2005.03.30 富士山(西臼塚)
 今年は昨年に比べ桜の開花が遅れているので、まだ富士山のブナ林(標高1,200m)は早いと思えたが、麓から見るとブナ林付近の雪は消えたので様子を見てきた。
 ブナ林に着いた頃から雲が広がりはじめ、陽の差さないブナ林は春の様相はなく、手が凍えるほど寒さにキノコは期待できないと思われたがよく探すと幾つかのキノコが出ていた。

 シロヒナノチャワンタケはブナの樹下の落ち葉を軽く除くと、昨年落ちたブナの実の殻斗に幼菌が一面に出ているものが至る所に見られた。
 オツネンタケモドキは、晩秋に出たものが残り、この時期の定番となるが今年は残っているものが少なかった。
 朽ち果てる寸前のブナの倒木にセンボンクヌギタケと思われるキノコが一面出でていた。里山のものは1月に出て3月中頃まで綺麗な姿を保つが、ここでは急激に気温が上がるので傷むのも早いと思われる。
 コバイケイソウが僅かに芽を出しているだけの落ち葉の絨毯を進むと突然、鮮やかな赤いキノコが目に入ったので近づくとベニチャワンタケが落ち葉の間から出ていた。北海道では雪解けの頃、残雪の間に出ると聞いたことがあるが、ここでも遅い雪が降ることがあるので同じような情景が見られると思われる。(車にチェーンを履いて、長靴で山を歩き、運良く見つかれば・・・) 



2005.03.24 富士宮市
 昨日まとまった雨が降ったので、この時期が盛りになるキクラゲ類を探索してきた。不安定な気圧でにわか雨が降るとの予報が見事に当たり、突然降り出した雨でずぶ濡れになってしまったが雨上がりのキクラゲ類の綺麗な姿が見られた。

 コナラの落ち枝には直径2〜3センチに膨らんだタマキクラゲが随所に見られた。あまり美味しいと思わないので採らないがザル一杯ぐらいは簡単に採れそうだった。

 ヒメキクラゲも随所に見られたが、柿の木を伐採して枝を積んだところにべったりと塗りつけたような大物が出ていた。これも食用になるが私には見るだけの存在になっている。

 シロキクラゲが出る林道脇に積まれたコナラの枝は、林道整備のためほとんどが片付けられてしまい出始めのものが少あっただけだった。これはたくさん出ていたら採りたいと思っていたが思うようにはいかないものだ。

 アラゲキクラゲは立ち枯れに出ることが多く、倒れるとよほどの大木でないかぎり1年くらいで消えてしまう。エゴの木の立ち枯れに昨年からの大きなものに混ざり、今年出た幼菌がたくさん出ていた。

 一昨年伐採された楠と柿の枝が積まれたところに、菌が回ったらしくキクラゲが大量に出ていた。どれもプリプリと弾力のある上物だったので今日のお持ち帰りになった。

 上記の他、ヒダのあるきのこは、エノキタケ、ヒラタケ、センボンクヌギタケ、シイタケ、ニガグリタケなどが出ていた。
 




2005.03.20 富士市
 新たな場所を開発しようと、杉・桧の中にわずかに残る雑木林を歩いたがキノコの姿は全く見えず、毎年アクニオイタケの出る赤松林に向かった。

 アクニオイタケはまだ出始めで小さなものが少し出ていただけだったが、いい被写体になるものが多かった。
 アクニオイタケは腐朽がすすみ皮が剥げスポンジ状になって水分を含んだアカマツの倒木に出ることが多いが、まだしっかり皮の残るアカマツの倒木にフクロシトネタケと思われるキノコが出ていた。今までコナラやスダシイの倒木に出るのは見ているが針葉樹に出るのは初めて見た。この場所でもあらためて観察すると10メートルくらい離れた場所のコナラの倒木に小さなフクロシトネタケが点々と出ていた。


