シリーズ <第102回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

1月   MVPtop   3月

シイタケ  画面左端の木立の間から、この丸いカサを見つけて降りてきた。すぐ後ろにも大きなシイタケが2個あり、よく見るとコマを打ち込んだ跡がいくつもあった。投棄されたホダ木だったようだ。
 ここへ来る前にも栽培中のホダ木をたくさん見たが、こんな立派なシイタケが出ていなかったのは皮肉なものだ。
 前日に歩いた公園では寒い中を頑張ったが、注目すべき被写体には全く出会えなかった。そこで、ダメモト覚悟のドライブ気分で、片道1時間強のこの公園へやって来たのだ。
 ここはいつも何か面白いものを見せてくれる・・・と期待した通り、まずまずの内容。最後にはきれいなシイタケも撮ることができた。
 なお、合計3個の大きなシイタケを、撮影後にどうしたかについては、ここでのコメントを差し控えたい。  戻る
2012年2月5日(日)

上野森林公園

三重県伊賀市

エノキタケ  前日の土曜日は、あまりの寒さに出かける気力も萎えて、「写真資料館」に2種を追加するだけでお茶を濁した。その夜からはさらに北風が強くなり、夜中に何度も目を覚ますほどの風音だった。
 朝になると風も収まり穏やかな陽射しだったので、飛鳥の里へ向かった。ところがここは雪が降ったらしく、日陰にはまだ3センチほどの積雪があった。
 最初は別の切り株でヒメモグサタケの群生を撮ったが、正直なところ「雪の似合うきのこではないなぁ」とボヤいていた
。そして、カメラを外して三脚をたたんで振り返った時、目の前の切り株にこの一群を見つけた。「やっぱりこれでなきゃ」と撮影再開。
 少し萎れたカサが残念だったが、風物詩となる一枚が撮れた。  戻る
2012年2月19日(日)

飛鳥 甘樫の丘

奈良県明日香村
 
ミダレアミタケ
2012年2月25日(土)

大渕池公園(東地区)

奈良県奈良市
 あまり本種をたくさん観察していないので、どの状態が典型の姿なのかよく分からないが、おそらくこの写真のものはかなり近い線だと思う。
 生えている木が何だったのか不明だが、コンコンと軽い音がしてかなり腐朽が進んでいることが分かった。本種以外にもいろんな菌類やカビの仲間が生えていて、みんなせっせと土への還元に励んでいるようだった。
 本種はキバチの一種と共生関係にあるらしく、小孔の奥に幼虫が潜んでいることが多いようだが、さらにその幼虫に卵を産み付ける別のキバチもいるらしい。
 生存競争はどの世界も厳しいが、特に昆虫界では複雑に絡み合った連鎖網がありそうだ。まさにこれこそが「乱れ網」か?  戻る

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