シリーズ <第70回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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アオキオチバタケ
(高さ約2センチ)
2009.5.9
神奈川県平塚市・高麗山
 漢字で書くと「青木落葉茸」。アオキの枯れた葉や幹に小さなカサのきのこがたくさん生える。特に雨の後などは、1本の朽ちたアオキに数え切れないほど生えていることがある。
 ところが、何しろ小さいカサなのである程度数がまとまらないと、なかなかいい構図には収まってくれない。やっといいアングルを見つけても、薄暗い中でのピント合わせや被写界深度を取るにはそれなりに難しいものがある。ただ、適度に暗いバックを選んでカメラを据えてから、レンズの前で好みの角度に被写体を動かせるという楽チンな方法もアリ。
 陽を受けて透き通る薄いカサが光る。小さいながらもそれぞれの表情はとても豊かだ。  戻る

ヒノキオチバタケ
(高さ 約3〜4センチ)
2009.5.24
山梨県富士河口湖町・精進湖
 これも漢字で書いてみると「檜落葉茸」となるが、あまりヒノキの落葉に生えているのは見かけない。図鑑を見てもほとんどがスギの落葉に生えている写真だ。名前の響きやイメージはとてもいいのだが、少し考えないと思い出せないのも事実だ。
 この写真はうっかり樹種を確認しなかったが、針葉樹の枯れ枝のようだ。本種としてはやや大き目のサイズになるからだろうか、どことなく誇らしげにさっそうと並んでいるように見えた。
 今までに何度も見かけている種類だが、あまりカメラを向けたくなるシーンには出会えず、「写真資料館」にも入れてなかった。これが本種らしい典型写真かどうかは疑問もあるが、ようやく掲載することができる写真になった。  戻る

カバイロタケ
(高さ3〜5センチ)
2009.5.30
静岡県富士宮市・富士山南麓
 あれは3年前・・・。歌のフレーズではないけれど、強い雨に打たれて傘を差しながら撮影した時の雨音が記憶に残っている。
 ウッドチップなどにはよく生えるらしいが、自然の状態ではかなりまれな種類だということをその後で知った。
 きのこの発生を読むのは本当に難しく、狙い通りに出会ったという経験はとても少ないが、この日は「自分を褒めてやりたい」ほどみごとに的中させた。
 あまり束生することがなく、広い範囲に疎らに生える。しかもそれが笹薮の中とあっては、いいシーンを見つけることが難しい。やっと見つけても今度はカメラを据えるスペースが確保できない。三脚を諦めてカメラピローを使ったが、無理な体勢を強いられて何度も足がつった。たかが・・・されど・・・とつぶやく。  戻る

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