2005.03.18 富士宮市
 昨日は所用で移動途中、近くのお寺に10分間ほど立ち寄り、トガリアミガサタケが出ているのを確認した。各地からトガリアミガサタケの便りが聞かれても、なかなか出てこないので心配したが例年より10日くらい遅れて出てきた。今年は全体的に小さくて先の曲がったものや先端のないものが多く裏年?の感がある。
 引き揚げようとして近くの切り株を見るとまだ食用になりそうなシイタケが出ていた。人通りが多い場所だが足下の木陰を見る人はあまりいないようだ。
 春は移動の季節で、締め括りの会合や送別会が続く、昨日の更新が今日になり、今日の観察が流れてしまうのも仕方がない。自分の環境(キノコ観察)に変化が出なければいいのだが・・・

2005.03.10 富士宮市
 一気に気温が上がるとともに、空が霞み晴れているのか曇っているのか分からない天気になっている。霞の中には杉花粉が相当混じっているようで車のボンネットは黄色い粉で覆われている。
 昨夜から花粉症の症状が出始め、今日は一日中鼻をかみ続け目もしょぼしょぼして観察に身が入らなかった。どうやら花粉アレルギーになってしまったようだ。(;>_<;)
 幾つかのサイトにトガリアミガサタケの情報があったので、昨年見つけた神社に行ったが、まだ出ていなかったので付近の山を少し散策してみた。乾燥気味の山に出ていたのは栽培シイタケのみで他は何もなく、しかたないのでいつもの公園に向かった。
 コナラの倒木のあちこちにフクロシトネタケの幼菌が出始めていた。目新しいキノコを見れたので気をよくして進むと、いつも見慣れたものと雰囲気の違うキノコが出ていた。一瞬新しいキノコと思ったが埋もれ木から出ていて柄が太い立派なエノキタケだった。
 昨年、桜からヒラタケが出ているのを見つけた場所には今年も小さいながら綺麗なヒラタケが出ていた。材の腐朽が進んできたので今年で最後になるだろう。
 桧林の地上に点々と黄色の小さいチャワンタケが出ていた。2月18日に見つけたものと思われるが変色性が無くキチャワンタケではないようだ。
2005.03.02 富士宮市
 冬の散策は、乾燥しにくい沢筋や西側斜面が主体になるがマンネリ化してきたので尾根筋を歩いてきた。
 日曜日と昨夜小雨が降ったが午後からの散策のため尾根筋は乾いていて傘のあるきのこは見られなかった。

 エゴノキタケは何カ所も見られたが低いところに綺麗な傘を持ったものがあったのでカメラに納めた。

 コナラ主体の林は立ち枯れているものが多く、雪のある日本海側ならヒラタケやナメコが出るのだろうが、そのほとんどにカイガラタケやホウネンタケが出ていて、まさに森の掃除屋の雰囲気が出ていた。

 クロコバンタケは以前から見かけたが図鑑に載っていないので名前が分からなかった。、「きのこのホームページ」に掲載されているのを見つけネット検索してみると「盤菌類(チャワンタケ)+α」というサイトで紹介されていた。今回のものは老菌のようだが同じものと思われる。

 桧林の陰になる場所のコナラの倒木にまだ乾ききらないヒイロタケとカワラタケが並んで出ていた。どちらもこの時期が一番綺麗に見える。

 ヒイロタケの写真を撮っていると、すぐ近くの倒木にルリビタキが飛んできたので急いで手持ちでシャッターを切った。予想通りピンぼけになってしまったがキノコと小鳥の面白い写真になった。
 
2005.02.25 富士宮市
 雨上がりの公園を歩いてきた。
   時間の都合により写真だけ掲載
   1 アラゲキクラゲ
   2 ヌルデタケ
   3 センボンクヌギタケ
   4 スエヒロタケ
2005.02.18 富士宮市
 春の兆しか、雨の後もどんよりとした日が続いている。毎春恒例の雪割草(ミスミソウ)の花を見に沢沿いの雑木林を歩いてきた。
 雪割草は昨年以上に咲いていたが、今日は陽が出ないため完全に開かず半つぼみ状のものがほとんどだった。

