シリーズ <第103回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

1ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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タンポタケ
2012年3月3日(土)

矢田山へんろ道

奈良県大和郡山市
 「たんぽ」とは、稽古用の槍の先に付けた綿玉を布でくるんだもので、漢字では「短穂」と当てるらしいが語源はフランス語とか・・・いや〜ネット受け売りのなんと便利なことか。
 この日、草の間に見つけた最初の1本はもっと緑色をしていたので、シダの新芽だろうと思った。ところが頭部をよく見ると粒々がある。改めて付近を探すと、さらに10本ほどがまばらに生えていて、その中にこのツインズもあった。
 地下生菌のツチダンゴに寄生して生えているが、分類としては冬虫夏草の仲間だ。虫から生えていない分、不気味さが軽いと感じるのは人間の身勝手というものだろう。
 高さは約2センチ。同じ高さの目線で撮ることで、初めて見えてくる表情があるものだ。  戻る

カレキタケ(仮)  「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものだと、毎年のように感心させられるのだが、今年はかなり様子が違う。2ヵ月半ぶりに訪れたお気に入りの山も、まだ冬の真っただ中で寒かった。
 春の訪れの目安として、カサ径5センチを超えるきのことの出会いに期待したが、この日見つけたヒメコガサはたった5ミリ。
 それでも、その後に見つけたこのカレキタケ(仮)は、すこぶる写真向きで興味深い種類だった。初めはフサタケの幼菌かと思ったが、枝の広がり方が何となく違う。樹皮が剥がれた所では、きのこの根元に泥を塗ったような部分があり、同定の手掛かりになった。
 姿はまさしく枯れ木のようなので、背景に手を加えて暗くして撮ってみた。雪の斜面に立つ白樺・・・のような雰囲気にしてみたが、どうだろう?  戻る
2012年3月20日(火・祝)

神野山

奈良県山添村
 
シャグマアミガサタケ
2012年3月31日(土)

くろんど池

奈良県生駒市
 今までに何度か本種を探す目的で、富士山などを歩いたことがある。しかし、どうも縁が薄いようで今まで一度も見ることができなかった。
 かいがけ道(大阪府交野市)の定点観察仲間が、そろそろいい時季なので案内してくれるというので喜んでいたら、あいにくの雨。しかし、雨でひるむメンバーではなかった。
 池を一周して戻ってきた場所で、いいサイズの2本が見つかったが、雨が降り止まず不満な写真になった。
 ところが、仲間と別れて帰る途中で、急に雨が弱くなって晴れ間も見えた。何の迷いもなく車をUターンさせていた。舞い戻って一眼レフで撮り直し。私にとってはまさに「千載一遇」のチャンス。数カット撮ったところで、また雨が降り出した。仲間と晴れ間に感謝!  戻る

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