主にきのこウオッチングの記録です。

2003.10.27 スバルライン
 今年滝沢林道で知り合ったYさんからショウゲンジが出ているとの情報をいただきスバルライン入り口付近を歩いてきた。

 この時期にショウゲンジとは驚きだが確かに出ていた。今日は月曜日でさすがに取り残しのみだったが、短時間で20本は確認できた。痛み始めているものも多く、つかの間で終わってしまう気配が感じられた。

 マツ林を少しはずれると倒木に出始めのスギヒラタケがたくさん出ていた。

 帰り際、カラ松林を覗くとキヌメリガサ(別名コンキタケ)が数カ所に出ていたがいつもの年より少なく、いくら根気がある人でも食べる分は集められないだろうと思った。
2003.10.25 (富士山)西臼塚
 当直明けで久しぶりに妻と休みがあったので、西臼塚の紅葉を見に行ってきた。紅葉は来週あたりが最盛期になりそうだが早いものは見事に色づいていた。
 紅葉を見ているのは車の中だけで、遊歩道に入るとやはりキノコが気になる。最近では妻も感化され二人とも完全にキノコウオッチングになってしまった。

 笹藪のブナの倒木にブナシメジが出ていて、いつも見るものより褐色が濃く、遠目には違うキノコと思ったが傘表面の大理石模様でブナシメジと判明した。
 倒木の周りにはキノコには珍しい緑色の傘を持つモエギタケが綺麗なヌメリで輝いていた。なかなか綺麗な状態のものに遇えなかったがやっといい写真が撮れた。
 ブナの倒木には大きなツキヨタケが出ていた。この時期に出るものは色の濃いものが多くシイタケとよく似ている。
 近くの落ち枝にオツネンタケモドキが出始めていた。この時期に出て来年の5月頃まで長持ちするキノコだ。
 食菌の多い時期には見落としてしまうホソツクシタケが昨年落ちたホウの実から出ていた。もう老菌といえるが、食菌と違った不思議な魅力を持っている。

 土曜日でキノコ狩りの人が多く、私たちは遅く着いたので食菌はほとんどあきらめていたが運良くチャナメツムタケ、アカモミタケ、ブナシメジを一回分確保できた。
2003.10.23 山梨県(某林道)
 きのこの会のアンケートに「見たいキノコは何?」というのがあり、運が良ければ遇えそうな「コウタケ」と記入した。心の底には「ホンシメジ」があったが、幻の存在のような気がして夢のキノコとして心に留めた。
 そのキノコが今、目の前にそろっている。しかも多数の食菌に囲まれて。
 ・・・すでにホンシメジ入りの「キノコ鍋」は食べた。美味かったのはいうまでもない。ささやかな幸福感に包まれている。・・・

         「今日は今年最高の食菌祭りです。」

 林道は朝靄が立ちこめて山頂へは進めないので、途中で山に入るがキノコの気配は全くない。出会った道路工事のおじさんに挨拶すると、「やっと出始めたが少ないので場所を知らなければ無理だろう。」とキノコ情報を教えてくれた。
 出ていることがわかっただけでも大助かりだ。
 朝靄も晴れだしたので山頂へ向かいしばらく歩いたが何もない。ダメもとで場所を変え、赤松の下に灌木が生えている場所にきてキノコセンサーが働きだした。ここと思われる場所で腰を落とし、しばらく見ているとわずかに落ち葉が上がっていてキノコらしいものが見える。
 葉をかき分けるとクロカワが出てきた。今年は富士山で見なかったので幸先がいい。
 丁寧に見ながら進むと念願のコウタケが2本並んで出ていた。匂いを嗅いだり撮影をしたり急にキノコ狩りらしくなってきた。
 発生環境が、いかにもホンシメジが出そうなところで、時期もいいのでもしかしたらと考えていると本当に、2メートルくらいの菌輪を作って出ていた。膨らんだ真っ白い柄にしばらく見とれ、引き締まった柄の充実感を感じながら採取した。
 出ていたのはここだけで他は何もないので、マツ林を後にしてブナ林へ向かった。
 ブナ林もおなじみのキノコが少量ずつ出ていた。
 見つけた順に、ミズナラの倒木にはシイタケ、ブナの倒木にはムキタケ、埋もれ木にはクロゲナラタケチャナメツムタケ、コナラの倒木にはヌメリスギタケモドキ、大きな広葉樹の切り株にはクリタケが出ていて食菌のオンパレードになってきた。
 林道脇のヒノキの切り株に見事にキノコが出ているので、ニガグリタケかと思い近づくとどうやらクリタケモドキらしい。食べたことはないが図鑑では(食)になっている。

