シリーズ <第109回> | 竹 しんじ |
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自選 《月間MVP展》 <<<<< 2012年9月 >>>>> |
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO |
一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。
8月 MVPtop 10月
コビチャニガイグチ (カサ直径 約8センチ) |
「コビチャ」・・・何ともいい響きの名前だが、漢字で書くと「媚茶」という日本古来の色の名前だ。やや暗い黄褐色ということだが、調べてみると、それより少し緑色が入る「藍媚茶」という色の方が本種にはぴったりだと思った。 初めて本種を見たのが今年の7月で、ミドリニガイグチやニガイグチモドキに似ているという印象だった。しかし、いろいろ調べるうちに本当にそっくりなのは「オクヤマニガイグチ」らしくて、それはまだ見たことがない。傷つけても変色しないことと、味が極めて苦いことで本種とは見分けられるらしい。 この日以降も三重県の上野森林公園で群生を見るなど、今年は本種の当たり年だったのかも知れない。そうなるとますます、そっくりだという「オクヤマ」さんに出会いたい思いが募る。 戻る |
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2012年9月2日(日) 大和民俗公園 奈良県大和郡山市 |
「きのこ写真教室」 (第2回) きのこにも表情がある ミイノヒガサタケ |
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2012年9月16日(日) けいはんな記念公園 京都府精華町 |
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第2回目の「きのこ写真教室」は、参加者がグッと減って5名になったが、前回と違って被写体となるモデルきのこはたっぷりあった。 今回のテーマは「きのこの表情」で、単にメモや記録として撮るだけでなく、そのきのこの表情をよく観察して、カメラアングルや背景にも気を配りながら構図を選ぶ練習をした。 池に面した緩やかな斜面に、今回のテーマにうってつけのきのこがあった。(種名は後で「ミイノヒガサタケ」と判明。) 皆さんの撮影を見ていると、女性参加者のFさんとOさんが、斜面の上からのアングルで池を背景に撮っておられた。真似をして構図を探してみると、ちょうどいい具合に当公園のシンボル「観月橋」を背景に入れて撮ることができた。お二人のセンスに感謝。 次回は10月14日(日)「ピンボケよさらば!」。きのこ写真の「強敵」を一緒に退治しましょう。 戻る |
シロオニタケモドキ (高さ 約15センチ) |
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2012年9月25日(火) 大和民俗公園 奈良県大和郡山市 |
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春の彼岸はことわざ通りにならなかったが、この秋の彼岸はみごとに「暑さ」が去った。気温が下がった雨の2日後・・・となれば、部屋に閉じもこってはいられない。 午後の2時間ほどを自宅から至近距離にある公園を歩いたが、期待したほど手応えのある被写体は多くなかった。そろそろ引き上げようとした時にこれを見付けた。 シロオニタケに比べるとかなりまれで、カサのイボや柄の表面に淡い褐色が見えるのが特徴。柄の下部がどっしりと太くなって、安定感とともに威風堂々とした貫録を感じる。 どんな種類のきのこであれ、そのベストの状態に出会った時は嬉しいもので、俄然、撮影にも熱が入る。さらに珍しい種類ともなれば、後悔しないように、四方八方から眺めて構図を探し、絞り値を変えて何枚も撮る。「きのこにこの次はない」のだから。 戻る |