2004.07.31 富士山(樹海)
 迷走台風は局地的に大雨を降らせたが、降った場所を確認しないとまだ乾燥しているところが多いようだ。

 午後から本栖湖周辺の樹海を散策したが、乾燥が長く続いていたらしく、ほとんどキノコの姿はなく、水分が残りやすい朽ちかけた切り株の根本でやっと小さなキノコを2つ見つけた。

 一つはツエタケの幼菌、もうひとつはヒメコンイロイッポンシメジだった。

2004.07.24  富士山(静岡県)
 菌友のS君とイグチの探索で沼津市の山に登ったが、3日前の夕立の効力は無く、山はカラカラに乾燥し1本のキノコもなかったので早々に引き返し三島市の日本庭園に向かった。

 ここも乾燥していたがナラタケモドキの株が点々と出ていて唯一乾いていなかった幼菌を写真に収めた。

 まだ時間が早すぎることと、暑さが激しいことから富士山に行く話はすぐに決定し小富士に向かった。

 到着時10メートル先も見えないほどの霧も徐々に晴れ、視界が広がるとともにキノコの数も多くなり、まず最初にアンズタケが菌輪を作っていた。今頃からで始め晩秋まで、出る期間が長生キノコだ。

 ハナホウキタケも大きな菌輪を作っていて色や形の変化を楽しむことができた。

 タマゴタケも数カ所に出ていたが単生しているものばかりで収穫するほどはなかった。

 フウセンタケ科のキノコも出始めており、傘の色やしわ、柄が紫を帯びることからアブラシメジ?と思ったが、いまいち決め手を欠き「?」付きにした。

 コテングタケに似ているが、よく見ると違っているように見えるテングタケ科のキノコが所々に菌輪を作っていた。いずれにせよ毒キノコの可能性は十分だ。
 
2004.07.23 富士山(静岡県)
 静岡県東部は一昨日、夕立があったが相変わらず暑い日が続いている。休日の富士山は行楽客で混雑が激しくなってきたが金曜日は空いているので2合目から3合目を歩いてきた。

 2合目付近のブナ林はこの時期、材上生のキノコが端境期を迎えイグチやベニタケも殆ど出ないので華やかさに欠ける。さらに乾燥も続く中かろうじて出ていたのはアミスギタケで傘のあるキノコを代表していた。その他でめぼしいものはクチキトサカタケで渋い輝きを見せていた。

 早めにブナ林を切り上げ3合目付近に張り出した雲の中に入ると、シラビソやコメツガの林は雨上がりのように水分を保っていて瑞々しいキノコが出ていた。
 ベニタケ科のキノコは数種類出ていたが一番綺麗だった名前の分からないものを掲載した。
 イグチはアシベニイグチ、ヤナイグチ、コガネヤマドリが出ていたが一番絵になったアシベニイグチを掲載した。
 朽ち始めた倒木が重なったところにキノコの傘が少し見えたので、障害物を徐々に取り除くと綺麗なコテングタケが出てきた。
 ニカワホウキタケはあちこちに出ていて、雨上がりの輝きが綺麗だった。正確な色を出そうといろいろ試してみるが、なかなか思うようにいかない。まだまだ修行が足りないようだ。

 雲(霧)の中は涼しくて気持ちいいが、時々濃い気団に包まれ不気味なほど暗くなるので道ばたのみの観察になった。乾燥している時期に新鮮なキノコをこれだけみられたのはラッキーといえる。
 
2004.07.16 富士山(静岡県)
 下界の暑さを避け富士山の須走り口5合目〜小富士を歩いた。時々流れて来る霧の中にはいるとTシャツ1枚では肌寒い陽気で、散策は快適だったが山は乾燥気味でキノコは少なかった。
 小富士付近までキノコの姿はほとんどなく、コメツガがたくさん倒れているところでやっとイグチやベニタケを見つけると、徐々にキノコが目に付いてきた。

