シリーズ <第96回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

7月   MVPtop   9月

クマシメジ(?)  今でもまだ種名には迷いがある。撮影中はずっとクロゲシメジだと思っていたが、いざPCに取り込んでみると柄に黒毛状の鱗片が見えない。図鑑を見てもこの2種はよく似ているようだ。
 現地でもっとしっかり観察して、標本も撮影して・・・としたかったが、ここ西大台地区は日本で最初の「利用調整地区」指定地で、一日の立ち入り人数制限や落ち葉・落ち枝まで採取禁止という厳しいルールがある。
 今回が初入山だったので現地で「事前レクチャー」を受け、全員が例外なく協力する大切さを感じた。
 今後も何度となく入山申請をするだろう。そしてきっと、夢中にさせる出会いもあるだろう。ルールを忘れないようにしよう・・・なるべく。  戻る
2011年8月17日(水)

大台ヶ原(西地区)

奈良県上北山村

カイガラタケ
2011年8月21日(日)

むろいけ園地

大阪府四条畷市
 写真の被写体としてきのこをメインに撮り始めた頃、いわゆる硬質菌は眼中になく対象外にしていた。
 それを一変させたのは2007年に伊豆の一碧湖で出会ったミイロアミタケだった。あまりの美しさに目を奪われ、夢中でシャッターを切っていたことを思い出す。
 カワラタケ、チャカイガラタケ、ヒイロタケなどなど、「猿の腰掛」も負けてはいない。
 このカイガラタケも、褐色から灰色へと成長とともに色が変わり、ビロードのような表面の落ち着いた環紋は、きっと日本人好みの渋さなのだろうと思う。
 決して派手さや賑やかなパフォーマンスもないけれど、夕日に染まる田園風景のように、心をしっとりと癒してくれる・・・そういう写真を撮りたい。  戻る
 
スジガサベニヒダタケ(仮)?  まず目についたのはカサの下に広く散らばっている胞子の色。ピンク色と言うより淡いクリーム色だ。どうやらこれはウラベニガサ属のようだが、こんなにカサの溝線がくっきりしている種類は見たことがない。しかも、カサは極めて薄く半透明で、後ろの明暗が透けて見えた。
 まずは撮影優先と、いろんなアングルから撮り始めた。そして、標本撮影をするために、きのこを採取して驚いた。ヒダもカサもまるでゼラチンでできているように、とても崩れやすい。うっかり触れたらクシャッと縮れてしまう。やや老菌に近かったのだろうか。
 後日「北陸のきのこ図鑑」で似た種類を見つけた。同属で他に似た種類はないと思うので、おそらく本種か極めて近いものだろう。  戻る
2011年8月27日(土)

けいはんな記念公園

京都府精華町

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