2004.11.30 富士宮市
 やっと里山のもみじが紅葉してきたところで冬の寒さはまだないが、連日冬型の晴天が続きキノコはほとんど姿を消し、定点観察の公園も西側斜面のあまり日が当たらない場所で、わずかに観察できるだけになってきた。

 昨年伐採されたコナラが積まれたところに、ニガグリタケがたくさん乾燥していて、すぐ近くの切り株に乾燥前のキノコが二つ出ていたので、これも同じと思ったが硫黄色がないのでよく見ると、柄や傘の様子も微妙に違い別のキノコ(不明菌)のようだ。
 コナラの立ち枯れの根本にムササビタケが列を作って出ていた。一見、地面から出ているように見えるが地中の根から出ているようだ。
 落ち枝や枯葉がたまった斜面にヒトヨタケ科のキノコが3本出ていた。埋もれ木から出ているようでキララタケやコキララタケの可能性が高いと思われるがオゾニウムの確認も出来ずはっきりしない。

 晴天が続いても散歩程度の山歩きは続けますが、キノコ散策は雨の様子を見ながらとして、そろそろギャラリーとアルバムの整理をしようと思うので日記の更新は間隔が空くと思います。



2004.11.24 富士宮市
 晩秋になり晴天が続くとキノコの姿は急激に少なくなる。富士山南麓の里山は見渡す限り杉、檜の植林で、探す場所はわずかに残された自然林になり、毎度同じコースになってしまうが2時間歩いただけで10種類近いキノコが見られるのは温暖の地の恩恵だろう。

 公園の自然林を間伐した木にヒトヨタケ科のキノコが出ていた。キララタケに似ているが傘の色が違うようだ。
 14日に観察したクリタケは誰にも採られることなく成長し、無事役目を終わろうとしていた。老菌にしてはいい形をしている。
 昨年切り倒された大きなクスノキの切り株の真ん中に、この時期には見られないほど形のいいキノコが出ていた。ブナシメジに似ているが名前は分からなかった。
 数年前に見つけたコナラ主体の落葉樹林に、シモフリシメジが今年も順調に出ていた。エノキやヒラタケのように晩秋から翌年の春まで出るキノコもあるが、このキノコを見ると今年の食菌もいよいよ終わりになったと強く感じ、寂しさがこみ上げてくる。30本近くあったが今年楽しませてもらったきのこを思うと、なぜか採取する気持ちになれず、さらなる繁殖を期待し軽く落ち葉をかけて立ち去った。
20日のツバに特徴のある不明菌は「ドキッときのこ」に掲載されたツチイチメガサと同一と思い、竹さんに連絡したところ、柄が細いので昨年見つけたクサイチメガサに近いと思われるとの返事をいただいた。有り難うございました。
2004.11.20 富士山(静岡県)
 紅葉が散り、キノコ狩りシーズンも幕引きとなった西臼塚を歩いてきた。 この時期のブナ林でキノコの期待が持てるのは大きな倒木だけで、遊歩道をはずれた倒木巡りになる。

 倒木や立ち枯れが重なり合っているところを丹念に探すと、倒木の下側や空洞になっているところに小さなキノコが出ていて目を凝らしているとだんだん数が増えてきが、これらの多くは図鑑に載っていないもで不明菌のオンパレードになってしまう。

 最初に見つけたのは、立ち枯れの苔の中に出たチャワンタケ科のキノコで、昨日の雨に濡れて綺麗に輝いていた。
 同じ木の窪みに足に菌糸をまとった白い可愛いキノコが出ていたが名前ははからない。
 倒木の下の空間に、ツバに特徴がある被写体として魅力のあるキノコが出ていたがこれも名前は分からない。
 倒木が重なり合った空間に、サンゴハリタケのようなキノコが出ていたので、上の倒木を除くと傘が見えてきた。ブナハリタケが寒さのために反り返ったようにも思えるが、周りの6〜7本や幼菌も同様で、見た目では判断できなくなってしまった。
 場所をモミ林に移すと、薄暗い苔の中に妖しく光るヒトヨタケ科のキノコが1本だけ出ていた。
 さらに進むと苔の上にジャガイモが転がっているように、ジャガイモタケが菌輪を作っていた。被写体的にはあまり面白味はないがネーミングはあまりに的を射ていて「まんまじゃん!」などと呟いてしまった。
2004.11.14 富士宮市
 里山のクリタケを探して、桧の植林の中にわずかに残る広葉樹林を散策してきた。

