シリーズ <第13回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

7月  MVPtop  9月

キンチャワンタケ
(カサ径約3センチ)
2004.8.29 山梨県・富士山北麓
 一度は撮影したいと思う「憧れ」にも似た気持ちを持つきのこがある。これもその一つ、あちこちのHPや図鑑でとても美しい写真を見るたび、必ずいつかは、と思っていた。
 もっと小型だと思っていたが意外に大きくて驚いた。群生を見られなかったのは残念だが、ひとまずは撮影に成功。
 ただ、このきのこは晴れの日の方がいい雰囲気に撮れるようだ。少し粉を噴いたような乾いたレモン色の方が、このきのこらしさがある。
 いずれ、鮮やかな苔をバックにした、見事な群生の写真をGalleyに入れたいものだ。  戻る

アオゾメタケ
(幅約5センチ)
2004.8.29 山梨県・富士山北麓
 特に珍しい訳ではない。低地の里山などでもごく普通に見られる硬質菌だが、こんなに見事な色になっているのは初めて見た。
 幼菌の間はほとんど真っ白で、なかなか同定が難しいきのこだが、成長すると次第に青い部分が多くなっていく。
 これは成熟した胞子の色だそうで、したがって胞子紋を取るとこの色になる。また、採取したきのこを紙などに包んでおくと紙がこの色に染まってしまう。名前の「青染め」はそのことを言っているのだろう。
 硬質菌にはあまり色鮮やかな種類はないが、これを見つけたときは素晴らしい色に嬉しくなった。  戻る

ヒョウモンクロシメジ
カサ径約5センチ
2004.8.29 山梨県・富士山北麓
 広大なウラジロモミの植林地に、ほとんど保護色のように目立たないきのこがあった。良く見るとカサの表面に独特の模様を描く、ササクレ状の鱗片が並んでいる。
 確か最近、どれかの図鑑で見た記憶があった。後で調べると「青森のきのこ」に掲載の本種にとても良く似ていることがわかった。
 1997年に日本新産種として発表された種で、有毒のきのこらしい。
 滅多に見られない珍しい種類を撮影できるのも、大きな喜びである。
 今回のMVPはすべて同日の3種になった。それまでが、きのこが無さ過ぎたと言うことだろう。これからに期待できそうだ。  戻る

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