シリーズ <第94回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

5月   MVPtop   7月

アイゾメシバフタケ  竹林にさしかかった時、とても新鮮な小型のきのこが道の脇に生えていた。上からカサを見てすぐにピンときた。「これはアヤシイやつだ。」・・・柄を覗き込んでその青さに「やっぱり」。
 強い幻覚毒を持つため、日本では摂取することはもちろん所持さえも法律で禁じられているきのこだ。よく似た種類にヒカゲシビレタケがあるが、柄に白い段だら模様が見えないので本種とした。決して持ち帰って調べたわけではない。念のため。
 カサも柄も傷むと青くなる特徴があるが、これは初めから柄が青く、レフ板を効かせるとさらに妖しい青さが際立った。
 図鑑には「命を落とすことはない」などと書かれているが、何らかの後遺症がないとも言えず、法の順守は当然のこと、興味本位にも手を染めてはならない。  戻る
2011年6月9日(金)

けいはんな記念公園

京都府精華町

アカハツ
2011年6月12日(日)

大和民俗公園

奈良県大和郡山市
 十数年、いやもっと昔のことだったのか記憶があやふやだが、確かにこの公園の植込みの下で5本ほどのアカハツを見つけて、それを食べてみた。虫にかじられたヒダの部分が緑色になっていたので、アカモミタケではなく本種だと同定しての試食だったが、ぼそぼそと口当たり悪く味もイマイチだったことは良く記憶している。
 その時はつい、撮影より食い気を優先させてしまったが、それが災いしたのかそれ以来、撮影チャンスに巡り会えないでいた。最近ではハツタケを誤同定する勇み足まで犯したこともある。
 「困った時は原点に帰れ」の言葉通り、同じ公園で大きな1本に再会できた。旨そうな顔で誘惑しても、もう乗らないぞと腰を据えて撮影に取りかかった。  戻る
 
オオホウライタケ  今までにもフェアリーリング(菌輪)を何度も見ているが、これほどみごとにくっきり円を描いているのは初めてだった。見つけてしばらくは、ただ立ち尽くして言葉を失っていた。
 すぐに標準系のレンズで周囲から撮り始めたが、あちこちスギの枯葉が覆い被さっていることに気づき、今度はそれを丁寧に取り払い始めた。ふと気づくとリングの内側にも入り込んでいたが、妖精の国へ行くことはできなかった。信じてないからだろうか。
 近景から遠景まで何カットもシャッターを切ったが、どうも気に入らない。迫力がないし、きのこが何であるかも分からない。やはりここは魚眼レンズの出番だろうと、交換してアングルを変えた。
 きのこの表情や隙間を埋め尽くすスギの落ち葉を、うまく描写できたと納得。  戻る
2011年6月19日(日)

むろいけ園地

大阪府四条畷市

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