シリーズ <第56回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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キチャワンタケ(近縁種)
(直径 5〜10ミリ)
2008.3.9
神奈川県平塚市・高麗山
 この日、一旦は大和市の公園へ行ったがあまりの乾燥に退散して、頼みの綱「地獄沢」へ立ち寄った。しかし、いかに空振りの少ないこの場所もこの日は苦戦した。
 それでも先入観で「きのこ目」を曇らせないように注意して探すと、大きなシダの葉の隙間から黄色い点がいくつも見えた。ジャゴケが広がる斜面に、小さなキチャワンタケ(近縁種)が散生していた。
 スギ林で見かける変色性のないよく似た種類と違って、本種は主に外側の面で青緑色に変色する。まだ春にならない肌寒い日によく見つけるので、これも「冬きのこ」の1種だと言えるかも知れない。
 きのこの少ない季節に色鮮やかな種類を撮影するのは、ことのほか楽しいものだ。よく生えてくれたと感謝の気持ちさえ湧く。  戻る

ツチイチメガサ
(カサ径 約1センチ)
2008.3.16
神奈川県平塚市・高麗山
 いかにタップリの雨が降ろうと、いかに季節はずれの暖かい日になろうと、やはりこの時季はまだほとんどきのこの姿が見つからない。
 諦めの境地で車に戻るところだったから、散策路の脇に見つけた赤褐色の丸いものを栗の実だと思った。傘の先で弾き飛ばそうとした寸前、白い柄がチラッと見えた。しゃがんで覗き込むと、条線のあるしっかりしたツバも見えた。
 「あぶない、あぶない」・・・貴重な被写体を台無しにするところだった。
 カサにヌメリがないことや季節から考えて、ツチイチメガサだと判断した。まだカサがあまり開いてないのに、もうツバが離れている。さらに柄が伸びてからカサが開くので、ツバが柄の中ほどになるのだろう。  戻る

アミガサホウライタケ*
(カサ径 約2センチ)
2008.3.23
神奈川県藤沢市・引地川親水公園
 今までにも何度も見かけていたに違いないのだが、その特徴の無さに見なかったことにしていたらしい。本種と意識して撮影したのは初めてだ。
 ヨーロッパもきのこを良く食べる習慣があるが、どうも日本とは好まれる種類が違う。このシバフタケも日本ではほとんど見向きもされないが、ヨーロッパではきのこ狩りの定番の1種らしい。あまり食欲の湧くきのこではないように思うのだが・・・。種類やタイプが少し違っているのかも知れない。
 また、大きな菌輪を作ることでも有名で、直径100メートルを超えることもあるとか。そんなに大きくては撮影に困ってしまうが、ぜひきれいな菌輪も見つけてみたいものだ。※城川先生のご指摘により、高橋春樹氏が発表したアミガサホウライタケの可能性が高いことが判明しました。  戻る

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