シリーズ <第10回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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キツネノヤリタケ
(高さ3〜4センチ)
2004.5.2 神奈川県・新治
 もう何年も前から図鑑で気になっていたきのこで、そのユニークなすがた形と見事なネーミングに感心していた。
 何としても一度は見てみたいしぜひカメラに収めたいと思いながら、他のホームページに登場したりするとうらやましく思っていた。
 今年は各地でキツネノワンが大発生したようで、同じ環境(クワ属開花時の樹下)に発生する本種もたくさん生えたようだった。
 やっと撮影のチャンスに恵まれたが、まだ槍の穂先が未熟な状態で、槍の刃を連想させる姿ではなかった。「らしい」写真を撮ることが念願なので、本種については更に追いたい被写体だ。  戻る

タカネイタチタケ

2004.5.8 神奈川県・高麗山
 きのことの出会いは本当に「一期一会」だと思う。運命や因縁めいたことを信じない人間だが、滅多に見られないきのこに別の場所で再び出会うと、不思議な巡り会わせを感じてしまう。
 2001年5月12日、真鶴半島で淡いワイン褐色の未知のきのこに出会った。検鏡していただいた結果「タカネイタチタケ」と同定された。図鑑にもHPにも写真がないまれなきのこらしい。
 そしてマイフィールドにしている高麗山で再び見つけることができた。全く同じような生え方で、色も特徴も鮮やかに記憶が蘇るくらいそっくりだった。「タカネ」の名前だが低地にも生えるらしい。運命も因縁もありそうに思えた。  戻る

コガネハナガサ
(1999年新種発表)
2002.6.16 神奈川県・平塚市
 高橋春樹さんのHP「八重山諸島のきのこ」を見ていて、思わず「ああっ!」と声を上げてしまった。
 2年前、平塚市のびわの森で見知らぬきのこを発見。撮影して図鑑で調べたが全く不明で、そのまま記憶の片隅にあったのが、一気に蘇った。
 撮影日があやふやで1年分くらいのファイルからようやく「再発見」。キシメジ科クヌギタケ属のきのこだが成菌は一夜でしおれてしまう、まるでヒトヨタケ科のような特徴らしい。
 嬉しさのあまり高橋さんにメールしたところ、コナラに発生し、基質を容器に入れて保湿するだけで簡易栽培ができると教えていただいた。今年、「再々発見」を狙っている。  戻る

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