2005.08.27 富士山
 毎年この時期の残暑は厳しいが、一昨日の台風の名残を引きずるように今日は特別蒸し暑い。時計を見ると9時半で少し遅すぎるが涼を求めて富士山へ向かった。夏休み最後の土曜とあって車が多く5合目の駐車場は満車の掲示板が出ている。それでも上を目指す車が後を絶たないので、高蜂山駐車場に車を止め散策を開始した。
 標高の低いウラジロモミやシラビソの林(針葉樹林)はほとんどきのこが無いのでブナ林を歩いたがやはりきのこは少なかった。
 
 クチキトサカタケは富士山のブナ林では希で、出るところは限られているが場所を覚えれば毎年見ることができる。
 ブナの巨木の立ち枯れが苔むしたところ一面にイヌセンボンタケが出ていた。アングルを決めてファインダーを覗くと小さなチャワンタケが見えたので、よく見ると所々に出ていてクロサカズキシメジも出ているのが分かった。
 すぐ近くの倒木にセンボンクヌギタケのような小さいきのこが密集して出ていた。いい形をしていたので写真に納めたが名前は分からない。
 今日一番大きかったのはエゾハリタケと思われるきのこで、見つけたときは色合いからアイカワタケかシロカイメンタケと思ったが撮影後裏を調べると管孔でなく針状になっていた。エゾハリタケがこんな色になることがあるのだろうか?
 ブナ林を抜けるとウラジロモミの倒木が朽ちかけたところにニカワハリタケがたくさん出ていた。いつも裏側の針ばかりが気になるが傘の表面にも微毛があることが確認できた。
 
2005.08.23 富士山
 次の休みは台風とぶつかりそうな気配があるので、あまり時間がなかったが富士宮口の針葉樹林を歩いてきた。
 富士宮口は途中に駐車場所が少なく、山は倒木だらけで荒れていて、いい散策場所は限られてしまうが、今日は数少ない駐車場所が空いていたのでいいい場所へ入れた。しかし、山に入ると所々にひっくり返したばかりのきのこがあり先行者の形跡があちこちに見られた。きのこ狩りのときは、場所を変えるか形跡の無くなる所まで急ぎ足で歩くが、山は湿っていてお盆前よりきのこが増え、撮影には十分な数が出ていたので焦らずに撮影に専念した。
 まず出ていたのは開き始めたベニテングタケで、もっと出ているかとあたりを探したがこの1本だけだった。
 一番大きいきのこはドクヤマドリで、当たり年らしく幼菌から老菌までたくさん出ていた。
 コケや埋もれ木から出る小さいきのこもたくさん出ていたが、ほとんどが名前の分からないもので一番綺麗だったコウバイタケを載せることにした。
 オトメノカサのような白くて小さいきのこがコケの中にたくさん出ていたが、裏を見るとにヒダが淡黄色なので分からなくなってしまった。たぶん近縁種だろう。
 腐朽が進んで苔むし始めた倒木に、黄色い綺麗なきのこが群生していたがこれも名前は分からなかった。
 やや空が開け林床にコケが無くなった所に、初めて見るテングタケ科のきのこが出ていた。幼菌と成菌を見つけ観察したがやはり名前は分からなかった。

 その後場所を変え2箇所を覗いたが、どちらもベニタケが少し出ているだけだった。発生場所に偏りがあるようだ。

 
2005.08.20 富士山
 <20日の日記を21日に書いています。>
 今年の富士山の情報はどれも芳しいものはないが、下界が暑いときに亜高山帯の原生林を歩くのはとても気持ちがいいので、情報はあまり気にしないで富士山北麓を歩いてきた。
 きのこが出始める土曜日だけに、どの駐車スペースにも先着車両が止まっていたが、毎年歩きなれた場所が空いていたのでこの時期にしては少し標高が低いと思ったがシラベとコメツガの混じる最下部の林に入った。
 山全体にきのこは少なかったが、ミヤマミドリニガイグチは大発生していてどこへ行っても見ることができた。(誰も採らないので残っている?)

