シリーズ <第81回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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ヌメリスギタケモドキ
2010年4月10日(日)

霧降の滝

神奈川県平塚市
 どこへ行ってもまだこの時季はきのこが乏しいので、ふとオオセミタケが出るこの場所へやってきた。狙い通り撮影ができて帰り道、滝の近くの木道を渡っていると川に倒れこんだ倒木に黄色いきのこが見えた。
 「季節から推理してナラタケだろうか・・・いや、それにしては黄色すぎる。」
 木道を戻り川へ降りてみて驚いた。まさかこんな早い時季に本種が出ているとは。カサの直径3〜4センチと小型ではあったが、カサの鱗片がきれいに揃った美しい姿だった。
 山の中に比べて水辺に生える本種は大型になる傾向があるように感じていたので、きっと水のあるところに近い本種は元気なのだろうと思った。秋になれば大型が期待できるかも知れない。  戻る


コガネカレバタケ  見つけた時はしばらく呆然と眺めていた。そのみごとな生え方にも驚いたが、この何とも爽やかな色はどうだろう。何と表現すればこの色を伝えられるだろうと言葉を失っていた。
 そうだ、前に日光で見たタモギタケの、あの爽やかなレモン色に近い。
 ところでこの名前は何だろう。姿はモリノカレバタケそのものだが、カサの色が違い過ぎる。ヒダの色も白ではなく淡黄色なので、明らかに別種だ。
 その時、「北陸のきのこ図鑑」に確か載っていたことを思い出した。名前もおぼろげながら記憶にあった。というより、これをコガネカレバタケと呼ぶのは極めて自然な成り行きだ。
 スギの多い混生林に大きな菌輪を描いていたが、その付近にも針葉樹に近いところに散生しているのが見られた。初めて見る種類は嬉しいものだ。  戻る
2010年4月25日(日)

藤沢・少年の森公園

神奈川県藤沢市

 
ニセホウライタケ
2010年4月29日(木・祝)

高麗山・地獄沢

神奈川県平塚市
 この頃、前日の天気予報はかなり高い確率で的中させていると感じる。いや、最先端の科学的ノウハウの結果なのだから「的中」は失礼だ。
 この日も「晴れ」てはいても場所によっては「ザーッ」っと降るかも知れないという予報どおり、午前中にとても激しい「晴嵐」に遭遇した。撮影などできる状態ではなかったので、午後の晴れ間に地獄沢を歩いた。
 数種を撮影した後、枯葉の間から生える10本ほどのニセホウライタケを見つけた。
 今まで本種のいい状態を撮ってないので、いろんなアングルから慎重に撮影した。中でも幼菌と並んだこのシーンはとても本種らしいポートレートになった。  戻る

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