更新作業をしていて
余分なファイルを削除しようとしたら、どういう訳かコンパクトフラッシュに入ったファイルが全て削除されてしまった。
半ばあきらめたが、気を取り直してネットで「ファイル復活」を検索したところ「データーメディック」というソフトがあり何とか復活することができた。
8,000円の出費となったが又いつ会えるか分からないキノコの写真が戻ったことでヨシとしよう。