シリーズ <第92回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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クモノスアカゲヒナチャワン  1個の大きさは最大でも直径1センチ程度。盤面は白く外側は山吹色に赤いトゲ状の毛が並んでいる。キンチャワンタケの美しさにも似た、爽やかなきのこ・・・に、「クモの巣」とは?
 枯葉やドングリの表面にクモの巣のような白い菌糸を張り、そこからきのこが生えてくるのでこの名前が付けられた。
 この山で定点観察をしているグループに初めて参加させていただき、そこで初めてこのきのこに出会った。今まで見なかったのは地域性の問題かと思ったら、関東にもあるようだ。枯葉に埋もれていることが多いので、降り積もった枯葉を払い除けて探せば見つかるようだ。
 早春の短期間だけ見ることができる種類なので、風物詩的なきのこだと言えるのだろう。  戻る
2011年4月16日(土)

かいがけの道

大阪府交野市

ベニカノアシタケ
2011年4月24日(土)

二上山東麓

奈良県葛城市
 今年は冬から早春にかけて雨が少なかったため、かなりきのこの発生が遅れているようだ。
 きのこファンに勧められて二上山を歩いてみたが、まだまだ気温が低くきのこの姿が少ない。華やかさのある種類には出会えないまま下山してきた時、せせらぎの傍の枯葉の上に小さな赤いカサを見つけた。
 枯葉を慎重に取り除くと、期待通りみごとに曲がりくねった柄が現れた。まさに「蚊の足」のようなか細さで、赤いカサを支えている。
 レフ板を駆使してローアングルに構え、モニターでチェックしながら何枚もシャッターを切った。たとえ菌果は乏しくても、こんな1枚が撮れれば大満足。気分よく帰途に就いた。  戻る
 
コガネカレバタケ?
2011年4月29日(金)

矢田山へんろ道

奈良県大和郡山市
 4月に入ってからは周期的にタップリの雨が降り、気温も不安定ながら20度を超える日が出てきた。
 常緑樹の森を抜け見通しのいい山道を歩いていると、散策路わきに黄色いカサを見つけた。昨年4月に神奈川県藤沢市で初めて見た本種だと分かり、付近を探すと次々に枯葉の下から現れた。
 カサの色はコガネというより緑色が強く、「オリーブカレバタケ」と呼びたいほどだ・・・とアップしたら、リンクサイト「きのこワールド」(山口県・川口さん)にも登場し、同じコメントが書かれていた。
 確かに色の違いもあるが、カサの周縁に条線がないなどの相違点も気になる。「別種の可能性あり」という認識で、気に留めておく方がいいような気がする。仮称を付けるならやはり「オリーブ・・・」が最適だろう。  戻る

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