 アケボノアワタケは所々に出ていたが白いカビにやられたものが多く一番まとものものを掲載した。
 1本だけ出ていたドクヤマドリは堂々とした立派なもので、他を圧して鎮座していた。
 コメツガの倒木にスエード状の小型のイグチが点々と出ていたが名前は分からなかった。
 乾燥し始めた苔からフサクギタケが所々に出ており、ほかにキノコが少なかったせいかよく目に付いた。
 
2004.07.15 富士宮市
 東海地方は13日に梅雨明け宣言が出て真夏の晴天が続き始めたが、まだ12日の雨の余力が残っていたようで定点観察の公園には夏のキノコがたくさん出ていた。(中でも多かったイグチを特集しました。)

 クヌギの朽ち始めた切り株にキクバナイグチが出ていた。初めて発見した特徴の多い姿に、群がる蚊でボコボコになりながら何枚もシャッターを切った。
 近くのカシとコナラの混成林にヤシャイグチが出ていた。これもキクバナイグチと同じオニイグチ科で富士山南麓では珍しく、雨が少なかった梅雨が関係しているように思える。
 スダシイノ根本にキヒダタケが1本だけ出ていた。これまでも何度か見ているがいつも状態が悪くやっと被写体になるものに巡り会えた。
 林道脇の所々にキアミアシイグチが出ていた。今まで幼菌ばかりで傘の開いたものは見たことがなかったので戸惑ったが独特の網足を見てキアミアシイグチであることがわかった。
 ホウベニシロアシイグチは何度も見ているが成菌はいつも虫にやられいい状態のものが少なく今回も囓られてはいるが網目などの特徴が残っていたので写真に収めた。

 イグチは、この他にオニイグチ?、ミドリニガイグチ、コウジタケ、ニガイグチモドキ、キイロイグチ、クリイロイグチ、クリイロイグチモドキ、イロガワリなどが出ていた。
 他のキノコも多数出ていたが、キイロアセタケ、オオカバイロホウライタケ、テングノメシガイ?、ヤグラタケ、ツクツクホウシタケなどの比較的珍しいものが多かった。
 
2004.07.12 松原湖・白駒湖(3日目)
 朝5時に目が覚めてしまったので、湖畔から山の尾根筋を巡る山道を早足で歩いた。早起きは三文の得の諺どおり、尾根筋の山道の真ん中にハナビラタケが出ていた。同じようにマツオウジも出ていたが道の真ん中に残っていたのは、しばらく人が歩いていなかったからだろう。
 研修会終了後、数人の仲間と白駒湖周辺を散策した。標高2,000メートル付近の針葉樹林にまだキノコは少なかったが初めてのススケヤマドリを見つけることができた。
 高度を上げ池に近くなると、出ているのはほとんどがヤマイグチだけになったが苔むした針葉樹林はみごとで、湖畔の景色もすばらしかった。

 松原湖周辺は、すばらしいポイントが随所にあり本格的シーズンにまた訪れてみたいと思った。(今回のように楽しい仲間と!)
2004.07.11 松原湖(1・2日目)
 昨年入会した神奈川キノコの会の宿泊研修会(2泊3日)が長野県の松原湖で開催された。日頃の行事はなかなか参加できないのでこの研修会だけは参加しようと日程委をやりくりしたが、期待どおり有意義で楽しい時間を過ごすことができた。(皆様ありがとうございました。)

 10日は中央高速の双葉サービスエリアで神奈川の一行と合流し、1日目の観察場所の清里の森に向かったが、強い雨が降り出したため観察を断念し、宿へ向い冬虫夏草についての研修を受けた。
 11日の早朝、湖畔を散策すると藤棚の太い蔓に大きなトキイロヒラタケが出ていた乾燥気味で色はくすんでいたが久しぶりの出会で、これから始まる観察会に期待が膨らんだ。
 観察会は、カラマツと広葉樹が混成する沢筋に入った。乾燥が続いていた割にはキノコは多く、すぐにアシベニイグチが目に入った。その後もベニタケ、イグチ、アセタケなどが次々と見つかったが、足下にあったのになかなか気がつかず、よく見ると大きな菌輪を作っていたイボタケ科のキノコを取り上げた。
2004.07.07 富士宮市
 今日はイグチ科とテングタケ科のキノコを中心に定点観察の公園を歩いた。短時間の散策予定で飲み物を持たずに進んだが、思いの外キノコが多く、30度を超える暑さで脱水症状に近くなり頭がボーッとしてきた。(この時期は蚊の対策と飲み物は必需品です。)

