2004.09.30 南部町
 この時期は実家の稲刈の助っ人を頼まれる。昨夜の台風の雨で、田圃には、まだ水が残っていてもう一日待ちたいところだが、今日終わらせなければキノコの予定がいっぱい詰まっているので、気合いを入れて田植え状態の稲刈りを済ませた。
 近くの山が気になり、少しだけ抜け出してのぞきに行くとモミタケハタケシメジを見つけたが他のキノコは少なく、ここは今年は不作のように感じた。2〜3日して一斉に出てくるといいのだが・・・。
 

2004.09.25/26 水窪町
 ADSLのモデムが故障し、先ほどまでインターネットが使えなかったので更新が遅くなってしまった。
 25/26日は「静岡木の子の会」の西部地区探索会に参加し1日目は水窪町の奈良代山を観察した。
 水窪町、春野町、天竜市などの天竜川両岸は、いずれも急傾斜の山ばかりだが、林業が盛んな地で杉や檜が限りなく植林され尾根付近にわずかに残された天然林の観察になる。
 ブナと思われる立ち枯れで見つけたのは、ムカシオオミダレタケで、発生は希と言われているがブナ林の観察会では採取されることが多い。
 同じ木の裏側にムキタケが出始めていた。ここのキノコも例年より早いようだ。
 表皮が脱落した立ち枯れに、キツツキのつついた穴が腐朽により大きくなったところをマンションのように使ってサンゴハリタケが点々とが出ていた。
 二人抱えほどのブナの立ち枯れにコフキサルノコシカケいくつも出ていて一番大きなものは幅52センチあり、まさに猿が座れる大きさだった。
 立木のキノコばかりを紹介したが、地上生のキノコもたくさん出ていて夜の鑑定会にはたくさんのキノコが並んだ。
 山の避難小屋での宿泊は自炊で、集まったキノコで作るキノコ鍋を中心に各自珍味を持ち寄りキノコ談義に花が咲く。(ここがメインともいえ遠征の価値があるところか?・・・)

 二日目は水窪町野鳥の森で、長く続く尾根筋を観察した。
 広さ10畳くらいの所にナギナタタケがたくさん出ていて、今まで見た中で一番数が多く、大きいものも多かった。
 ヒメベニテングタケは富士山周辺では見たことがなく、昨年この付近で幼菌を見つけたので今年も期待していたが、思いが叶い綺麗に開いた姿に出会えた。
 ツキヨタケが大量に出ているブナの裏側を見るとブナハリタケが高いところまで一面に出ていた。キノコ狩りなら長い鎌と大きな背負篭が必要になるだろう。
 皮が無くなり樹種が分からなくなった倒木に初めて見るマユハキタケが並んでいた。1センチ程の大きさで肉眼で見るより接写した写真を見る方が眉を描く化粧道具に似た構造がよく分かる。
2004.09.23 山梨県
 新しい場所を開拓しよう、といつもと逆の山を歩いた。

 しばらく歩くと、遊歩道の脇に誰かが半分取って再び戻した形跡のあるマイタケが出ていた。付近のミズナラから離れた場所に出たのでマイタケとは気づかなかったのだろう。

 尾根筋の北側には所々にチチタケが2〜3本ずつ出ていた。帰りにまとめて採ると24個になったので久しぶりにチチタケうどんを堪能した。

 風通しのいい尾根の元気そうなミズナラの枝が枯れた部分にヤマブシタケが一つだけ出ていた。元気そうに見えても内部も侵されていると思われる。

 ヒョウモンクロシメジは8月に「ドキッときのこ」の竹さんが富士山麓で見つけているのでいつか会えるだろうと思っていたら。その機会は以外と早くやってきた。しっかりしていてうまそうに見えるが毒キノコらしい。

2004.09.19 山梨県
 松林はしばらく雨が無く、乾燥続きであまり期待できないと思ったが、下見のつもりで菌友二人と山梨の山を歩いてきた。

 松とミズナラが混成する本命場所は予想通り乾燥していてキノコがないので、広葉樹林ならうまくするとマイタケがあるかも知れないとダメモトで急斜面の所々に立つミズナラやクリの大木をを見て回った。どの木にも無くあきらめた頃、遠くで菌友が呼ぶ声がするので駆けつけると大きなミズナラの根本にシロマイタケが6株出ていた。しかし、どれも流れはじめていてもぎ取ると強い悪臭を放った。どうも今年はマイタケの後を追っているようだ。

 やがて山頂に着いたので、出そうな場所だけだも見ておこうとしばらく歩くと、いきなり大きなコウタケが目に入った。急に元気が出て続けて探すと大きな菌輪が見つかり、傘径10〜30センチくらいの醤油の香りがする上物を30個近く(老菌は残したので正確な数が分からない。)見つけた。期待していなかった大収穫に3人の顔はゆるみっぱなしで、思い出に残るキノコ狩りになった。




2004.09.18 富士山(山梨県)
 菌友3人とスバルラインを歩いてきた。
 3合目付近と5合目付近に入ったが、10日と同じく、最近出たような新鮮なキノコは少なく終盤の様相を呈していた。

 コメツガの大木にスギタケが出ていて、針葉樹に出るものとばかり思っていたので驚いたが、帰って図鑑を見ると「時に針葉樹に発生」と記されていた。
 オニナラタケは針葉樹、広葉樹を問わず出ていたが倒木より立ち枯れの根本に出るものが多いようだ。
 富士山ではコウタケを人が採ったのを見たことがあり、自分ではなかなか見つけることができず、あきらめかけていたが今日は2ヶ所で確認できた。 このキノコは乾燥させると醤油のような独特の香りが出て、野趣満点な香りはどの料理にも合い一番好きなキノコで、富士山で見つけられたのはとても嬉しい出来事だった。
(2ヶ所とも菌友が探しお裾分けをいただいた・・・)


