シリーズ <第93回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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マツオウジ  今年になって初めてのズッシリとした重量感のあるきのこだが、これはマツオウジでいいのか?・・・が第一印象だった。
 こんな鮮やかな山吹色と真っ白な柄は、今まで見たマツオウジとは雰囲気が違っていた。しかし、朽ちたマツの倒木に生えるこんなきのこは、それ以外に考えられない。
 まずは撮影優先と、いろいろアングルを変えながら構図を決めた。強い風でころころ変わる木漏れ日に悩まされた。
 そしてもう一度マツオウジでいいのかと考えた。それともまた、ナラタケ一族のように何種類にも分かれてしまったりしないだろうか。撮影しながら、ふと、皇帝カエサルの台詞が浮かんだ。「マツオウジよ、おまえもか!」と。  戻る
2011年5月14日(土)

けいはんな記念公園

京都府精華町

ビロードムクエタケ属?  同定できない時に、「不明種」と書くのも「未知種」とするのもなんとなく抵抗があった。ネットでいろんなサイトを見ていて、とても響きのいい言葉を見つけた。「未同定」だ。
 そしてアップした極小の「未同定菌」に、さっそく関西で知り合った菌友からメールをいただいた。カサはビロード状、柄には白い軟毛が密生し、ヒダの縁は長いシスチジアでざらついて見える・・・ことから、本属の一種ではないかと。
 そこでやや後ピンに撮った、ヒダや柄の様子が分かる写真をここに挙げておく。カサの直径6ミリのきのこを、写真だけで同定するのは無理があるが、「?」を付けて本属とした。  戻る
 ※Sさんありがとうございました。
2011年5月19日(土)

けいはんな記念公園

京都府精華町
 
フミヅキタケ
2011年5月21日(土)

むろいけ園地

大阪府四条畷市
 もう5日間も雨がなく、昼は30度近くにもなるコンディションの中、この公園はすばらしい状態のフミヅキタケを見せてくれた
 昨年の6月、富士山南麓の西臼塚で「フミヅキタケかコフミヅキタケ」で悩んだ結果、よく見るとオオシビレタケだったことがある。
 今回はツバやカサに青い部分がないのでオオシビレタケは消えたが、実はこの写真のすぐ左奥には湿地が広がっている。となるとコフミヅキタケの可能性も消せない。
 カサの中丘が大きくて縁の反り返りも見られないので、今回はフミヅキタケとしたが、両者は顕微鏡下でも違いが微妙のようだ。
 2種を区別すべきなのだろうか。  戻る

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