2004.03.31 富士宮市
 雨の後、暖かい日が続き野山は芽吹きの季節を迎えたが、定期観察路は春一番のキノコが終盤に入り次のキノコまで間が空く端境期に入ったようで目新しいキノコは出ていなかった。

 至る所で見られたのはタマキクラゲで、先日より一回り大きくなり溶け始めているものも見られた。

 イチョウの樹下のトガリアミガサタケは、ほとんどが黒褐色になり柄もざらついてきたが日当たりの悪い場所には最終と思われるものが数本出ていた。

 1日早いが明日は当直になるので表紙を更新した。昨年を振り返ると4月は桜が散る頃から楽しくなりそうだ。


2004.03.23 富士宮市

 待望の雨が続くようになったが、菜種梅雨に入ったのだろうか?
 雨と同時に寒さが戻り、山間部では雪になったが定期観察路のキノコは雨を待っていたように一斉に瑞々しい姿を見せていた。

 ヒメキクラゲタマキクラゲは今が盛期で至る所に出ており、ヒメキクラゲは桜やエゴノキの倒木に多く、タマキクラゲはほとんどがコナラの落ち枝から出ていた。

 クロハナビラタケ(毒)とクロハナビラニカワタケ(食) が10メートルも離れていないコナラの倒木に出ていた。両者は乾くと酷似していることを以前にも書いたが、今回見比べるいい機会を得た。

 アラゲキクラゲキクラゲは昨年の暮れあたりから出始めていたが、食べ頃になったので採取してきた。

 椎の埋もれ木からはフクロシトネタケが出ていた。コナラから出るものより色が淡いが日陰のためか? このキノコも春の定番だ。

 大きなコナラの倒木にニガグリタケがやっと出てきた。雨さえ降れば1月でも出ることがあるが今年はやはり乾燥が強かったようだ。

 ここまでのキノコは出ていることを予想していたが、山道の脇にいきなり大きな傘のキノコが出ていたので驚いた。地上生のキノコのように見えたが落ち葉を除くとコナラの埋もれ木から出たウラベニガサであった。

 この他、ハナビラニカワタケ、ヌルデタケ、シロキクラゲ、センボンクヌギタケ?、エノキタケ、シロホウライタケ属、クヌギタケ属などが出ていた。
 

2004.03.16 富士宮市

  竹さんの「ドキッときのこ」でアクニオイタケが出ていたので近くの松林を覗くと、スポンジ状に腐朽が進んだ赤松の倒木から一斉に出ていた。昨年は至る所で見られたが、今年は桧の下の日陰に倒れた木(水分を含んでいるもの)に限られるようだ。

 近くの赤松にヒトクチタケの幼菌がたくさん出ていた。この松はまだ葉がついて立っているが、ヒトクチタケが出てきたということは松食い虫にやられていることを示しており、やがて枯れてしまうだろう。

 昨年の秋、いかにもトガリアミガサタケが出そうなイチョウのある神社を見つけてあったので、行ってみるとやはり出ていた。食べ頃5本、幼菌数本、出る環境が分かってきたようだ。

 まだ雨は降りそうにない・・・野も山もカラカラだが、出るべきキノコは 少ないながらも、小さいながらも、けなげに出ている。・・・雨よ早く降れ!


2004.03.13 富士宮市
 桜の開花予報も聞かれ、だいぶ春らしくなってきた。昨夜小雨が降ったので期待して定期観察路を歩いてきたが、山は思いの外乾していてキクラゲ類は硬く固まっていた。それでも湿り気のあるところにはハラタケ目のキノコが幾つか見られた。