 キノコの撮影を始めてからは、よほどいいキノコでなければ持ち帰ることはないが今日は完全にキノコ狩りになった。「撮る」「採る」「食べる」やはりキノコは面白い! 
2003.10.20 身延町(山梨県)
 ハタケシメジの株立ちしている写真を撮りたいと以前から思っていたが、この時期は富士山の針葉樹林やブナ林が面白く、なかなか専門に探すことはなかった。
 今日は山梨の実家に行ったついでに、最初からハタケシメジ探しで林道脇の空き地や草原を散策した。

 数年前に開通した林道を歩き、分岐点横の空地で小さいのを一つ見つけたので目を凝らしてみると次々に見えてきた。通りすぎたところにも出ていて枯れ葉とカモフラージュしている姿に驚かされた。(まだまだ私のキノコ目はたいしたことはない!)

 近くのコナラと思われる切り株にナラタケが出ていた。今シーズン富士山ではいい状態のものが見れなかったので、初めてのキノコを見るような新鮮な気分だった。

 林道を少し進むと点々とコガネタケが出ていた。数本ずつ固まって出ることが多いので、これからたくさん出てくるのかも知れない。

 林道の真ん中にはムジナタケの幼菌が出ていた。家の庭や空き地で見かけることが多いが山で見るものの方が、綺麗に見える。
  
2003.10.19 上九一色村
 西湖の野鳥の森を散策したがキノコの姿は何もないので上九一色村の広葉樹林に場所を移しやっときのこの姿を見ることができた。

 大きな切り株にはセンボンイチメガサが一面に出ていて遠くからでもキノコが出ていることがわかった。小さいが一つ一つがとてもしっかりしていて綺麗なキノコだ。

 ブナの大木の下にはウスキブナノミタケが踏まないで歩くのは困難なほど出ていた。昨年はブナがたくさん実を付けたようだ。

 大きなイタヤカエデと思われる倒木には、フチドリツエタケが全面に出て盛りを迎えていた。大きさは傘径3pから10pくらいで、大きいものにはフチドリが見えなかった。小さいものは傘が開ききってもフチドリは残っているので成長過程で消えるのではなさそうだ。場所が離れた他の木でも同じ出方をしているのでフチドリツエタケの性質だろうか?
2003.10.17 富士山(西臼塚)
 友人と二人で2週間ぶりの西臼塚周辺を歩いてきた。量は少ないがこの時期、この山で見られる食菌がほとんど採れ食菌特集となった。
(久しぶりに美味しいキノコ汁を堪能した。)

 以前はどこのモミ林でも蹴飛ばすほど見られたアカモミタケも、モミの木の成長と共に出なくなり、たくさん出る場所はモミの若木の限られた場所になってしまった。利用価値の少ないモミはもう植林しないのだろうか?

 チャナメツムタケは広葉樹・針葉樹の区別なく落ち枝の埋もれたような場所によく出る。台風などでたくさん倒木が出た場所で、うまく菌の回ったところに出会えばたくさん収穫できること請け合いだ。
 
 時期遅れのウスヒラタケと思って近づくとどうやらヒラタケのようだ。ブナに出るのはウスヒラタケが多いが他の広葉樹にはヒラタケが出るようだ。

 大きな広葉樹の倒木には一枝だけムキタケが出ていた。手の平弱の大きなものもあり一枝で2軒分は充分にあった。

 今年はなかなか見られなかったヌメリスギタケモドキが倒木に列をなして出ていたが、少し時期が遅く鱗片が脱落し始めたものが多かった。まだ充分食用になるが他にたくさん採れたので極上を少しいただくだけにした。

 ナラタケもやっと出てきたが小さいものが多く数も少ない。来年に期待を込めてこれも極上だけをいただいた。 
2003.10.13 上九一色村
 待望の雨が降ったが、3連休の最後であることを考え、あまり人が行かない山を歩いてきた。

 日当たりのいいところは何も見あたらないので北向きの枯れ沢の周りを歩くと少しずつキノコの姿が見えてきた。

 朽ちかけた広葉樹の倒木にアカチシオタケがたくさん出ていた。チシオタケに比べると発生数が少ないようで、なかなかいい状態のものに出会わなかったが今日は幼菌から老菌まで雨上がりの綺麗な姿が見られた。

 乾き気味の斜面にカラカサタケが数本出ていたが、例年見られるものより小型で力強さに欠けるように思えた。(この傾向は他の遅れて出てきたキノコも同じようだ。)

 毎年、他の場所より2週間くらい早くクリタケが出る倒木があり、今年もここだけいい株が出ていた。早稲の菌なんてあるのだろうか?