 落ち葉の所々にミネシメジが顔を出していた。数年前から観察しているが毎年少しずつ増えてきているようだ。
 クリタケは3年前に見つけた木に今年も出ていたが、木が弱ってきたので例年の半分の量で小さいものが多かった。来年はたぶん出てこないだろう・・・
 桧林の堺でいつも木陰になり湿度が保たれる所に来ると、スッポンタケの匂いがしたので付近を探すと老菌がたくさんうなだれていた。さらに進むと、少し離れたところに一本だけ粋のいい姿を見つけることが出来た。
2004.11.12 富士宮市
 妻の友人に、庭のケヤキに出たキノコの同定を頼まれた。持ってきたのは肉厚のヒラタケでたくさん出ているという。そろそろ里山のヒラタケの時期が来たらしいので今年の春見つけた場所の確認に向かった。
 10日ほど秋晴れが続いていたが、昨夜はこの時期には珍しく警報が出るほどの雷雨があり、雨が上がりの林は十分に水分を含んでいた。数日暖かい日が続けばまだキノコは出るだろうが、流石に今日はまだキノコは少なかった。

 沢沿いの杉林の所々にスギエダタケが出ていたが全て単生でいつものように数本ずつまとまっているところはなかった。
 カシとコナラの混成林の斜面にはムラサキシメジが10本くらいで菌輪を作っていた。前回の雨の後、幼菌数本を確認していたがそれが今まで残っていたようだ。
 沢をまたいで倒れている広葉樹にエノキタケが出ていた。ゴミを取ろうと手を出すと沢ガニが2匹傘の下から這い出した。昨日の大雨で避難していたようだ。
 すぐ近くに目的のヒラタケの出る倒木があり、状態のいいものが3箇所出ていた。まだ幼菌も出始めていたのでしばらく楽しめるだろう。
2004.11.08 富士山(静岡県)
 今日も暖かいので西臼塚のブナ林を歩いてきた。今年最後になる場所を優先して回ったが、まだ何とか撮影できるキノコは出ていた。

 この時期、ミズナラ主体の落ち葉の上に、地面に張り付くように出ている白いキノコはたいていシロカノシタで、一眼レフでは柄の様子を写真に収めるのが難しく、落ち葉を片づけ手前を掘り地面にカメラを直接置いて撮影した。

 次に見つけたのは柄がとても長いアシナガタケで、写真は撮りやすいが1本ずつ広範囲に散生していてなかなか思うようなものが無く、やっと大小2本が寄り添っているのを見つけ写真に収めた。

 キララタケは幼菌が数カ所で見られた。ヒトヨタケの仲間で開いてすぐ溶ける間に胞子を飛ばしてしまう早業の持ち主だから、寒さが来る前に仕事を終えて何事もなかったように消えてしまうのだろう。

 オツネンタケモドキは当たり年のようで、どこの倒木にもたくさん出ていた。それほど魅力のあるキノコではないが冬でも姿が見られる貴重品だ。

 一箇所だけブナシメジが出ている倒木があり、下側が空洞になっている所に20個ほど出ていた。今日は何も持ち帰るものはないだろうとビニール袋さえも持っていなかったのでタオルに包んで抱いて車まで歩いた。
2004.11.05 ブナ林
 暖かい日が続くので、まだ標高が高くてもキノコは出ているだろうと、前回と同じブナ林を歩いてきた。

 今日、一番多かったのはモエギタケで滑りのある新鮮なものが何カ所も出ていた。
 広葉樹の倒木にはヌメリスギタケモドキの撮り頃(採り頃)が数カ所に出ていた。梅雨の頃から出始めて条件が合えば今頃まで出る息が長いキノコだ。
 イタヤカエデの立木の割れ目にブナシメジのような白いキノコが出ていた。まだ老菌ではないのにシンボルマークの大理石模様が無い、500mくらい離れたところにも出ていたがこれも傘は白一色。ヒダが垂生していないのが気になるが、微かな粉臭もありシロタモギタケと思われる。
 北斜面を沢沿いに下ると、皮がほとんど剥がれて樹種が分からなくなった倒木にフチドリツエタケが群生していた。いつ見ても端正な姿に知らぬ間に撮影枚数が増える。
2004.11.02 ブナ林
 今年はなかなか出会えないムキタケを見ようと、遠くてあまり人の入らないブナ林を目指してたが、そこもすでに採られた跡がはっきりと残っていた。仕方がないので尾根を変えて道無き斜面を下ると、カモシカが逃げ出した場所の近くの倒木に見覚えのあるムキタケが並んでいた。やっと手つかずの場所に巡り会うことができた。

 近くの倒木にブナハリタケが一つだけ出ていたが、この場所では今年最後の一つだろう。

 進んだついでに隣の山の林道に出ると、数年前に整備されたままほとんど人の歩かない遊歩道の真ん中にチャナメツムタケが群生していた。かなり栄養状態がよいようで大型で肉厚のものが多く、今日はムキタケだけにしようと思ったが採らないわけには行かなかった。

 帰り道のキノコの姿がめっきり減った林に、オレンジ色でよく目立つチャワンタケのようなキノコがたくさん出ていた。帰宅後、手持ちの図鑑で調べたが予想通り名前は分からなかった。