シリーズ <第111回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

10月   MVPtop   12月

ツチスギタケ
(カサ直径 約2〜5センチ)
 古い話を蒸し返して恐縮だが、ヤマケイのフィールドブックス「きのこ」の初版では地面から生えるスギタケの写真が、本種として掲載されていた。その後の改訂版ではスギタケに改められたが、巻末の索引ではツチスギタケのままだった。
 スギタケは黄色っぽくてカサや柄のササクレ状鱗片が黒褐色なのに対し、ツチスギタケは灰色を帯びた黄褐色で、鱗片は淡褐色でやや白っぽく見える。また本種は柄が強靭な繊維質で、引きちぎるとササラ状に裂ける。
 ところが、どうやらこの顛末は簡単には収まりそうにない。観察していても感じるのだが、ツチスギタケにはよく似た数種類が存在しそうなのだ。ツバがしっかりあるものや、柄が細くて黄色いものなど、変異や個性の範疇なのか別種なのか、悩ましい。    戻る
2012年11月4日(日)

上野森林公園

三重県伊賀市

モエギビョウタケ
2012年11月18日(日)

神野山

奈良県山添村
 倒木上に不揃いの黄色い円盤がたくさん付いている。名前は「萌黄色」のモエギだが、むしろ山吹色に近い鮮やかな黄色だ。ほとんど柄がなくて木に密着し、重なり合うように密集して群生する特徴がある。
 実はこれにも似た種類がいくつもあるようで、正確な同定には顕微鏡が必要なのだろう。
 いつものようにクローズアップで撮ってみたが、あまり面白くないので「秋色」を背景に入れようとアングルを変えてみた。ところが、すでに木々は葉を落としていて、すっかり冬景色になっていた。
 そう言えば、この日撮影したきのこはヒラタケ以外はどれも小型菌で、めっきり被写体が少なくなってしまった。これから当分はきのこ撮影が寂しくなるが、本種のようにせめて色だけでも華やかであれば、カメラを向けようかという気になるものだ。
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「きのこの肖像展」
(11月24日〜12月2日)
2012年11月24日(土)

けいはんな記念公園

京都府精華町
 今年の2月下旬のこと、よく撮影に行っていた「けいはんな記念公園」のNさんからメールをいただいた。来園の方々にきのこの魅力を伝えるような企画展を開催したい・・・と。
 それから何度かNさんとお会いしてイベントのアイデアを膨らませる内に、この公園をベースに「きのこ写真教室」を始めたいと思うようになり、8月から6回シリーズで開催した。
 一方で公園の企画展は彼女の奮闘が奏功し、「大人のぬり絵」で有名なボタニカルアートの本田尚子さんの、50点にも及ぶ素晴らしい「きのこの細密画」をはじめ、総勢8名の作家が集う楽しいイベントに仕上がった。
 作家たちの「きのこ愛」がいかんなく発揮された展覧会は、「きのこの肖像展」と名付けられた。私も大きな写真パネルを出展し、当園で撮った50種のきのこ写真も展示した。
 期間は12月2日(日)まで。  戻る

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