シリーズ <第108回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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「きのこ写真教室」
(第1回)
きのこ撮影の最強アイテムを作る
2012年8月19日(日)
けいはんな記念公園
京都府精華町
 普通の写真教室ではない。被写体を「きのこ」に絞った、かなりマニアックな教室・・・されど、きのこが写真のモデルとして、優れた魅力を持つことに気付いている人は多いはず。
 料理と同じで、ひと手間を惜しまず加えるだけで、見違える出来栄えになることを実感してもらいたい・・・と、始めた記念の第1回は、不運にもモデルが乏しいという結果だった。
 それでも、遠距離参加の方々も含め、和気あいあいの初回となった。
 次回(9/16)はいよいよ「きのこの表情」に迫る・・・乞うご期待!  戻る
 

コシロオニタケ
(高さ 約7センチ)
2012年8月25日(土)

かいがけ道

大阪府交野市
 きのこのサイズは同定の決め手にならない・・・ことが多い。だとしたら、本種と小型のシロオニタケをどこで見分けるのか。
 今まで、カサのイボの先端に灰色〜褐色の色を持つ点を重視していたが、次のシロオニタケでもよく見ると、イボは灰色を帯びていた。
 今まで撮った写真や図鑑などをよく見比べてみると、ツバの違いが最も分かりやすいのではないだろうか。本種では綿くず状の被膜を持ち、カサの縁に破片を付けることが多い。一方シロオニタケでは、下面に細かなイボを付けた膜質の大きなツバを持つ。ただ、成菌〜老菌では脱落することも多い。
 ツバを確認できない幼菌の段階では、やはりカサのイボを手掛かりにするしかないか。はっきり色を持ち、軟らかい綿くず質のイボなら本種としていいのだろう。   戻る

シロオニタケ
(高さ 約13センチ)
 画面左側に池が広がる雑木林の林道。画面奥から入ってきてすぐに、この白い球形の頭が見えた。と同時に種名も同定できた。
 昨日、上のコシロオニタケを見て、見分け方に少し疑問を感じたのでとてもタイムリーだった。
 近畿ではここ数日、毎日のように夕立が降ったが、厳しい夏の陽射しが瞬く間に大地を乾燥させてしまう。この森でも歩くたびに靴の底で、カサカサパリパリと枯葉が砕けた。貫録のある大きな幼菌も、そのせいで柄や根元がささくれてしまっていたが、それはそれでちょっと変化のある表情を作っていた。
 自然界のさまざまな生き物の中で「純白」というのは滅多にないが、なぜかきのこには色を持たない純白種が少なくない。いや、「白」という個性的な色を持っていると言うべきか。   戻る
2012年8月26日(日)

上野森林公園

三重県伊賀市

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