シリーズ <第87回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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ウスキチチタケ  異常なほどの厳しい残暑から少し秋の気配を感じるようになって、期待に胸躍らせて歩いた甲斐大和の山中。あまりのきのこの無さに茫然自失で、足を引きずっていた。
 そんな時に見つけた見慣れないチチタケの仲間。まず目に留まったのは、あばた斑がくっきり出た白い柄だった。これで種名同定の範囲はかなり狭まった。
 次に気づいたのはカサに見えたわずかな紫色のシミ。こうなればしめたもの、トビチャチチタケかウズハツだ・・・が、どちらでもない。ヒダを傷つけるとすぐに白い乳を出し、ゆっくり紫に変色する。こんな種類は見たことがない。
 帰宅後に新菌類図鑑で本種を見つけ、ハズレの山歩きも無駄ではなかったと納得。  戻る
2010年10月2日(土)

甲斐大和

山梨県甲州市

ニカワツノタケ  上の写真と同じ日、あまりのきのこの無さに急いで切り上げ、一路富士山へ向かった。しかし、富士五湖周辺も発生乏しく手応えがない。
 とうとう、東麓を回り込んで西臼塚付近のブナ林までやって来た。ここでようやく数種を撮影し、ふと足元に横たわる落ち枝を見ると、長さ1センチほどのゼラチン質のきのこが並んでいた。どれも基部が赤紫色を帯びている様子から、図鑑で種名が分かった。
 やや珍しい種類のようなので、いろんなアングルで撮影した。
 キクラゲの仲間であることは外見から予測が付いたが、それにしてもきのこのスタイルの多様性には驚かされる。色だけでなく形の多彩さに強く興味をひかれる。  戻る
2010年10月2日(土)

富士山南麓

静岡県富士宮市

コウタケ
2010年10月22日(金)

甲斐大和

山梨県甲州市
 2日に味わった「失意の徘徊」から3週間、リベンジを果たそうと気合十分で出かけた。
 きのこは多い方ではなかったが、そこそこに撮影を楽しみながら歩くことができた。
 少し急な斜面でクリフウセンタケを見つけて撮影し、さらにその先も気になって進むと、目の前に枝や枯葉に半ば隠れたこの群生を見つけた。前回とは全く逆の意味で言葉を失った。
 いろんなアングルから構図を決めるのだが、迫力を表現し切れずもどかしさを強く感じた。
 さて、撮影後にこれをどうしたか・・・。自家消費には十分過ぎるので、ふもとの「きのこ屋」に卸すことにした。卸価格は伏せるが、末端価格(?)は「万」の単位だろう。  戻る

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