シリーズ <第37回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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ヒョウモンウラベニガサ
(直径 約3センチ)
2006.8.19 神奈川県平塚市・高麗山
 1991年に新種発表された日本固有種で、しばらくは非常にまれな種類だとされていた。98年に広島県で見つけた時は飛び上がって喜んだ。その後、01年に平塚市で見つけたが、最近ではあちこちで見つかっているようだ。
 稀少種ではなくなってきたかも知れないが、やはりこのカサの豹紋を見つけた時は嬉しいものだ。
 環境や栄養状態の影響かずいぶん大きさには差がある。今回のものはまるで地面から生えているように見える小型タイプだった。念のため検鏡していただいたが、本種そのものに違いないとのことだった。
 小さくても独特の豹紋は印象が強く、発見の喜びを満喫できる。  戻る

ニクアツシロサラタケ(仮)
(直径 2〜6センチ)
2006.8.19 神奈川県平塚市・高麗山
 前月の23日にも少し離れた場所で大き目の1個を見つけて、城川先生に検鏡していただいた。顕微鏡下ではニクアツベニサラタケと同じであり、極端に色素が少ない個体で、複数の発生があるなら「品種」レベルとなるだろうとのことだった。
 そして今回の発見。自分で「ニクアツシロサラタケ」と仮称しておくことにした。外国のサイトを見ると色の変異はかなり幅広いようで、、ほとんど白に見えるものも載っている。ただ、他の場所では今までに見たことがなく、逆に当地で普通のタイプを見ていないので、地域的な変種かも知れない。
 また、2001年には同地南麓でピンク色のものを見ているので、淡い色の系統が生える場所なのかも知れない。  戻る

コナカブリテングタケ
(カサの直径 3〜4センチ)
2006.8.26 神奈川県大和市・泉の森
 梅雨から夏にかけてフィールドではカビに侵されたきのこをよく目にする。これも見つけた時はそうだと思った。しかし、それにしては柄が長くてしっかりしているので、ヒダを覗き込んで驚いた。とてもしっかりした白いヒダがきれいに並んでいる。
 初めて見る種類だった。ハイカグラテングタケと本種は見てみたいと思っている種類だったので、とても嬉しく何カットも撮影した。
 何となく見覚えがあると考えていて、はっと気づいた。キワタゲテングタケにとても印象が似ている。手を触れるのをためらってしまうほど湿った粉に厚く覆われている。
 いったい何のためのものなのだろう。まさか、何かの不都合を「粉飾」している訳でもあるまい。  戻る

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