シリーズ <第58回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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アラゲカワキタケ
(カサ径 3〜4センチ)
2008.5.4
神奈川県横浜市・新治
 「こんな時に限って・・・」
 定点観察のこの日、うかつにもカメラのメモリーを忘れた。仕方なく予備の128Mbをコンパクトデジカメに入れて歩いた。
 けっこう多くの種類が見られたので夕方近くになるとメモリーは満杯になった。そして、みんなが駐車場へと向かっていた時にこれが見つかった。さらに付近には立派なムジナタケの株まで。
 急いで再生しながら不要なカットを消して、何とか数枚撮ったが、ムジナタケは諦めた。
 ヒダが独特の紫色を帯びたとても新鮮な状態で、なかなかこういうシーンには出会えない。
 予備のメモリーも2Gbくらいにしないとダメだ。「きのこに次のチャンスはない!」  戻る

ミミナミハタケ属
(カサ径 3〜4センチ)
2008.5.5
静岡県富士宮市・富士山南麓
 一人できのこ撮影に出歩くことが多いため、ついつい休憩することを忘れがちになる。結果、終盤で疲れて撮影意欲が減退することになる。
 それを避けるためなるべく意識的に休憩時間を取るよう心がけている。ところが体を休めていても、目と意識は周囲をさまよって落ち着かない。
 ま、その甲斐あって数メートル先のブナの倒木にこれを見つけた。イタチナミハタケかと思ったらカサの基部に毛が生えてない。これこそがミミナミハタケそのものかと思ったが、特徴であるアニス臭がかなり弱い。
 サンプルを城川先生に見ていただくと、カサに顕著な放射状のシワがあることから、丹沢調査で仮称として記録したスジナミハタケではないかとのことだった。  戻る
後日「キツネナミハタケ」と同定された。

コガネヌメリタケ
(カサ径 1〜2センチ)
2008.5.24
静岡県富士宮市・富士山南麓
 この時季、富士山で必ず撮っておきたい種類の1種がこれだ。特に雨や濃い霧がかかる時は、そのカサのヌメリが独特の輝きを見せる。
 そしてこれほど簡単に色が褪せてしまう種類も珍しい。オレンジ色のきれいな状態は日陰にあるわずかなものだけで、すぐに灰色になり白っぽくなってしまう。
 もう一つ見逃せないポイントはヒダの縁取りだ。淡いオレンジ色のヒダ1枚1枚にクッキリと濃い縁取りがある。
 残念ながらこの日はカサの小さな幼菌だけだったので、妖しくも神秘的な縁取りの写真は撮れなかった。
 全体が蛍光色のような本種を見ると、「きのこに無い色は無い」という思いをさらに強くする。  戻る

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