2005.05.28 富士山(静岡県)
 「静岡木の子の会」の東部地区観察会が西臼塚周辺で開催された。  雨不足できのこがあるか心配されたが30種以上のきのこが集まり、まずまずの観察会になった。
 集まったきのこの、ほとんどはこのページで紹介しているなじみものだが、ヒロメノトガリアミガサタケが見つかったのは驚きだった。

 観察会ではほとんど写真を撮らなかったが、前日5合目付近の針葉樹林で、始めてのきこを見つけたので掲載することにした。
 黒いチャワンタケが苔の中に出ていて撮影後、基部の様子を見ようと苔をかき分けると柄が付いおり、黒いシャンパングラスのような姿が現れた。どうやら埋もれ木から出ているエナガクロチャワンタケのようだ。
 図鑑には北海道の針葉樹林で雪解の頃見られると記されているが、標高2,400mのシラベ主体の針葉樹林は同じような環境になっているのだろう。
 もう一つは腐朽が進んだ倒木に点在していた傘計3〜5センチのきのこで、ヒダが垂生し、柄は弾力のあるスポンジ状であった。「北海道きのこ図鑑」にナミハタケが出ていて、きのこの特徴と発生環境からこのきのこの可能性があると思われた。 
 




2005.05.25 富士山(静岡県)
 標高1,000〜1.300mのブナ帯は春が訪れ多くのきのこが出始めたが、2,000m付近の針葉樹林帯には、この時期しか見られないきのこがあるだろうとスカイラインの5合目に向かった。3合目付近から霧(雲)がかかり手がこごえるほど寒く、視界が10mほどで単身では危険なため駐車場の周りをだけ歩いて引き返した。
 林は、まだ残雪が至る所にあり、気の早い草木がようやく芽を出し始めたところだった。
 入った場所が良かったのかアクニオイタケのようなきのこが朽ち木に出ているのががすぐに見つかった。念のためすり潰してみたが独特の薬品臭がないので違うキノコのようだ。しばらく進むと残雪の脇に、埋もれ木から出ていると思われる同じきのこが出ていて雪ときのこのいい写真が撮れた。
 帰りがけ売店に寄り、近くのブナの木を見ると生きている木の幹からヒトヨタケが出始めていた。


2005.05.19 富士山(静岡県)
 昨日の天気予報は午後から雨だったが、見事にはずれて雨は降らなかった。これは平地の話で、富士山では夕方から適当な雨が降ったとの情報を得たので富士山のブナ林を歩いてきた。
 雨が少ない影響で例年に比べると、きのこはかなり少ないが湿気が残りやすい場所の倒木には雨上がりの綺麗な姿が見られた。

 クヌギタケの仲間はいつも一番多く出て種類も多いが、被写体になるものは少なかった。
 昨年までの立ち枯れが、倒れた場所にオオワライタケが出ていた。昨年もそれらしい姿を確認していたが高いところで確かめられなかった。特に望んだわけではないが今日は這いつくばって観察できた。
 一箇所だけナラタケが出始めていた。大きなブナの立ち枯れを取り巻くように出ていたが天気予報では雨は降りそうにないのでこのままミイラになってしまうかもしれない。(外れることを祈る・・・)
 毎年5月に小さな不明菌(傘計2〜3ミリ)がでる倒木の洞には今年も一面に出ていた。暗い場所で、きのこが小さくて透明に近い白色なため、ピント合わせや白飛び対策が難しく、撮影テクニックを練習するにはいい材料になっている。(きのこが魅力的でうまく撮れると感動があるので真剣になれる。)
 コガネヌメリタケは多くの倒木に出ていて今が盛りのようだ。いろいろな場面が撮れたので写真を多く掲載した。
2005.05.16 富士宮市
 適当に雨が降ったので里山を歩いたが、きのこはほとんど出ていないのでシイタケのホダ木が朽ち始めているところを見てきた。

