シリーズ <第83回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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ナメアシタケ  きのこについていちばん不思議でならないのは、そのカラフルさだ。胞子を作って遠くへ飛ばす、それだけの役目のはずなのに、なぜこうも美しい色を見せているのだろう。
 「きのこに無い色は無い」と断言しているのだが、その訳については皆目見当も付かない。
 これは苔むした倒木に生えたナメアシタケの幼菌。カサはこの仲間、クヌギタケ属によく見られる姿だが、オリーブ色をしたツヤのある柄はとても神秘的で美しい。まるで周囲の苔の色に染まったのかと思ってしまう。さりげなく着こなすセンスのいいファッション・・・そんな雰囲気を感じる。  戻る
2010年6月4日(金)

富士山南麓

静岡県富士宮市
 

ヒメコンイロイッポンシメジ  という訳で今回は「魅惑の色」をテーマに選んでみた。
 この色をどう表現していいやら、言葉に窮して「えもいわれぬ」と書いた。デジカメのクセで実際の色とは少し違っているが、微妙な差なので今となっては正確な色を思い出せない。本当に「えもいわれぬ」だ。
 種名もまた正確ではないのかも知れない。純粋のヒメコンイロイッポンシメジと判明したものをジックリ見たことがないので、小型の青紫のイッポンシメジをすべてそう呼んでいる。正確を期すなら「近縁種」を追記すべきだろう。
 ヒダがピンク色になるので色の対比を旨く捉えれば、とてもインパクトのある写真になるのだが、未だに納得のショットがない。  戻る
2010年6月12日(土)

一碧湖

静岡県伊東市
 

アオミノアシナガタケ
2010年6月19日(土)

富士山南麓

静岡県富士宮市
 ちょうど1年前に初めて出会ってから、何としても再会したいと願っていたきのこだ。図鑑に載っている絵はカサが灰色で縁に青いラインがあるので、どうも別種のような気がしていた。ところが外国のサイトなどを訪ねてみると、成菌と幼菌でずいぶん色合いが変わることが分かった。
 苔をバックにした青いカサはとても美しく、白い毛が密生する長い柄も個性的で印象に残る。
 極めてカラフルなきのこの世界にあって、青や緑のカサはとても神秘的であり、見るものを引き付ける魅力を持っている。地味な褐色系や、華やかな暖色系に比べると、とても種類が少ないのも魅力の理由かも知れない。  戻る

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