シリーズ <第99回> | 竹 しんじ |
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自選 《月間MVP展》 <<<<< 2011年11月 >>>>> |
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO |
1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。
10月 MVPtop 12月
ミイノモミウラモドキ | |
2011年11月9日(水) 大台ヶ原(西地区) 奈良県上北山村 |
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事前に入山申請の必要な西大台地区へは、今回で2度目の探索となる。今年は11月になってからも夏日になるなど気温が高めなので、少し寒くなることに期待してこの日を申し込んでおいた。 確かに気温はかなり下がっていたが、期待に反してきのこは少ない状態だった。 小さな不明菌をいくつか撮った後、やっと手応えのある被写体を見つけた。カサは中高で平開せず、放射状に細かな条線が広がる。柄には縦の繊維紋が目立ち、奥の1本のように強く捻じれることが多い。 昨年暮れに帰郷してから最も期待を寄せた大台ヶ原は、夏以降になってきのこが少なくなってしまった。今年が特異なきのこ事情だったのだと思いたい。 戻る |
キクラゲ | |
2011年11月20日(日) 大阪市立大学付属植物園 大阪府交野市 |
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寒くても暑くても季節に関係なく、雨さえ降れば元気になるきのこがある。このキクラゲの仲間がそうで、本種のほかアラゲキクラゲやタマキクラゲ、ヒメキクラゲなどを良く見かける。 前日に強い雨が降り続いたため、この日見つけたきのこは傷んだものが多かった。ただ、このキクラゲの幼菌たちは、その雨を受けて太い倒木に大きなカーブを描いて生えていた。 いろいろ構図を探すうちに、ローアングルでバランスよく並ぶシーンを見つけた。それぞれに日に透ける色が美しく、内側の浅いシワもどことなくあどけなさを感じる。 ありふれた種類では、つい見逃してしまうことが多いこんな表情を、もっともっと丁寧に捉えるようにしたいものだ。 戻る |
イカタケ | |
2011年11月29日(火) 某所 大阪府 |
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関西圏の人気TV番組で、イカタケの成長映像が放送されたらしい。スタイルのユニークさと珍しさが相まって、かなり話題になったようだ。そして、私の耳にも撮影場所のウワサが舞い込んできた。 日数も経過し、詳しい場所も不明だったが、これまで撮影機会に恵まれてなかったので、ダメモト覚悟で出かけた。 結果はまるでニオイに吸い寄せられたハエのように、ポイントへ行くことができた。 外見はアカイカタケの小型白色タイプに見えるが、構造はかなり異なるというから不思議だ。開いた腕の数は10〜15本だが、これはたまたま10本だったので、まさにイカにそっくりのきのこだった。 戻る |