シリーズ <第28回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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ムキタケ
(カサ幅約7センチ)
2005.11.5 静岡県・富士山南麓
 どんなに美味しいきのこの群生より、華やかなきのこの方が嬉しい・・・などと先月は書いているが、この日はクリタケ、チャナメツムタケ、ブナシメジと一緒にこれも採取して帰り、全部を油で炒めた。結果、他の3種が食べられないほど本種が美味しいことを改めて実感した。
 全体がゼラチン質のようになり、とろとろとした食感で実に旨い。なるほど目の色を変えて「狩り」をする気持ちがよく分かる。
 毒菌のツキヨタケと間違える事故が多いと聞くが、肉眼で見えにくいほど密なヒダと太短い黄色の柄を見れば見分けは難しくない。カサの色だけなら似ているときもある。  戻る

サマツモドキ
(カサの直径 約2センチ)
2005.11.13 神奈川県平塚市・高麗山
 「トンビがタカを産む」たとえではないが、幼菌が成菌から想像もつかないいい姿をしていることがある。
 サマツモドキはあまり群生せず、カサもいびつなものが多く、柄が偏心して付く傾向がある。この幼菌を最初に見ていたらきっと種名に悩んだに違いない。すぐ横に成菌が1本あったのですぐに分かったのだが、こんなに整った姿で4本も並ぶシーンに驚いた。しかし、きっと成長しても「タカ」にはならないのだろう。
 しっかりした肉質で美味しそうに感じられるきのこなのだが、図鑑によると人によって中毒を起こすらしい。こう言われると、自分がその人に当たるかもしれないので、試してみる気になれない。  戻る

ツチイチメガサ
(カサの直径 約2.5センチ)
2005.11.27 神奈川県茅ヶ崎市・里山公園
 「柄の中ほどに条線のあるツバを持つ」とされる本種だが、とてもきれいな状態を撮影できたのでよく見てみると、条線ではなくはっきり溝になっている。まだカサに密着していた時の様子がとてもよく分かる。この溝の部分にヒダがあったのだ。主ヒダだけでなく細かな小ヒダまで、くっきりと溝になっている。
 カサが開いて被膜が外れてツバとなって柄に残る。そしてさらに柄が伸びて、ツバの位置が柄の中ほどになる。
 もうすっかり、多くのきのこが姿を消してしまって探索しても寂しい限りだが、こうして、新鮮で興味深い発見や撮影ができると、また次の発見へと意欲が湧いてくる。戻る

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