シリーズ <第7回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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ツバキキンカクチャワンタケ
(直径約1〜3センチ)
2004.2.1 神奈川県・新治
 今まで早春から梅雨ごろまでにかけて生えるものと思っていたら、1月末にはやばやとHP「きのこ雑記」に登場した。
それではと、定点観察の新治で探すと、白いツバキの樹下で発見。カラカラ天気で干からびたものが多かったが、同行の1人がとてもきれいな状態のものを見つけてくれた。
 どこできのこ探しをしても、ツバキがあればつい探してみたくなるが、生える環境には共通したものがあるように思う。緩やかな斜面か平坦地で、深すぎない程度に枯葉や花が堆積しているような場所が良く見つかる。湿度が高い日は風を起こして、噴出す胞子で見つけることもできる。  戻る

サカズキカワラタケ

2004.2.15 山梨県・道志
 一度は見つけて写真に収めたいと思うきのこが何種類かあるが、これもその1種だった。図鑑で見る本種はとても不思議な形をしており、小さなサカズキ状のものが生えてその横から白い子実体を広げる。
 初め細い落ち枝に並ぶ白いサカズキを見つけた時に、すぐにピンときた。「きっとこれは・・・」と、付近を探すとカサを広げているものを見つけた。
 普通はサカズキの内側に黒い環紋があるのだが、これは色あせてしまったようだ。それにしてもユニークな形で、初めのサカズキ状のものの役目は不明と言うから、ますます不思議なきのこだ。  戻る

カイガラタケ
(幅約7〜9センチ)
2004.2.22 東京都・明治神宮
 気温は穏やかになって春が近いと感じるのだが、こう雨が降らないと「きのこ探し」も思い通りには行かない。ダメモトで短時間だけ神宮の森を歩いたら、なかなかきれいなカイガラタケがたくさん生えていた。
 明るい灰褐色の環紋は特徴的で遠くからでも分かりやすいが、裏面はきれいに揃ったヒダになっているので、高いところに生えているとヒラタケかムキタケか?と、とても気になるきのこだ。昔、車の屋根にまで登って三脚で払い落としたら、本種だったのでガッカリしたことがある。
 カサの表面に細かい毛が密生しているので、ビロードのように滑らかでとても手触りがいい。新鮮なときはとても柔らかく、食用にできるのではないかとさえ思える。戻る

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