シリーズ <第110回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

9月   MVPtop   11月

ソライロタケ
(高さ 約4センチ)
2012年10月7日(日)

かいがけ道

大阪府交野市
 「今月のMVP、決まりやね」・・・とS氏に先に言われてしまったが、やはり文句なしに「決まりや!」。
  実に13年ぶりの再会となったが、今回の出会いは何とも奇遇だ。この前日にさんざん迷って決めた探索地は、13年前に初めて本種を見た山だった。あわよくば・・・と思ったがダメだった。ところが、翌日の観察会でまさかの再会ができた。
 いつものようにローアングルに構図を決めて、レフ板で光を当てて驚いた。カサや柄の爽やかな水色とは違う、みごとな群青色のヒダが見えた。カサを開く前の一時期に見られる色合いなのかも知れない。
 そしてこんな色のヒダからも、イッポンシメジ属の赤っぽい胞子が落ち始めているのが見える。
 贅沢な望みかも知れないが、次に会う時はもう少し景色のいい所であって欲しい。   戻る


「きのこ写真教室」
(第3回)テーマ:ピンボケよさらば!     .
(第4回)テーマ:そのズームは間違っている!

ハタケシメジ(第3回)
2012年10月14日(日)
2012年10月28日(日)

けいはんな記念公園

京都府精華町
 「ピンボケ」・・・人格さえも軽蔑する響きを持つイヤな言葉だが、もちろん本来はピントの合ってない写真のこと。写真を愛する者にとって、この上なくショックを受ける単語だ。
 第3回の「きのこ写真教室」は、そんな写真愛好家の難敵退治がテーマ。秋の爽やかな天気に恵まれて楽しい撮影ができたが、今回はちょっと小型のモデルが多く苦戦させられた。
 写真は笹垣の傍に生えたハタケシメジで、とても美味しいきのこだが今回は食欲抜きだ。構図を決めたらどこにピントを合わせるかを考え、静かに静かにシャッターを切る。手ブレ対策も重要なポイントだ。
 続く第4回はズームを使いこなすテーマで28日に行ったが、あいにくの雨天で思うような撮影はできなかった。  戻る
  
クロシワオキナタケ?
(カサ径 2センチ弱)
 今年も「関西菌類談話会」による「きのこ展」が京都植物園で行なわれ、たくさんの実物展示がとても興味深く楽しかった。
 少し園内を歩いてみると、散策路の脇材から紫色を帯びた小型菌が出ていた。いつものようにローアングルを撮るとヒダがピンク色に見えたので、てっきりウラベニガサ属だと思った。しかし、会場のSさんによりオキナタケ属だと分かり、ウスムラサキオキナタケ(青木氏仮称)に似ていることが判明した。
 カサの写真を拡大してみると中央部に網目状のシワがあり、ひとまずは「クロシワオキナタケ」としてアップしたが、カサがあまり黒くなくて灰紫色なので疑問は残る。今回は確証が得られなかったが、カサの周縁部に広がる長い網目模様が美しいきのこなので、これからも気に留めておきたい種類だ。※ロールオーバーはヒダの様子  戻る
2012年10月27日(日)

京都府立植物園

京都府京都市

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