 ベニタケ科を除き次に多かったのはドクツルタケで、緑のコケの上の純白な姿は遠くからでも目立ち、他のきのこが無いのでついついそちらに足が向いてしまった。

 タマゴタケは先発のものが盛期を迎えたようで所々で大きなものを見かけた。このきのこもコケをバックにすると引き立って見える。
 
 ショウゲンジは所々に1〜2本ずつ出ていたが例年のように菌輪をつくっているところは見つからなかった。

 今日の目当てはヤマドリタケだったが、いつもの所には出ていなくて、あきらめかけた帰り道の脇に1本だけ綺麗な姿を見せてくれた。

 台風が連続して上陸した昨年が良すぎたので、どこへ入ってもきのこの少ない今年は不作のように思えてしまうが、乾燥気味の年はこんなものだろう。今年は9月頃急に良くなって、いいときは短くすぐ終わってしまうような気がするがいかがなものであろう?。
2005.08.19 富士宮市
 お盆から忙しい日が続いていて、今日も午前中だけの散策となり近場の里山を歩いてきた。山は相変わらず乾燥気味できのこは少ないが新顔も出始めて季節は順調に進んでいるようだ。

 コナラとアラガシの混成林に変色生のあるフウセンタケ科のきのこが散生していた。傘、ヒダ、柄に変色が確認されたのでイロガワリフウセンタケとしたが今後さらに観察する必要があると思われる。
 シイとアラガシのあまり日が差さない樹下にカエンオチバタケが菌輪をつくっていた。とてもよく目立ち綺麗だが出たばかりの新鮮なものは少なかった。
 シイとコナラの樹下にイボコガネテングタケと思われるきのこが3本出ていた。図鑑(山渓フィールドブックス)に載っているのは幼菌で、これだけでは自分には分からなかったが、先日「ドキッときのこ」で紹介されたのを思い出しイボコガネテングタケに行き着いた。状態のいいものは1本だけだったが、各部の特徴は撮影しなかった2本の方がよく分かったように思われ、初めてのきのこはできるだけ多く撮影しておくべきと反省した。
 以前ツクツクホウシセミタケを見つけた場所に行くと、ツクツクホウシタケが散生する中に2本だけ子嚢果を形成しているツクツクホウシセミタケが見つかった。全体の発生数が少なく乾燥気味でいい状態のものも少ないので今年はこれで終わってしまうように思われた。
2005.08.12 富士山
 お盆前のスバルラインの様子を見るため、シャトルバスを利用して五合目付近を散策してきた。シャトルバスは往復1,600円で乗用車の通行料2,000円より安いので単独行の私には安上がりとなった。欠点は自分の気に入ったところで降りられないことで、今日も不慣れな場所の散策になった。
 昨夜の雨で山は湿っていたが、それまで乾燥していたらしくきのこは少ない。きのこ狩りの対象になるものはアンズタケだけで、山の中であった人(4時間歩いたらしい)に籠を見せていただいたがショウゲンジが2〜3本入っていただけだった。それでも撮影用?のきのこは適当に出ていて楽しい時間を過ごすことができた。
  主なきのこ
ヤマイグチ アイゾメクロイグチ? キカラハツモドキ カワリカツ カラマツチチタケ
ホウキタケ科 不 明 ヤマブキハツ イグチ科 カラマツベニカナイグチ
アンズタケ アケボノアワタケ

