シリーズ <第85回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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フサクギタケ  更新した時はひがみっぽく「イヤミかっ!」と書いたが、見れば見るほど「どうしてこんなに?」と考えてしまう。
 今月はこんな興味深い、カサ表面のユニークな表情を取り上げてみた。
 クギタケにもなかなか会えなかったが、ずっと見たいと思っていたフサクギタケを見つけた時は嬉しかった。この日はとてもきのこが少なかったので、遠くから見つけた時もモリノカレバタケだろうと思った。近づいてカサを見てビックリ、ヒダを覗き込んで「やった!」とガッツポーズ。
 ふさふさのクギタケ・・・と、名前はとても覚えやすい。  戻る
2010年8月7日(土)

富士山北麓

山梨県富士吉田市

クロニセホウライタケ  朽ちた木から生えた黒っぽいきのこを遠目で見て、ウラベニガサの仲間だろうとやり過ごそうとした。カサの直径が1.5センチほどの小さなものだったのも理由だ。
 しかし、近づいて見ると、カサに日が当たっていて絹のような光沢があるように見えた。しゃがみこんでよく観察すると、カサ全体が毛に覆われ、それが集まってトゲ状になり、さらに同心円の環紋を描くように広がっている。こんなカサは初めて見た。
 PCに取り込んでからいろいろ考えるうちに、これはニセホウライタケの特徴に似ていると思い、その近縁種を探してみて本種に行き着いた。
 とても新鮮な状態に出会えたのは幸運だった。  戻る
2010年8月15日(日)

高麗山・地獄沢

神奈川県平塚市

ヒトヨタケ属
2010年8月29日(日)

霧降の滝

神奈川県平塚市
 いつも書いているが、暗い森の中で小さな真っ白いきのこを撮るのは極めて難しい。白飛びさせずに、なおかつ白く表現しなければならないという、紙一重の部分に落とさなければいけないからだ。
 日照り続きで期待が持てないこの日は、いい状態ならなんでもじっくり撮ることにした。そして見つけたカサの直径7ミリという極小で純白という厄介なきのこ。
 マイナス補正でもカバーしきれず、マニュアル露出でアンダーに撮影。
 肉眼ではほとんど見えなかった光沢のある繊維状の鱗片や、カサ中央のわずかな褐色を出せた。
 名前は分からない極小菌だが、手応えはとても大きい。  戻る

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