 沢を歩くと、流れのない水たまりに状態のいいツチグリが落ちていた。岸は崖になっているので鹿等の動物が歩いたとき落ちたものだろう。

 林道整備で切り倒されたアラガシの倒木にシイタケの幼菌がたくさん出ていた。一月から公園でも見ているが水分を十分に含んだものはボリューム感いっぱいだった。

 間伐された杉・桧が横たわる林のあちこちに、白い小さなキノコが出ていた。スギカワタケ(仮称)と思われるが、傘、ヒダ、柄とも1月17日のホウライタケ属に酷似していて2003ギャラリーのアシグロホウライタケはスギカワタケの可能性が濃厚になってきた。

 桧林の林道脇に、黄色いプラスチック片のようなものが見えたので近づいてみると鮮やかな黄色のキチャワンタケだった。里山で見るのは初めてで10ミリ以下の小さいものが多かったので半信半疑だったが、わずかに緑変も認められたのでキチャワンタケでいいだろう。
 
2005.02.15 富士宮市
 昨日は「第2回KKRきのこセミナー」に出席し、スギヒラタケの毒性を発表された静岡大学の河岸洋和教授の講演、KKRきのこクラブの鈴木桃子さん・中島実さんの発表、竹さんの新作写真展と盛りたくさんの催しを楽しみ、皆様にもお会いでき有意義な時間を過ごさせていただいた。一流シェフによる和洋中の山菜・きのこ料理も美味しいものばかりで風邪もどこかへ吹き飛んでしまった。

 元気が出たところで、いつもの公園を一回りしてきた。
 山は乾燥していて、しばらくは何も見つからなかったが日陰に倒れた桜の倒木にウラベニガサが出ているのを見つけた。桜に出ているのは初めてだがウラベニガサに間違いないだろう。
 カイガラタケはクヌギやコナラの切り株に出ることが多いが、コナラの落ち枝に環紋が綺麗なカイガラタケが所狭しと出ていた。 写真を撮った後、裏返すと見事な花模様が広がり予想していなかっただけにうれしい発見になった。
 1月31日のエノキタケはほとんどがミイラになっていたが、新たに有望な幼菌が顔を出していた。

  ・・・今夜から雨が降るようだ、イヤな菌の流行は収まり、うれしい菌の芽生えに期待している・・・



2005.02.12 富士宮市
 何年ぶりかでインフルエンザにかかり、40度近い熱が出たが5日目でやっと体の芯に残っていたイヤなだるさが消えてきた。2月の日記が寂しいので、キノコ散策に行こうと思ったが寒さがぶり返して風が冷たいので更新作業を続けることにした。(キノコが無いと思うとすごく弱気!)
 日頃、漢字変換ソフトはジャストシステムの「ATOK」を使用しており、「しめじ」を変換すると「占地」と変換される。マイクロソフトの「IME」では「シメジ」のみである。べつにたいしたことではないが日本製品の心遣いのようなものが感じられてとてもうれしい気分になる。同社の「一太郎」は特許問題などが取りざたされ苦境に立たされているが、エールを送る意味で久々に一太郎のバージョンアップをしようと思う。
 今日で、2004年分の更新は概ね終了した。アルバムは「図鑑」より「出会いの記録」を重視して作成しているので、多数残されている不明菌も徐々に整理して掲載する予定でいる。
 今回の更新で515種となり50音索引だけでは不便になってきたので科別索引を作り試行している。(未完成部分があるため)使ってみてお気づきの点がありましたらお知らせください。
 明後日(2/14)、KKRホテル東京で開催される。「竹しんじ新作写真展」(第2回KKRきのこセミナー)に参加し、新たな刺激を受けてからフィールド活動を再開する予定です。
2005.01.31 富士宮市
 28〜29日に小雨が降ったが再び冬型の気圧配置になり、抜けるような青空と空っ風が戻ってきた。こうなると、たちまち乾燥しはじめるので山が完全に乾燥する前に前回の公園の続きを歩いてきた。