2005.08.09 富士山
 時々夕立があるが、まだきのこの出ているところは限られているので、今日も涼を求めて富士山に向かった。
 まず西臼塚周辺のブナ林に入ったがクチキトサカタケが出始めいただけで先日とあまり変化がなさそうなので裾野市の水ヶ塚周辺を歩くことにした。
 この付近は一面笹(ススタケ?)に覆われ遊歩道以外は山に入れないところが多いため、ひたすら遊歩道を歩くことになるが、今日は霧が出たり小雨が降ったりする不安定な天気だったのであまり無理はせず、すぐ引き返せる範囲の散策とした。
 ウラジロモミやシラベの林付近にはコガネヤマドリがたくさん出ていた。どれも最近出たものらしくいい状態のものがほとんどだった。
 モミ林の下が少し開けたところに名前が分からないイッポンシメジ科のきのこが出ていた。このきのこは毎年見ており今日も数箇所で見られたので、この付近ではあまり珍しいものではないようだ。
 広葉樹の根際に黄褐色のフウセンタケ科のきのこが出ていた。初めて見たきのこなので丁寧に観察するとヒダに変色性があり、味は苦かった。帰宅後図鑑で調べたが名前は分からなかった。
 笹藪の広葉樹の立ち枯れにヒダが垂生しているオオホウライタケのようなきのこが出ていたがこれも名前は分からない。
 白いツルタケダマシのようなきのこも名前が分からないきのこで、時々西臼塚でも見かけるが、今日やっと状態のいい写真を撮ることができた。





2005.08.05 富士山
 明日から富士山のマイカー規制(富士宮口)が始まり、しばらく行けなくなるので富士宮口の5合目付近を歩いてきた。

 昨年は8月1日に途中のブナ林にトンビマイタケが出たので、立ち寄ってみたがまだ気配も無かった。また他のきのこもほとんど無くブナ林は夏の休眠に入ったようだ。
 五合目は相変わらず込んでいたが、何とか駐車し大きめのシラベやカラマツの林に入った。きのこは先月の28日よりかなり増えていたが相変わらず乾燥気味で状態はあまりよくない。
 アンズタケは乾燥に強いことを証明するように所々に菌輪を作って出始めていたが、ずんぐりとして小さいものが多かった。
 林道脇の切り立ったところにカラマツベニハナイグチがでていた。このきのこも必ず出ているので乾燥に強いようだ。
 大きなコメツガが混じる林にはいるとヌメリササタケが姿を現した。このきのこはアルバムにも掲載しているが、4月に読者のKさんから「ヌメリササタケの柄は不完全な帯状に裂けず、幼菌のヒダは紫色を帯びるのでアルバムのものはヌメリササタケでは無いようにに見える。」旨のメールをいただき、今年の観察の宿題にしていたが、その機会は意外と早くやってきた。幼菌から老菌まで出ていたので容易に観察でき、その結果アルバムのヌメリササタケ(昨年の8月24日のものを除き)はむしろツバアブラシメジのようだ。Kさんありがとうございました。

※アルバムは近日中に訂正します。ツバアブラシメジについても再度観察し直す予定です。

 




2005.08.03 里山
 8月に入って小雨が時々舞ったので里山を歩いてきた。7月後半の乾燥で湿っているのは木陰になる場所や窪地などで、きのこもこのような場所に出ているだけだった。

 オオキヌハダトマヤタケは日当たりのいいところのものはミイラになり、木陰に出たものは弱々しいものが多かった。

 コナラの根元の洞になっているところに初めてみるアシナガトマヤタケが出ていた。乾燥し始め被写体になるものは少なかったが幼菌がたくさんあったので雨さえ降れば今後が楽しみだ。

 シイの樹下の暗いところにクロタマゴテングタケが出ていた。暗いところに黒いきのこであまり目立たないが、今年は当たり年らしく何回も見つけている。

 ベニタケ科の老菌が点在するコナラの樹下に、黄褐色の傘で特別ヒダが広いきのこがあり、薄い縁取りがあるので傷つけてみると白い乳液を出した。付近をよく観察すると乾燥し始めたクロチチダマシがあり同じものと判明した。

 西斜面のシイの樹下にはシロツチガキがたくさん出ていたが、内皮がへこんだものや汚れたものが多かった。