2004.09.15 ヒゴノセイタカイグチ
 午前中、時間が空いたので定点観察の公園を歩いてきたが、里山は乾燥が始まりタマゴタケ、キタマゴタケ、ヤマドリタケモドキ、ムラサキヤマドリ、ドクツルタケ、シロオニタケなどが半乾燥状態になっていた。
 被写体になるほどのものが無かったので、13日に富士五湖周辺の山を30分くらい散策したときに見つけたヒゴノセイタカイグチ?を掲載することにした。浅井さんの「きのこ雑記」や高橋さんの「きのこ屋」で山梨県に発生することは知っていたが、富士山周辺では聞いたことが無く、思いがけない発見に嬉しさと驚きが交錯し、しばらく見入ってしまった。
 
2004.09.10 富士山(山梨県)
 以前はスバルラインへ行く回数が一番多かったが、キノコ狩りよりいろいろなキノコを撮るのが面白くなり、今年はまだ1回しか行っていない。そこで、絶好調のスバルラインをもう一度見ておこうと朝早く家を出た。
 山は乾燥気味で、最近出たと思われるキノコはとても少なく、あれほど出ていたショウゲンジやフウセンタケの仲間も時折目にする程度に減っていた。(ほとんど採り尽くされていた。)

 カノシタは食菌だがあまり人気のないらしく所々に出ていた。上から見ると普通のキノコだが裏返すとハリタケ科のキノコらしくヒダの部分が針になっている。
 日陰の斜面に2本だけキシメジが出ていた。このキノコが増えてくると富士山の季節も終わりに近づいてくる。
 ケロウジはたくさん出ていて大きいものは手のひらほどもあり、一瞬コウタケかと喜んだが香りが違い、それでもと思って噛むと強い苦みがいつまでも口に残った。
 カキシメジも立派なものが群生していて、最初は別の食菌ではないかと自分勝手に思ったが、数カ所にいろいろな形態がそろっていたので毒菌のカキシメジと判明した。
 終盤を告げるキノコが多かったが、マツタケモドキもその一つで傘が開く前の紛らわしいものが1本出ていた。外見でおおよその見当は付いたが、それでもと未練がましく匂いを嗅いだがあのマツタケの香りはなかった。
 
2004.09.06 山梨県
 マイタケが出始めた地域があるとの情報が入ったので、久しぶりに富士山を離れ山梨県の山を歩いてきた。

 マイタケは昨年見つけたところには出ていなかったが近くのミズナラの根本に2株出ていた。しかし3〜4日遅かったようですでに流れはじめていた。さすがにマイタケ踊りは中止にし、「出ていることが確認できて良かったじゃないか」と自分を納得させてヤマブシタケの出る場所へ移動すると、ヤマブシタケの姿は見えず代わりにシイタケが列をなしていた。周りにも出ていて100個は軽く越えていた。(今年は時期が読めない。)
 林床に小さなフジウスタケのようなキノコが直径3メートルくらいの菌輪を描いているので近づいてよく見ると、初めて見るシロアンズタケだった。食菌として扱っている人もいるようだが採る気にはならなかった。
 ミズナラの山の尾根近くに出るとウラベニホテイシメジが所々に出ていた。キノコ狩りの人たちと数組すれ違ったが皆ウラベニホテイシメジが主な獲物のようだった。
2004.09.04 富士山(静岡県)
 ※3日分も更新しました。
 神奈川キノコの会の観察会が太郎坊で開かれ参加してきた。そろそろこの付近のキノコも多くなるだろうと期待したが、いわゆる食菌は少なく色とりどりの小さなキノコが楽しませてくれた。

 時折雨が舞う中、苔の間から出ているキノコで一番目を引いたものはアカヤマタケで雨に濡れて輝いていた。

 キノボリイグチは地上よりわずかでも高い位置にあるためか、雨にも関わらず乾燥していた。

 苔が綺麗に出ているところをよく見ると黒い小さなキノコが出ていた。テングノメシガイ科であることは、すぐに分かったが里に出るものに比べると貝殻と柄の部分がはっきり分かれた「お玉型」で明らかに違っていた。

 同定会終了後、数人で西臼塚のブナ林に向かった。ブナ林を歩くと広葉樹の倒木にナラタケのようなキノコが出ていて、土曜日にこの場所でよく残っていたものと言いながら裏返すとツバは無くヒダは肉色をしている。しばらく名前が分からなかったが、やがて団子状の塊を見つけタマウラベニタケと判明した。

 食菌は被写体としても優れているが、それ以外のキノコもそれぞれ魅力があり、キノコ狩りだけでは味わえない面白さを実感できる観察会だった。



2004.09.03 富士山(山梨県)
 富士山は連日、多くの人が入れ替わり立ち替わり押し寄せるので、相当広範囲に歩いても足跡だらけでめぼしいキノコがほとんど残っていない。
 残っているのはゴミばかりで何回もため息を付いてしまう。
 どうか「遊々きのこ」をご覧の皆様は、自然と遊ぶ心を持って山を大切にして下さい。

 気を取り直して歩くと、急にキノコが多い場所にぶつかる。それでも食菌はないので上級者が入り不要なキノコは残した場所だろう。
 アイシメジは数カ所に幼菌から老菌まで出ていて例年より半月早い富士山を象徴しているように見えた。
 ニシキタケは所々に出ていて、すでに老菌が多かったが数本がいい被写体になった。
 フウセンタケ科のキノコは何種類も出ていたが、ほとんどが名前の分からないもので特に形が気に入ったものを掲載した。