シリーズ <第52回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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センボンクズ
タケ
(カサ径約2cm)
2007.11.3
静岡県富士宮市
富士山南麓
 苔にびっしりと覆われているため樹種が分からないが、太い切り株を取り囲むようにいくつもの束になったセンボンクズタケが生えていた。もし初めにそれを見てなかったら、写真のきのこは一見してムササビタケだと思ったことだろう。柄が細長く根元で集まって束になっている。
 それにしても「屑」とはずいぶんヒドイ名前を付けられたものだ。せめて「センボンナヨタケ」ぐらいがシックリ来るように思うのだが・・・。
 いままで何度も目にしたように思っていたが、思い起こしてみると富士山でしか見ていない。里山には生えないやや高山性のきのこなのかも知れない。  戻る
 本当に不思議なことに、自分では見つけられない種類なのだ。毎年、秋の気配が深まる頃になるとあちこちでコガネタケの群生を見たという話を耳にし、きのこ関連のHPを開いてもみごとな群生の写真が載っている。
 これほど毎週のようにきのこを探して歩き回っているのだから、いずれどこかで「おおっ!」と驚くほどの立派な群生を見つけるだろうと思い続けて今に至っている。
 やっと見つけたと思ったら「これが?」と目を疑いたくなるほどの「短足」コガネタケ。「らしさ」をもっとも重視してカメラを向けている以上、今のところ極めて不満足である。
 なお、写真は定点観察メンバーが見つけたもの。 戻る
コガネタケ
(高さ5〜20cm)
2007.11.4
神奈川県横浜市
新治市民の森

ヒダサカズキタケ
(カサ径約7mm:幼菌)
2007.11.25
神奈川県厚木市・自然保護センター
 今年もまた、秋らしくなったと感傷に浸る間もなく、早々と冬になってしまった。こうなると野山を探索していてもほとんどきのこが見つからない。
 次第に「きのこ目」はミクロの領域に入ってしまって、しゃがんできのこ探しをするようになる。
 ところが面白いもので、普段ならきっと見過ごしているに違いない極小の世界に、意外にも興味深いものが見つかる。
 ヒダサカズキタケの幼菌がこんなに微毛に覆われているとは知らなかった。最近、幼菌を集めた「きのこのこのこ」コーナーに新顔が入らずに、やや行き詰まりの感があるが、これは面白いニューフェースだ。  戻る

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