主にきのこウオッチングの記録です。

2003.11.26 富士宮市
 昨日のまとまった雨は、富士山では本格的な雪になり5合目付近まで真っ白に雪化粧した。今日は低気圧の去った後の暖かい晴天で里山を歩いてきた。

 スダジイの倒木に大きなコガネニカワタケが出ていた。このキノコは11月6日に見つけたものだが20日間も長持ちするようだ。

 やはり6日にシロキクラゲを見つけた場所のコナラの落ち枝に、取り残したものが大きくなっていた。昨夜強い風が吹いたのでヒノキの枯れ葉が付いていて取るのに苦労した。

 コナラとヒノキが混じった林に白い小さなキノコが直径約2メートルの菌輪を作っていたが、この時期に出る小さなキノコは図鑑に載っているものが少なくほとんどが不明菌になってしまう。

 林道の土手に古いツチグリがあったので辺りを見回すと、目線の先の斜面に枯れ葉を押し上げてキノコが出ているのが見えた。静かに枯れ葉を取り除くとシモフリシメジが出てきた。さらに目を凝らしてみると次々に現れ16本出ていたが、ほとんどが老菌のため来年に期待して今日は採るのを止めた。
 
2003.11.24 西臼塚(富士山)
 昨年は11月上旬に霜が降りほとんどのきのこが終了したが、今年は暖かい日が続き雨も適当に降っているので、まだブナ林に何かしら出ているだろうと西臼塚周辺を歩いてきた。
 葉が落ち見通しが良くなったブナ林は私一人の貸し切りで、落ち葉の絨毯は日が射して歩くのが気持ち良かった。

 朽ちかけた倒木に近づくとミイノモミウラモドキが数本出ていて、どれも状態が良くまだ幼菌も見られた。

 根こそぎ倒れたブナの倒木の根元にキララタケの幼菌が出ていた。何回も繰り返し出ているようだがもう最終だろう。

 苔むした倒木の上に落ちたミズナラの枝から、シイタケがたくさん出ていた。食菌は期待していなかったので篭も袋も持ち合わせず、帽子と上着のポケットに入れて持ち帰ったが嬉しい誤算であった。

 沢沿いの倒木にオオゴムタケが3個出ていた富士山では発生が少なく久しぶりに見ることができた。横から胞子が飛んだがまだ中は新鮮そうだ。

 その他、オツネンタケモドキ、ニガグリタケ、ニガグリタケモドキ、チャナメツムタケ(2個)などが出ていたが、一番綺麗だったニガグリタケモドキを代表して掲載することにした。
2003.11.16 修善寺町(虹の郷)
 伊豆半島の修善寺町にある「虹の郷」(大きな有料公園)に紅葉と菊の花を見に行ってきた。(ここは初夏にシャクナゲや花菖蒲を見に来たとき、キノコも沢山見ているので、そちらも期待して。)
 温暖な伊豆半島の紅葉はまだ早く、モミジがわずかに色づき始めただけでほとんどの木はまだ緑の葉を茂らせていた。

 きのこの姿は少なかったが、生け垣のツツジの根元にはハタケシメジが出ていた。近くに誰かが引っこ抜いたものもあったのでかなりの量が出るようだ。

 遊歩道下の斜面に見慣れないキノコが見えたので、上から写真を撮りヒダを見ようと引っ張るとボリボリと聞き慣れた音を立てて柄が折れた。
なんのことはない、埋もれ木からナラタケが出て乾燥し始めていただけだった。

 赤松の下の日当たりのいい斜面に植えられた芝生の中に、陽を受けて輝くキノコが点々と出ていた。よじ登ってみるとチチアワタケが菌輪を描いている。まだ幼菌が多く、ここ数日の雨で出てきたようだ。

 遊歩道脇の桜の下に、出始めのシロソウメンタケのようなキノコがたくさん出ているので近づいてよく見ると、シロソウメンタケよりクリーム色で根元が細くなり透明感のある褐色になっているのでシロヤリタケのようだ。
 腐朽の進んだ広葉樹と思われる切り株からいい状態のクリタケが出ていた。よく見れば遊歩道からも見えるが誰にも見つからないで残っている。

 どうやら、こんなところでズボンに草の実をいっぱい付けてキノコ探しをしている物好きは私たち夫婦だけのようだ。

2003.11.14 本栖湖
 日本には、何回梅雨があるか知らないがこの時期の長雨を「さざんか梅雨」というらしい。
 今日はその梅雨の中休みで気持ちよく晴れた本栖湖の周りの松林と樹海の遊歩道(東海道自然歩道)を歩いてきた。

 赤松の根元に大きなヌメリイグチが出ていて、始めは時期を間違えたうっかりものと思ったが、その後3箇所で見つかり出るべき条件が整うと、この時期でも出ることがわかった。

