シリーズ <第62回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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アカツブフウセンタケ
(高さ 2〜3センチ)
2008.9.2
青森県青森市・梵珠山
 今月は珍しく2度もきのこツアーに出かけた。1度目は大胆にも青森へ飛んだ。まだ少し時期が早かったようだが、雨のタイミングはまずまずでたくさんの種類を見ることができた。
 山道の脇で別のきのこを撮影しながらふと横を見ると、小型ながらなかなかきれいな赤いきのこが生えていた。高さが5センチ以下というフウセンタケ科ではかなり小さいが、名前の通り表面に赤いひび割れ模様が広がるのでよく目立つ。ヒダが黄土色をしているのでアセタケ属のような雰囲気もあるが分類はフウセンタケ属だ。
 「きのこの宝庫」東北はまだ本格シーズンではなかったが、それでも初めて見る種類もいくつかあり楽しいツアーになった。来年も行けるなら9月中旬にしたい。  戻る

ハイイロカレエダタケ
(高さ 約3センチ)
2008.9.20
長野県小海町・大月湖畔
 2度目のツアーは定点観察の仲間5人で八ヶ岳の麓にある松原湖へ行った。台風13号がまともに向かって来て心配したが、スピードを速めたためいいタイミングになった。
 到着してまず大月湖畔を探索。カラマツ林ではハナイグチがたくさん出始めていた。
 草むらに初めて見るきのこが生えていた。一見ムラサキホウキタケに見えるが、枝の様子が違うことはすぐに分かった。先端が尖っていて枝どうしがあまり広がらずにくっつき合っている。色が白ければカレエダタケそのものだ。きっと珍種に違いないと思った。
 宿について数冊の図鑑を当たると、「北陸のきのこ図鑑」にぴったり符合する記載を発見した。その後ネットでも確認して本種に間違いないと分かった。  戻る

ツノシメジ
(高さ 約5センチ)
2008.9.21
長野県小海町・松原湖付近
 松原湖ツアーで最も印象に残ったきのこはこれだった。斜面でクリフウセンタケを探していると「いい被写体がある」と仲間が呼ぶ。行ってみると、一度は見たいと思っていた本種だった。とっさに名前が思い出せず、「確かオニシメジだ」と言いながら違和感を感じていた。「当たらずとも遠からず」と大目に見て欲しい。
 まだほとんどの図鑑に載ってない種類で、記録の日が浅いのか発生が稀なのか・・・。カバノキ属の倒木に生えるキシメジ科のきのこだ。
 カサの荒々しいトゲも印象的だが、柄の途中から下が毛むくじゃらなのが興味深い。これはかなり小型の1本だったが、カサの直径10センチ以上にもなる大型きのこだ。「鬼」と言い間違えたのも無理はない・・・と、しつこく弁解しておこう。  戻る

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