 「ドキッときのこ」にツバキキンカクチャワンタケが出ていたので、ヤブツバキの下を探したが乾燥気味で数が少なく、所々に1本ずつ出ているだけだった。

 切り株が朽ち果てたところにニガグリタケが列をなして出ていた。どうやら埋もれた根から出ているようだ。

 センボンクヌギタケは幼菌がたくさんの切り株に出ていた。雨が続けば見事な株になるだろうが、早くも乾燥しはじめているものが多かった。
 エノキタケも数カ所に出ていて、幼菌から成菌まで状態のいいものが多かったが、天気予報がはずれて雪の積もった姿を見られることに期待してそのまま残してきた。

 アラゲキクラゲが出ている倒木の裏側に反り返ったキノコが出ていたので、のぞき込むとヒダがあり小さなヒラタケだった。遠目には皆アラゲキクラゲに見えたが、またヒラタケの出る木を見つけることができた。

2005.01.27 富士宮市
 1月に入って3回目の雨が降ったので10日ぶりの散策をしてきた。
 乾燥と寒さの中でも確実に季節は進んでいるようで、前回見られなかったものが幾つか見られた。

 寒さを避けて10時に歩き始めたが、日陰には霜柱が残りコナラの落ち枝に出たタマキクラゲはまだ凍っていた。
 一昨年伐採されたコナラからハナビラニカワタケとヒメキクラゲが出ていた。あちこちに出ていたヒメキクラゲは出始めのものが多くいい被写体がなかったが、一つだけ出ていたハナビラニカワタケはいい状態のものだった。
 クロハナビラタケは今が盛期のようで行く先々で綺麗なものに出会った。
 ハラタケ類はどこにも見られないので、半ばあきらめムードでスダシイの切り株を探すと落ち葉に隠れてセンボンクヌギタケが出ていた。

 ギャラリーとアルバムの更新がもう少しなので頑張っていますが、やはり散策が楽しいですね。この時期でも見られるキノコがかなりあります。冬眠している方も体慣らしに公園などを歩くと楽しいと思います。
 ※ 更新した写真等に、ご意見ご感想がありましたらメールにてお知らせください。

 
2005.01.17 富士宮市
 今日から日記の開始です。今年もよろしくお願いします。

 昨年の暮れにパソコンが不調になり、一年の締め括りもしないまま、新年を迎へ、日記の更新がのびのびになっていたが、いい雨が降ったのでいつもの公園を歩いてきた。
 この時期は雨が降ったからといって、すぐに出てくるキノコは少ないが、乾燥に耐えていたキノコが久々の水を得て瑞々しい姿を見せてくれた。
 2003のギャラリーにアシグロホウライタケとして掲載したキノコは、その後の観察でアシグロホウライタケではなく厳冬期に杉や桧の落ち枝に出るホウライタケ属のキノコであると個人的結論に達している。このキノコは、他のキノコがほとんど出ないような乾燥したときでも用水路脇などの湿った林に出てありがたい存在だ。
 笹竹の中にアラゲキクラゲが出ている立ち枯れた木があったので、笹をかき分けて進むと足下に小さなオチバタケのようなキノコが出ていた。アラゲキクラゲの方はかなり古いもので撮る(採る)気にならなかったが、小さいとはいえ貴重な傘があるキノコを見つけることができた。
 昨年の暮れにヒラタケとエノキタケを確認してあったところへ行くと、いずれも干からびて無惨な姿になっていたが、湧水の上の一カ所だけに小さなヒラタケが出ていた。