 ブナの巨木の倒木にブナハリタケが一面に出ていて、近づくと独特の甘い香りが漂い、ここだけ異空間のようだった。(写真の量はおよそ1/4)

 今日の目的はムキタケだったが、まだ幼菌で採るのはためらわれるものばかりだった。何カ所か探せば一度食べるくらいは何とかなると思ったが、尋常でない風が吹き出し、にわかに空が黒くなったので駆け足で山を下りると台風のような大粒の雨が追いかけてきた。間一髪、車に逃げ込みずぶ濡れは免れたが、たまには天気予報も当たるようだ!
2003.10.08 山梨県(某山)
 菌友のS君に場所を公開しないことを条件に山梨県の某山を案内してもらった。

 赤松と広葉樹が適当に混じり毎年たくさんのキノコが出る場所らしいが今年はどこも、さんざんな状態だ。

 マツ林の斜面には所々にキホウキタケが大きな菌輪を作っていたが他のキノコはなにも見あたらなかった。

 尾根近くに登と一箇所ヤブレツチガキが群生し開く前の幼菌から色の変わった老菌まで見ることができた。

 尾根筋をしばらく歩くと、今日の目的のムレオオフウセンタケの幼菌が3本出ていて初めて見るユーモラスな姿におもわず笑ってしまった。
 近くにまとまって出ることがあると聞いたので付近を探したが成菌が一本出ていただけだった。

 ミズナラの倒木からは見頃、食べ頃のシイタケが所々に出ていた。数は少なくても野生のものはやはり美しい。

 シーズンの終わりが近いことを知らせるコガネタケがミズナラとマツの混生林に出ていた。林道脇で群生を見ることが多いが、山中にまとまって出るのは初めて見た。
 
2003.10.04 富士山(西臼塚)
 「静岡木の子の会」東部地区探索会がホームグランドの西臼塚で開催され参加してきた。全員、不作は覚悟していたが同定会には30種類近いキノコが並んだ。
 この時期、一番出ているはずのナラタケはほとんど見られなかったがヌメリツバタケが大きな倒木一面に出ていてブナ林のキノコの面目を保っていた。
 ツキヨタケもいつもならもう老菌が多いのに幼菌が出始めていた。今年はムキタケと同時になりそうで注意が必要だ。
 その他アイカワタケ、シイタケなどが目を引いた。
 

2003.10.03 富士山(スバルライン)
 誰に聞いてもいい情報がない、特に乾燥が続いた里山はひどいらしい。そこで富士山なら少しは出ているだろうとスバルラインへ行って来た。
 毎年たくさん車が止まっている料金所入り口に、今日は一台も止まっていないので不思議に思って林を覗くと、地面は乾燥しとてもキノコの出る状態ではなかった。

 上に行けば何とかなるだろうと五合目まで登ってみたが、ここもほとんどキノコはなく、倒木が重なり湿り気が残ったところにチャナメツムタケ、シロナメツムタケ、オニナラタケが出ていたが食べる量はないので採取はやめにした。
 近くの大きな倒木の周りにはセンボンクズタケがたくさん出ていて幼菌から老菌まで観察することができた。

 場所を三合目まで移し、しばらく歩いたがたまにフウセンタケ類のミイラを見かけるだけで半ばあきらめかけたとき、乾き気味の苔を押し分けるように出ているマツタケに遭遇した。このキノコだけなぜ?と思える新鮮さだが地中深くから出てくるのであまり乾燥の影響は受けないのだろうか?
 この一本で気分が良くなり、辺りを探したが他に見つけることはできなかった。

 帰り道の樹海でいつもナラタケの出るところを覗いてみたが乾き気味のヌメリツバタケモドキが広葉樹の立ち枯れから出ているだけだった。