 桧とコナラの混生林で、桧の葉でいつも日陰になっている場所にミイノモミウラモドキが数本散生していた。早春から晩秋までほぼ一年中出ているようだ。
 桜の枝が積まれている場所には、小型のキノコが群生しておりムササビタケと思ったがどうも違うようだ。この手のキノコは同じようなものが多く図鑑にもあまり載っていないのでほとんどが「不明」になる。しかし、キノコの少ないこの時期に綺麗な姿を見せてくれるのはありがたい。
 同じ場所の桜の幹からヒラタケが出ていた。昨年も同じ所で見ているが木が朽ちてきたので今年限りだろう。
 天気がよく暖かいので、いつも歩かない獣道のような細い林道をしばらく歩くと、沢の源流のような場所に大きなクヌギが倒れていて、20メートルくらい先からエノキタケが群生しているのが見えた。苔むした大木に出る姿はエノキタケとしては今まで見た中で最高のものだ。木がしっかりしているので当分楽しめるだろう。嬉しいことに横の木には10日くらい前に出たと思われる(食べるには少し時期を過ぎている。)ヒラタケもたくさん出ていた。来年が楽しみだ。
 



2003.03.09 富士宮市

 3月に入ってから寒い日が続いていたが、今日は寒気団が遠ざかり、桜が咲き出しそうなくらい暖かくなった。
 各地でトガリアミガサタケの便りが聞こえはじめたので、昨年見つけたお寺のイチョウの下を探すと幼菌が6個出ていた。乾燥しているのであまり大きくなりそうもないが、春を見つけた気分で透明感のある姿が愛らしく見えた。
 ツバキキンカクチャワンタケは昨年の暮れ1・2個確認していたがその後姿を消し今日久しぶりに見ることができた。昨春は雨が多かったのでどこに行っても出ていたが今年は湿気があるところに限られるようだ。

※ ヤマウバノカミノケについて
  昨年11月に見つけた髪の毛のようなキノコの正体が分かったので取り上げた。
 ウマノケタケについて調べていて「信州のキノコ」に「ヤマウバノカミノケ」という名が出てきたのでネット検索すると。森林総合研究所、特用林産研究室長 根田仁さんの「山姥の髪の毛について」というサイトが見つかった。
 ヤマウバノカミノケは、菌糸が束になって髪の毛のように発達したものらしく数メートルになることもあるらしい。知識がないまま見つけたときは正体が分からず首をひねってしまった。

※ ウマノケタケについて
 「すばらしきキノコたち」のコリビアさんが他のサイトの掲示板に書き込みされたのを拝見して、先日アルバムに載せた「ウマノケタケ」は間違っていたことが分かった。
 ウマノケタケは山渓「日本のきのこ」に、「枝の上に髪の毛状の根状菌糸束を多数からませその上にきのこを作る。」と記されており写真だけ見ないで説明文もよく読む必要があることを知らされた。このことから先日アルバムに載せた「ウマノケタケ」は木から直接出ているので間違っていたことになる。(3月いっぱい悪い例で載せておきます。)







2004.03.01 富士宮市  
 今日で「遊々きのこ」が一周年を迎えました。皆様に激励をいただきながら進めることができ楽しい一年でした。これからもマイペースで行きますのでよろしくお願いします。

 待望の雨が昨日から降り、10時頃上がってきたので定期観察路の公園を歩いてきた。晴れた日は遮光用の傘を持っているが曇った日は持たずに歩くので、途中から降り出した雨でずぶ濡れになってしまった。(どうやら傘は雨が降るとき持つものらしい・・・・・)

 この時期のキノコは、いずれも乾燥に強く長持ちするもので、時折降る雨の度に復活し少しずつ成長するようだ。2日続きの雨でたくさんのキノコが瑞々しく復活していた。

 エノキタケは一番のものが終わり年明け以降に出たものが成長してきたようだ。
 キクラゲは出始めのものと中型のものが、はっきり2つに分かれており2度に分けて出たことが伺えた。
 コナラの枝にはヌルデタケがたくさん出ていて水分を含み膨らんでいた。
 シロキクラゲは雨上がりになると現れる忍者のような存在だ。出る場所を確認したので乾燥した姿も観察したいと思う。
 スエヒロタケは、昨秋伐採されたコナラの切り株や枝の至る所に出ていた。乾燥したときはうなだれているが、水分を含み末広がりに開いていた。
 2月4日に見つけた小型のクヌギタケの仲間が出ていた切り株は、いちだんと個数が増え切り株全体を包んでいた。センボンクヌギタケでいいと思うが図鑑を見ると針葉樹に発生と記載されているので?が付いてしまう。