シリーズ <第26回> | 竹 しんじ |
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自選 《月間MVP展》 <<<<< 2005年 9月 >>>>> |
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO |
1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。
8月 MVPtop 10月
ヒメマツタケ? (高さ約10センチ) 2005.9.10 神奈川県厚木市・七沢 |
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30度を超える気温に閉口しながら、七沢森林公園の尾根筋を歩いていた。もう少しで休憩予定地へ着くという直前、枯葉の降り積もった所に見慣れないきのこが群生していた。 カサは粉っぽい表面でややくすんだ明るい褐色。柄は太くて白く、しっかりしていて鱗片が密に付く。一見してハラタケ属らしいことは分かったが、初めて見るきのこだった。 数冊の図鑑を開いたが唯一、新菌類図鑑にあるヒメマツタケによく似ている。つまり、栽培きのこの「アガリクス」ということになる。まだ、種名の同定には至ってないが詳細な調査を進めてもらっているので、いずれ、何か判明したら詳しく掲載したい。 戻る |
キクバナイグチ (直径 約6センチ) 2005.9.18 神奈川県横浜市・新治 |
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関西では里山にごく普通に見られ、失礼だがあまりフォトジェニックではないので多くは撮影しなかった。ところが関東に来てから見ることがなくなった。菌友に聞いてもほとんど見ないと言う。 この夏になってチラホラと噂を聞くようになって、定点観察でいつも多種のイグチが出る斜面に見つけることができた。 カサ表面から被膜へとつながる厚い表皮が、成長とともに裂けて管孔が現れる。カサの表面はひび割れて、被膜は周囲に垂れ下がるため、成菌になるとあまり美しいとは言い難い姿になる。 しかし、珍しさも手伝ってよく観察してみると、鮮やかな茄子紺色の柄や、細かくひび割れた紫のササクレなどは、他のイグチにない個性的なものを感じる。 戻る |
オオベニハダトマヤタケ(仮称) (高さ 約9〜11センチ) 2005.9.24 神奈川県平塚市・高麗山 |
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一見してアセタケ属と分かる姿で、しかも一見して赤いのが特徴と分かる。ところがそんな種類は見たことがないし、図鑑にも見当たらない。 会でもHPでも大先輩の山口義夫さんが、2003年に同じ場所で見つけたモモエノトマヤタケが柄のピンク色が特徴だったので、それの成菌だろうと思ったのだが、検鏡していただいた結果、別種でありオオキヌハダトマヤタケに近縁だと分かった。 ひとまず自分で仮称を付けて、更なる調査を続けたい。と言っても、検鏡もしないし外国の文献も持たないので、何もかも人任せになってしまって恐縮なのだが・・・。 もう少し何かが分かってから「きのこ探して」の記載を訂正したいと思っている。戻る |