シリーズ <第72回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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クヌギタケ属?
(カサ径 約8ミリ)
2009.7.13
静岡県富士宮市・富士山南麓
 関東は早々と梅雨明けが宣言され、本格的な真夏に突入。当然このコーナーには迫力ある大型菌が・・・となるはずが、なぜか戻り梅雨で気候が不順になりきのこが少ない。
 こうなれば「天邪鬼」のB型人間は、逆に極めて小さなきのこを集めてみることにした。
 まず最初は散策路の脇材に生えていた、半透明の極小菌。よくこの季節に群生を見かけて撮るのだが、この日はなぜか1本だけ。よく見るとカサの裏にほとんどヒダができてない。何かの未熟な状態なのか、それともこういう種類なのか。クヌギタケ属としたが自信はない。
 まるでガラス細工のような儚げなきのこで日に透ける姿は何とも可憐で美しい。
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トサカオチエダタケ
(カサ径 約8ミリ)
2009.7.12
静岡県沼津市・沼津市民の森
 宿泊勉強会に参加しながらも、何か被写体になるきのこはないかと探し歩くスタンスは変わらない。ところがこの日はあまり種類も多くなくて、物足りない内容だった。
 そんな時、会員のFさんがシロコナカブリが生えた枝を手にしておられた。とてもいい状態だったので撮らせていただいた。
 そしてそれをHPにアップしたところ、すぐに京都のDさんからメールをいただいた。「トサカオチエダタケ」に似ていると教えていただき、ようやくカサの尖った鱗片に気づいた。
 サイズもスタイルもシロコナカブリにそっくりだが、カサの上に大きなトゲ状の鱗片がある。熱帯系のきのこのようで北半球での記録は少ないらしい。これも「地球温暖化」の危機的な証拠と言えるのかも知れない。 戻る

不明
(カサ径 約6ミリ)
2009.7.26
山梨県富士吉田市・富士山北麓
 以前にもこの場所で見つけたのだが、あまりの小ささにうまく撮ることができなかった。
 この日は他のきのこが乏しいこともあって、何とかカサの裏をしっかり撮りたいと思った。
 細い柄が長く伸びて小さなカサを付ける。高さは2〜4センチでカサの直径は5〜6ミリしかない。全体がほとんど真っ白で、やや淡いクリーム色を帯びることもある。
 最も特徴的なのがカサの裏で、ルーペで見ると微細な管孔が整然と並んでいる。これを写真に撮るのはなかなか困難で、思い切りアンダーに補正して何度もピントを確認しながらシャッターを切る。
 後はPC上でコントラストを強めて、ぎりぎり耐えられるまでトリミングした。  戻る

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