 ホダ木が朽ちて原形をとどめていないところにフジイロチャワンタケモドキがたくさん出ていた。周りに淡黄褐色〜褐色のものも幾つかあり古くなると褐色になるようだ。単独で見たら別のきのこと思ってしまうだろう。

 ウラベニガサがたくさん出て朽ち始めているところにヒイロベニヒダタケが1本だけ出ていた。いつか名場面を撮りたいと思っているきのこだがなかなか思うような出会いがない。

 帰りがけの神社の裏に大きなスダシイがあったので、根本の洞を覗くと思ったとおりカンゾウタケが出ていた。かなり乾燥している場所でも大きな木には出るようだ。
2005.05.09 山梨県
 ゴールデンウィークは終わったが、年中無休の我が職場は交代で休みを取るので昨日に引き続き今日も休んでいる。昨秋ミズナラの倒木にシイタケが出ていた場所が気になっていたので山梨県の林を見てきた。

 登山道は休み中に登った足跡で固められていたが、道から外れる人はいなかったようで僅か離れた場所にあるミズナラの倒木には予想どおりシイタケが出ていた。秋ほど多くはないが周りの倒木にも出ていて今まで出なかったイヌシデと思われる倒木にも出ていた。
 近くの倒木に朽ち始めたキノコが出ていて一見ウラベニガサのように見えたが、ヒダは幅広で白く、傘に僅かなシワがあったので縁取りこそ見えないがフチドリツエタケと思えた。この時期にも出るものか半信半疑であったが確かめるため昨秋出た場所に向かった。離れた場所にある3箇所の倒木のいずれにも、すでに朽ち始めているものから幼菌まで出ていて、シイタケと同じように春と秋の2回出ることがわかった。
 足を伸ばしたついでに他のきのこが秋に出る場所を確認すると、乾いた場所には何もなかったが、ヌメリスギタケモドキも秋出る場所に出ていた。コガネヌメリタケは、秋に見たことは無いが春のブナ林のきのこの代表のようにここでも見ることが出来た。
2005.05.08 富士宮市&近隣
 一昨日の雨の影響があるうちに、この時期、気になるキノコが出る場所を車で移動しながら見てきた。

 海岸の松林のマツオウジは、すでに朽ち始めたものもあり、乾燥している時期に出たようで小さいものが多かった。

 神社の御神木になっているスダシイの巨木の洞にカンゾウタケが一つだけ出ていた。雨の多い年にはたくさん出る木だが、やはり雨不足と思われる。

 先日ハルシメジの中にウメウスフジフウセンタケを見つけた梅林は、すでにハルシメジは朽ちて同じ場所にたくさんのウメウスフジフウセンタケが出ていた。ハルシメジと何らかの関係が有ると言われているが、これだけ同じ場所に出るところを見ると、因果関係があることは間違いないだろう。

 畑の脇の半日陰の場所に、形の整った小さなキノコが出ていた。コガサタケ属のきのこと思われるが、このようなキノコはよくわからないものが多い。
2005.05.03 富士山(西臼塚)
 連休を利用して富士山一週を計画している「ドキッときのこ」の竹さんに同行して西臼塚のブナ林を歩いてきた。
 一昨日の夜雨が降り、今日の朝方も霧がかかっていたので久しぶりに湿り気のあるいい条件がそろい、生き生きした姿が沢山見られた。

 コガネヌメリタケは例年ならたくさん出ているはずだが今年は遅れているらしく埋もれ木から出ているところを1箇所確認できただけだった。

 ヒメアジロガサモドキはあちこちの倒木に出ていたが単生が多く、このきのこらしく群生していたのはここだけだった。

 大きなブナの立ち枯れにオオチャワンタケが点在していた。苔むしたところの高さ1メートルくらいに出ているものもあり、公園のウッドチップなどに出るものとは雰囲気が違うが、竹さんが椀の周囲の様子からオオチャワンタケに間違いないだろうと同定してくれた。

 クサイチメガサはブナの倒木が朽ち始めたところで沢山見ることが出来た。今年、急に目にすることが多くなったのは当たり年なのだろう。