シリーズ <第19回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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エノキタケ
(カサ径0.5〜1センチ)
2005.2.20 神奈川県・高麗山
 先月に続いてトップバッターはエノキタケだが、今度は新鮮な幼菌である。
 「きのこ探して」にも何度か書いたが、どういう訳か高麗山であまりエノキタケを見つけてない。たまにあっても小さな株で、撮影にも採取にもあまり対象になってくれない。
 今年は雨が降るたびにあちこちでエノキタケの情報を耳にする。豊作の年なんだろうな・・・などと思いながら、無意識のうちに「きのこ目」がエノキタケモードになっていた。
 切り株の周囲に大きく開いた成菌がいくつもあり、この瑞々しい幼菌を見つけた。高麗山で初めて、撮影も採取もそれなりに手応えがあった。  戻る

イボセイヨウショウロ
(直径1〜2センチ)
2005.2.26 神奈川県・平塚市
 近年になって日本にも数種のトリュフの仲間があって、このイボセイヨウショウロなどはそれほど珍しいものではないことが分かってきた。
 しかし、私にとってはたいへん発見の困難なものだった。「造形美」としての被写体できのこを探すという目では、地面に半ば埋もれた動物のフン(失礼!)のような姿を見つけることはあり得ないことだった。
 これを見つけたのもまったく偶然で、ただ立ち止まって足元を見下ろしただけだった。靴のつま先から数センチ先に、見覚えのある球体が1個あった。
 特別いい香りだと感じないが、大きさや保存方法でかなり強い芳香を放つという。一度、試食をしてみたいものだ。  戻る

クロハナビラニカワタケ

2005.2.27 神奈川県・小田原
 ハナビラニカワタケと同じ生え方をするが、大きさはかなり小さい・・・と図鑑に書いてある。今まで見たものもそうだった。
 今回見たものは長径10センチを超える大きさで、完全に広がれば普通に見かけるハナビラニカワタケより大きいものだった。
 シロキクラゲ属に分類されるが、花びらに透明感があまりないのでハナビラタケの方に近い印象を受ける。
 図鑑には「食不適」となっているが理由は分からない。硬くて歯切れが悪いのか、相当まずいのか・・・。新鮮なものを見る限りでは食用になりそうな感じだ。
 ただし、生え方や形がよく似た子嚢菌のクロハナビラタケは有毒なので、やはり食べない方がよさそうだ。  戻る

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