シリーズ <第60回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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ニカワアナタケ
(直径 約7ミリ)
2008.7.5
静岡県富士宮市・富士山南麓
 今は猛暑の日々が続いているのでもう記憶から薄れつつあるが、今年関東では夏になるのが遅れた。気温30度を超える「夏日」が平年より半月も遅かった。
 ようやく夏がやってきたとばかりに喜んで富士山の4合目付近まで登ったら、まだ春にもなってないような肌寒さだった。
 期待したきのこは全く見当たらず、やっと興味を持てる種類に出会ったのがこれだった。わずか数ミリという小さなサイズだが、初めて見る種類は嬉しいものだ。枯れたササの稈にやや灰色がかったカサを見つけて、裏側をルーペで見て驚いた。丸い管口がきれいに並んでいる。縁の部分では管口に沿った形で凹凸がある。全体がニカワ質で柄はなく、側面で基部にくっついている。ラッシタケ属の仲間だ。  戻る

クロヒメオニタケ
(高さ 約3センチ)
2008.7.6
神奈川県横浜市・新治
 毎月の定点観察をしている新治市民の森で、毎回必ず数種類のきのこを見つけるポイントがある。硬質菌が多いのだが、今回はそこに見慣れない種類が1本だけ立っていた。
 カサに見えるまばらな鱗片は見覚えがないので、採取して検鏡してもらった結果、本種であることが分かった。
 外見から大きな勘違いをしていたことも分かった。というのも図鑑ではモエギタケ科のヒメスギタケの次に掲載されいるとばかり思いこんでいた。記憶にあるトゲトゲの幼菌写真は、なんとハラタケ科になっていた。思い違いに気づいてからもまだ、これがハラタケ科の仲間だとはピンとこない。
 今回は1本だけだったが、いつかトゲだらけの幼菌が群生するシーンに出会いたいものだ。  戻る

トガリフクロツチグリ(?)
(直径 約1.5センチ)
2008.7.21
神奈川県平塚市・高麗山
 どういう目的があってこの形なのか、きのこに聞いてみないと分からないが、本当に「クワイ」によく似ている。
 見つけた時は特徴のある外見からトガリフクロツチグリと同定したが、この仲間はそう簡単ではないようだ。確かに幼菌の時にこれだけ頂部が突出する種類はそう多くはないが、本種にしてはやや小さすぎる。こんな形の幼菌は本種のほかにエリマキツチグリがあるが、どちらもヒメツチグリ科の中では大型の種類だ。
 となると、ひょっとするとどちらでもないかも知れない。持ち帰って成長を見るべきだったのか。
 これもまた、発生場所を覚えているので「要経過観察」という種類になった。開いたものを運よく見つけたら、何かもっとはっきりしたことが分かるだろう。  戻る

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