シリーズ <第77回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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ニガクリタケ
2009年12月5日(土)

高麗山

神奈川県平塚市
 どこかで間違ってタイムマシンに乗ってしまったか?と思うくらい、1年があっという間に過ぎていく。
 この1年を振り返ってみると、近年まれに見る「きのこ不作」の年だったように思う。フィールドで出会うきのこ狩りの人たちのカゴも、軽くて寂しそうだった。
 そしてシーズンも終わり主だったきのこ達が姿を消すと、「冬きのこ」が元気に出てきてモデルになってくれる。・・・というのが例年のパターンだが、今年はその「冬きのこ」も心なしか元気がない。
 凛とした冷たい朝の空気の中で、小型のニガクリタケがカサを並べていた。いつもならもっと大きくなる場所でも、今年はエコばやりの影響かずいぶん省エネサイズになってしまった。  戻る
 
サガリハリタケ  日本海側に寒波が押し寄せて大雪を降らせると、関東地方は決まって冬枯れの天気が続く。「どうせ何も見つからない」という諦めと「だからこそ丁寧に探せ」という命令が、頭の中でせめぎ合う。
 コースを一回りして戻る道で、同じ道を避けて脇道へ入ったところ、斜面の上の朽ちた切り株に何やら張り付いているのが目に留まった。何となく新鮮に見えたので登っていくと、まだ伸び始めたばかりのサガリハリタケだった。きのこが乏しい季節にこれはいい被写体だ。
 普通の構図から撮り始めてどんどん迫って行き、下から見上げるようなアングルになると、俄然、迫力のあるシーンが見えてくる。巨大な鍾乳洞を見上げているような錯覚になる。白からオレンジ色へと成長しながら、老菌になると褐色になって硬く乾いてしまう。  戻る
2009年12月23日(水・祝)

七沢

神奈川県厚木市
クサアジロガサ
2009年12月27日(日)

少年の森公園

神奈川県藤沢市
 晩秋になってきのこが乏しくなってくる頃、撮影を楽しませてくれる種類にツチイチメガサがあるが、それも姿を見せなくなった後に続くのがこのクサアジロガサだ。
 なかなか姿を見せない気むずかし屋だが、丈の短い草むらなどを丁寧に探すとよく葉の影に隠れている。
 見つけると嬉しくなる理由の一つが、長く伸びて曲がりくねった細い柄。そしてもう一つが、その柄の低い位置に付いたリング状のツバ。何ともユニークでひょうきんで、ちょっぴり色気も感じてしまうのはヘンだろうか。
 じっくり腰を据えて撮影に取り掛かると、その邪魔をするものがある。普通のきのこなら何ら問題にならない「微風」だ。そして、もう一つ気を付けなければいけないのが、自分の鼻息だ。息を止めて苦しいシャッターを切る。  戻る

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