新シリーズ <第6回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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シイタケ
(直径約6〜7センチ)
2004.1.25 神奈川県・飯山
 とくに何か珍しいわけでもなくて、特別写真がきれいに撮れたという訳でもない。この季節は堅いきのこがほとんどで、採取はおろか撮影もままならないのだが、この超肉厚の新鮮なシイタケは食欲のほうでたいへん嬉しかった。
 冷静に考えると市販の栽培シイタケと同じ味をしているのだが、山で見つけて自分で採ったという野趣味を感じるのだろうか、焼いて酒・醤油をたらしてほうばるとたいへん旨い。
 特に寒い時期に生えるシイタケは肉厚になり、下手に調理をするより焼いたほうが美味である。  戻る

キチリメンタケ

2004.1.25 神奈川県・七沢
 じっくり被写体にする機会が少ないせいだと思うのだが、どうも堅いきのこが覚えられない。この時もそれほど珍しいようには思えないのに名前が出てこない。
 その場で図鑑をチェックして、どうやら本種らしいことが分かった。出てこないはずだ、知らない名前だった。後で聞いたところ特に珍しくはないとのことだったが、初めて見る種類が図鑑で同定できると嬉しいものだ。ネンドタケやセンベイタケに似た外観だが、管孔が長く迷路状に乱れているので分かりやすい。
 分かる堅いきのこが一つ増えた。  戻る

マユハキタケ
(高さ約2センチ)
2004.1.31 神奈川県・高麗山
 以前、会の勉強会で珍しい種類だと聞いたことがある。タブの老木にしか生えない子嚢菌で、似た種類がない変わったタイプのきのこだ。
 ところがここ高麗山にはタブの大木が多いためか、あちこちで本種を見かける。2センチ以上もある大きなものも珍しくない。
 「眉刷き」とは見事なネーミングで、手にとって息を吹きかけると、黄色い胞子を大量に吐き出す。形態はまさに刷毛状で、毛先がとても滑らかだ。
 しばらく観察を続けて驚いたのだが、たいへん成長が遅く2〜3ヶ月後に見てもほとんど姿を変えてなかったりする。
 かなり変わり者のきのこであることは間違いなさそうだ。  戻る

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