シリーズ <第24回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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キツネノハナガサ
(カサの直径 約2センチ)
2005.7.9 神奈川県厚木市・七沢
 高さが10センチほどもある細い柄に、まるでコップのような形のツバと、直径2センチほどの白いカサが載っている。
 当然ながらわずかな風にもユラユラと止まってくれない。撮影者泣かせだが、幸運にもこの日は無風だった。
 柄やカサの表面に鮮やかな黄色の鱗片が付いていてとても美しいのだが、困ったことにデジカメで写ってくれない。何度シャッターを切ってモニターを見ても黄色が見えない。仕方なくかなりアンダーに撮影してから、PCで補正をしてやっと色を出すことができた。
 まるでヒトヨタケ科にような雰囲気を持っているが、ハラタケ科キヌカラカサタケ属のきのこ。軽やかでいい名前が付けられていると感心する。  戻る

ミヤマベニイグチ
(カサの直径 約4.5センチ)
2005.7.9 神奈川県厚木市・七沢
 ミヤマという名前からも、そして、今まで富士山の青木が原樹海でしか見たことがなかったことからも、高地でしか見られないきのこだと思っていた。
 ここしばらくコウジタケとキッコウアワタケの区別で悩んでいたこともあって、見つけたときは「これはどっちだろう」と思った。管孔の青変の速さを見ようと爪で傷つけて、しばらく見つめるが変色しない。もう一度、姿を眺めてやっと本種だと気づいた。
 わずかに紫が入ったような鮮やかな紅色のカサは、細かくひび割れてとても美しく、黄色い管孔との境が際立っている。
 高地だけとは限らないにしても、平地で見ることは極めてまれだろうと思う。  戻る

レモンチチタケ(仮称)
(写真の幼菌 約1〜3センチ)
2005.7.18 神奈川県平塚市・湘南平
 見つけたときはチリメンチチタケだと思ったが、図鑑で確かめると色が明るすぎる。色合いだけを見るとむしろヒロハチチタケに近い。・・・その時、「神奈川キノコの会」でレモンチチタケという仮称が付けられている種があることを思い出した。
 カサの細かな縮緬ジワと、まるで蛍光色のような鮮やかなレモン色が特徴で、とても分かりやすい。ぜひこの仮称で定着してほしいものだ。
 少しでも触れると白い乳液を出すので、邪魔な草を除くときも細心の注意が必要だ。このように撮影のときにうかつに触れないきのこが意外に多いものだ。すぐに色が変わるもの、全体が微粉で覆われているもの、繊細な鱗片が付いているもの・・・などなど。  戻る

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