シリーズ <第57回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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アシナガイタチタケ
(高さ 約6センチ)
2008.4.12
神奈川県伊勢原市・ふじやま公園
 今年の春は異常に雨が多かった。これで暖かさが安定してくれればきっとたくさんのきのこが見られたはずなのだが、雨の後は決まって北風の吹く寒い冬へ逆戻りになった。
 それでも陽射しの穏やかな日には、いわゆる「春きのこ」の仲間が撮影の楽しさを思い出させてくれる。
 初めて訪れたこの里山公園はとても歩きやすい場所だった。幼菌から成菌まできれいに揃ったアシナガイタチタケの一群を見つけて、様ざまなアングルから構図を決めて何度もシャッターを切った。
 名前の通り足の長いプロポーションでとても構図が取りやすいきのこだから、少しずつアングルを変えながらどんどん枚数が増えていった。  戻る

モリノカレバタケ
(カサ径 約3センチ)
2008.4.26
神奈川県大和市・泉の森公園
 背の低い草が茂る広場にきれいなモリノカレバタケが、直径1.5メートルほどの菌輪を描いていた。半分は小さな幼菌で全景は迫力に欠けたが、それでも三脚を構えて高い位置から撮っていた。
 そこへ数人の年配グループが来て何やら話したかと思うと、一人のオバサンがきのこを採ろうとするので慌てて大声で「採らないで!」と3回叫んだ。・・・が、まるで馬耳東風。1本引き抜いたかと思うと柄を引き裂いて見せて「食べられると・・・思うよ」と言うと、ポイと捨てて行ってしまった。
 自分では決して食べないくせに生半可な知識を吹聴する。腹立たしい思いを通り越して同情したい気持ちになった。ここに記すほど印象に残ったのだから、自分への反面教師だと捉えたい。  戻る

ヒトクチタケ
(直径 約2センチ)
2008.4.27
神奈川県真鶴町・真鶴半島
 駐車場のすぐ傍のマツの樹に豆粒ほどの幼菌を見つけたのが1月13日。そしてその6週間後に見た時も同じ大きさだった。
 そしてさらに2ヵ月後のこの日、ようやく本種らしい姿になっていた。とても成長の遅いきのこのようだ。
 そう言えば今まで中の構造がどうなっているか見たことがなかった。
 それではと生えた状態で断面を観察することにした。慎重に半分切り落とすと、中に真っ黒い甲虫が1匹住み着いていた。
 写真をロールオーバーにしたので分かりやすいと思うが、普通のサルノコシカケ型のきのこにカバーを付けたような構造だ。どういう利点があるのかよく分からないが、いろんな虫たちの良き棲家になっていることは確かだ。  戻る

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