 コナラ林の草原に初めて見るベニイグチが出ていた。全体が赤く柄に網目模様があり、図鑑通りの姿ですぐに名前がわかった。近くに幼菌も2本出ていたのでシロになっていいると思われ、また楽しみの場所が増えた。

 コナラとカシの混成林の斜面に黄褐色の大きなイグチ(最大傘径24センチ)がたくさん出ていてその多くは朽ち始めていたが、第2弾と思われるレモン色に近い輝きを持った幼菌が数本出ていた。形や味からニガイグチ属と思われるが図鑑あわせでは同定できなかった。

 昨年、「Mash Room」の掲示板で教えていただいたコトヒラシロテングタケが今年もたくさん出てきた。ドクツルタケと同じようなところに出るがつぼの残骸を多く付けるのでわかりやすい。

 状態のいいタマゴタケをやっと見つけたが、やはり数が少ない。代わりにムラサキヤマドリが朽ち始めているのを各所で目にする。今年の傾向のようだ。
 
 この他、ヤマドリタケモドキ、ムラサキヤマドリ、クロアワアザタケ、ミドリニガイグチ、ウラグロイグチ、キイロイグチ、シロオニタケ、コテングタケ、コテングタケモドキ、アケボノドクツルタケ?、コロタマゴテングタケ、アオミドリタマゴテングタケ?、などが出ていた。
 
2004.07.05 沼津市
 富士宮は朝からシトシト雨が降り、夜になっても降り続いている。午前中、沼津市に買物に出かけると、途中の富士市付近で雨は止み、沼津市は雨が降った気配もなく夏の日差しが照りつけていた。わずか20キロメートルでずいぶん天気が違うものだ。
 雨が降っているから何処へも寄らず帰ろうとカメラを持たずに出かけたが、天気に誘われ携帯電話(カメラ)片手に海岸の松林を散策してきた。

 松林は乾燥し始めていて、全体にキノコは少なかった。マゴジャクシは乾燥に強いらしく数カ所の赤松の切り株に出ていて幼菌が多く成菌は虫に食われているものが目立った。
 樹種がわからなくなった広葉樹の切り株には、マンネンタケが出ていたが、いつもの年より小さいものが多く数も少なかった。
 イグチはミイラ化したものが多く、ニガイグチ一つが被写体になった。
 一番多く出ていたのはマツカサモドキ?で至る所に出ていたが乾燥しても以外に型が崩れず残っているものが多かった。

 今日の写真はデジカメ付きの携帯電話で、100万画素1024×768ドットの接写モードで撮影したものだが、「携帯電話もやるもだね!」サブカメラの役目を果たしそう。
 
2004.07.03 富士宮市
 久しぶりに妻と休みが合ったので定点観察の公園を散歩したが、大雨の後3日目にしては、めぼしいきのこは少なかった。

 帰り際、約200坪の自称「宝の山」をのぞくと季節の食菌がそろって出ていた。

 コナラ林の中に、遠くからでも見えたのはキタマゴタケで、近づくと30センチほど離れてムラサキヤマドリが出ていて、さらにその先1メートルにはヤマドリタケモドキが散生していた。まさに宝の山だ!

 初夏のきのこ狩りを堪能したが、タマゴタケが足りない。公園では既に時期を過ぎたものを2本見たが、例年より遙かに少ない。今年はタマゴタケの不作の年になるのだろうか?