 松葉が堆積したところにオレンジ色のキノコが出ていた。初めて見るキノコでキヌメリガサに似ているが名前が分からない。

 松林には他のキノコが見あたらないので樹海の遊歩道に入るとシデの大木の枯れ始めたところに冬のキノコの定番のエノキタケが出ていた。いい場所を探せばエノキタケのみそ汁を楽しめる時期になったようだ。

 ミズナラの根本に綺麗なヒトヨタケの仲間が出ていた。先日も他の場所で見かけたが名前が分からない。

 広葉樹の立ち枯れには開き初めのニガグリタケモドキがギッシリ出ていた。このキノコもエノキタケ同様寒さには強いのでこれから時々見かけることになるだろう。

 日陰の広葉樹の倒木からはフチドリツエタケが一本出ていた。思いがけない場所で驚いたが、木が古いので今年限りの出会になる可能性が高い。
2003.11.12 富士宮市
 先月までは雨が降れば喜んでいたのに、11月も半ばになると冷たい雨に出足が鈍る。
 それでも何か出ているだろうと、雨上がりの里山を歩いてきた。

 シイの林にはベニタケの仲間が所々に出ていたが、黄色で大きくヌメリがあるキノコが目についたので手にとって観察すると、ヒダが黄色で柄がしっかりした中実でありキシメジのようだ。

 コナラとカシの混生林にはドクツルタケが点々と出ていた。最盛期に比べると皆一回り小さいがまだ幼菌もあり、梅雨時から晩秋まで息の長いキノコだ。

 コナラの多いところにはクサウラベニタケもたくさん出ていた。このキノコもドクツルタケ同様息が長いキノコだ。

 日陰の広葉樹の倒木からはクリゲノチャヒラタケたくさん出ていた。幼菌の時は綿毛が密であまり綺麗ではないが一番綺麗な姿に出会えた。

 茶畑の堆肥を敷いたところにコムラサキシメジがたくさん出ていた。美味しそうに見えるがお茶も出荷するものは消毒回数が多いので写真だけ撮ることにした。
2003.11.06 富士宮市
 昨夜は、この時期にしては珍しく30ミリ近い雨が降った。午後から時間が空いたので久しぶりに定期観察路の里山を歩いてきた。雨上がりの綺麗なキノコが沢山あり霜が来なければ当分楽しめそうだ。

 最初に出会ったのはシモフリシメジ?で3年前に見たまま2年間休んだがやっと出てきた。本数は減っているようだ。
 
 ホームページの表紙を飾っているクリタケと同じ木に、今年もたくさん出ていた。鱗片もはっきりしていていい状態だ。

 一番たくさん出ていたのはチョウジチチタケで幼菌から老菌まで見ることができた。チョウジの匂いを確かめようと嗅いでみたがあまり強い匂いはせず、微かにこれがそうだろうと思われる匂いがした。(どう表現したらいいか分からない匂いだった。)
 
 落ち葉に埋もれたコナラから大きなベニヒダタケが出ていた。よく見るとカタツムリが下から首を長くして食べている最中だった。カメラの設定を変えているわずかな時間に傘の上に登り優雅に食べ始めた。

 昨年伐採されたコナラの数カ所にシロキクラゲが出ていた。春にも見られた場所だが増えてきたようだ。雨上がりの半透明の姿は綺麗というより神秘的だ。

 今日の目的はムラサキシメジだったが、ほとんどが朽ち始めていて小さいものが2本がかろうじて被写体になった。思わぬところで老菌の菌輪を見つけたので来年が楽しみだ。
 
2003.11.04 上九一色村
 昨日からの雨が上がったので、富士宮市北部と上九一色村の広葉樹林を歩いて来た。 紅葉も半分以上散り、大部分のキノコが終期を迎えたようだ。

 コナラの根元に綺麗に輝く、傘径3〜4pのキノコが束生していた。形はカオリツムタケに似ているが粘性が無く「石けん臭」といわれる臭いもほとんど感じられなかったので「不明菌」とした。

 薄暗い林の中に菌輪を作っているきのこがあり、遠くから見るとドクササゴのように見えたがよく見ると違うようだ。(静岡県で見つかれば大発見だったろう。)結局これも「不明菌」になった。

 ハンノキと思われる倒木の根本にキララタケが幼菌から老菌まで出ていて紅葉した落ち葉とよく調和していた。

 クリタケは数カ所で見たが老菌が多く1箇所だけ「見頃、食べ頃」のものがあった。

※2日の「ミヤマタマゴタケ?」はドウシンタケではないかと読者の方からメールをいただき 調べ直したところドウシンタケでいいようだ。ありがとうございました。
2003.11.02 千本松原(沼津市)
 海沿いの黒松林をシモコシとマツバハリタケを探して歩いたが、結局見つからなかった。
 全体にキノコは少なく、かろうじて被写体になったのはミヤマタマゴタケ?
ツルタケマンネンタケだけだった。