新シリーズ <第5回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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コフキクロツチガキ
2003.12.14 神奈川県・新治
 これはどう見てもきのこに見えない。・・・というより、自然のものより人工物の感じがする。発見者も楊枝に何かが刺さっていると思ったらしい。
 ツチガキの仲間では小型の方で、内皮の直径は1センチほどしかない。下の柄の部分の上端にベージュ色のリングが見えるだろうか。成熟すると脱落するらしい。
 内皮の上の部分も特徴的で、尖った部分には周囲に溝線があり「孔縁板」と呼ばれる。
 発生はあまり多くないらしいが、群生することもあるようだ。  戻る

クサアジロガサ近縁種
(高さ約3〜5センチ)
2003.12.14 神奈川県・新治
 ぬかるみに埋もれた枝から3本の細いきのこが生えていた。まず目を引くのは柄の中ほどに付いた白いツバ。きのこ全体から受ける印象はフウセンタケ科のケコガサタケ属に似ているように思ったのだが、とにかくこんなしっかりツバが付いているのは初めて見た。
 城川先生に検鏡していただいた結果、一旦はコガサタケ属のクサアジロガサとされたが、柄の下部に繊維状の鱗片があることなど相違点があり別種とされた。同じく柄の中ほどにツバを持つツチイチメガサとも違うため、当HPではクサアジロガサ近縁種という扱いにしておく。
 小さいがとても印象に残るきのこだ。戻る

ナメコ
(直径約1〜2センチ)
2003.12.27 神奈川県・七沢
 仕事納めの翌日、連休の初日くらいはのんびりしようと朝寝を決め込んで、ゆっくり起きたら、親しい「菌友」から「雪!」のメールが届いていた。外を見ても道路が濡れている程度。何を寝ぼけているのかと思ったが、本当に降ったと言うのであわててエノキケの生えるポイントを思い浮かべて七沢へ急いだ。
 「雪を被ったエノキタケ」をぜひ撮りたいと常々思っているからだ。
 しかし、見つけたのは「雪を被ったナメコ」だった。これはこれで絵になるので、何カットもシャッターを切る。雪が白く飛ばないようにするとナメコが暗くなる。レフ板を目いっぱい使っても雪の白さにはかなわない。
 すこしアンダーにして、雪の冷たさを出して見た。  戻る

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