シリーズ <第11回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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アケボノドクツルタケ(仮)
(高さ約10センチ)
2004.6.20 神奈川県・高麗山
 いわゆるドクツルタケと呼ばれる純白の猛毒テングタケは、どうも数種類に分けられているようだ。図鑑にはシロタマゴテングタケが近い種類として挙げられているが、ドクツルタケにも本種やニオイドクツルタケ(仮)などが区別されているようだ。
 カサの中央部、ツバの部分、あるいは根元のツボの部分に、時にはほのかに、また時には鮮やかなピンク色を見せる本種はとても分かりやすい。
 梅雨の頃、ドクツルタケの仲間の先頭を切って真っ先に出始めるようだ。その意味でも「アケボノ」の名前は相応しい。 戻る

ホシアンズタケ

2004.6.28 栃木県・日光
 北方系のきのこで古い図鑑には北海道で発生と書かれている。ニレノキの表皮が剥げ落ちたような倒木に生える。
 独特のサーモンピンクが美しく、やや乾くとカサの表面全体にひび割れ状や同心円状にシワが隆起する。
 白い柄にはオレンジ色の水滴を付けていることが多い。
 分布はもっと南に広がり、この日光あたりが南限のようだが、次のタモギタケも同様に関東南部では見ることができない。
 かなり前から一度はカメラに収めたいと思い、「きのこ雑記」の浅井さんや「きのこ屋」の高橋さんに、時期や樹種のアドバイスをいただき、なんとか撮影することができた。 戻る

タモギタケ

2004.6.28 栃木県・日光
 前種同様、北方系のきのこで南関東では見ることができない。
 栽培もされている優秀な食菌だが、私はこのなんとも言えない美しい色と姿に憧れのような気持ちさえ湧いてくる。
 梅雨頃から秋まで発生時期は長いらしいのだが、よほど新鮮な状態でないとこの鮮やかなレモンイエローが見られない。やや褐色が強くなることもあるようだが、とにかくいい色が撮りたかった。
 遠征計画はドンピシャで的中し、3日前にはまとまった雨が降り、当日も朝まで雨だったが、探索時にはさわやかに晴れてくれた。
 遠目にも鮮やかな黄色が目立ち、思わず夢中でシャッターを切る。とても美しいきのこだ。  戻る

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