被写界深度合成(ヒラタケ)

 オリンパスOM-D E-M1のファームウェアVer. 4.0が公開され、被写界深度合成機能が追加された。これは、1回の撮影で手前から奥まで自動でピント位置を変えながら8枚撮影し、撮影後にカメラ内で1枚の画像に合成してくれる機能で、フォーカスステップの設定によりピントの合う間隔を10段階で選定することが出来る。
 また、8枚以上の合成が必要なときは999枚まで分割撮影が設定可能で、パソコンで合成機能のあるソフトを使い合成することが出来る。

 これまで、きのこの撮影では回折現象などによる画質の劣化覚悟で、絞りを最大にして全体にピントが合うように設定することが多かったが、被写界深度合成により、レンズの最高能力の絞りで必要な場所全てにピントが合った撮影が可能になる。また、小さな絞りできのこの全てにピントを合わせ後方をぼかすことも容易になる。

 さっそくファームアップして試しはじめたが、きこが少ない季節になってしまい多くの設定での検証はできていない。まだ途中ではあるが、今年の出来事を来年に持ち越すのはおもしろくないので、昨日、被写界深度撮影をしたヒラタケを掲載することにした。
 

● 15枚撮影に設定し、それぞれピントの合っている位置を確認し、手前から一番上の幼菌までピントの合った7枚を、写真合成ソフトCombineZP(フリーソフト)を使って合成。

    カメラ           オリンパスOM-D E-M1
    レンズ           M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
    絞り            F6.3
    シャッタースピード   1/8
    ISO感度         100
    焦点距離         12mm
    フォーカススッテプ   3(10段階で3番目に細かい)

    1〜7までのうち分かりやすい1,4,7、合成を掲載。
 

1枚目  一番手前のヒラタケにピントが合っている


4枚目  中間付近にピントが合っている


7枚目 上のヒラタケから右上の幼菌までピントが合っている


1〜7の合成


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【感想】
 全てにピントが合い生態写真としてはいいと思うが堅さを感じる。今のところ、これまでの方法で撮影したものの方が柔らかみが感じられ写真的にはいいと思える。
 今回の方法は写真の選定やソフトでの合成に時間がかかり繁忙期には向かないと思われた。
 通常のきのこ撮影ではカメラでの8枚合成で十分と思われる。
 今後、大きいきのこ、小さいきのこ、散生するきのこ、逆光のシーンなど検証したいと思うがマクロ撮影の可能性が広がったことは確実と感じられた。