シリーズ <第112回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

11月   MVPtop   1月

ハダイロガサ
(カサ直径 約2〜5センチ)
 ちょうど1年前、ここに「資料館1000種目」となったドクササコを載せたが、今回は全く同じ場所で撮ったハダイロガサを選んだ。
 この竹林は今年、どういう理由か何本もの竹が伐採されて、ずいぶん明るく風通しが良くなった。その影響で今年はドクササコがほとんど生えず、代わりに本種がとても元気になった。図鑑によれば竹林にもよく出るきのこのようだ。
 大きいものではカサの直径10センチほどにもなるので、食用として十分ボリュームがあるように思うのだが、そんなウワサを耳にしないのはなぜだろう。ヤマケイの「日本のきのこ」には和洋風ともに美味なきのことして載っているので、意外にファンは多いのかも知れない。晩秋から初冬にかけて出るので、シーズン終了を惜しむきのこ好きを慰めてくれるのではないだろうか。    戻る
2012年12月16日(日)

かいがけ道

大阪府交野市

ツチグリ
(内皮の直径 約2センチ)
 年末になると今年一年を振り返り、いろんなジャンルで10大ニュースが取り上げられる。5月に日本各地で見事な金環日食が見られたのも、強く印象に残る天体ショーだった。
 ツチグリはよく、メルヘンチックに「夕べ落ちてきた流れ星」などと言われる。真上から見ると星形に見えることや、外皮の白いひび割れも何となく宇宙っぽい感じがする。
 垂直に近いような土の斜面に堅い球形の幼菌が顔を出し、やがてそれがいくつにも裂ける。中から銀白色の丸い内皮が現れ、天頂部に孔を開いて胞子を飛ばす。雨の日に観察すると、雨粒が当たって煙のような胞子を噴き上げるシーンが見られる。
 日本ではこれを食用にする馴染みがないが、東南アジアでは幼菌を煮て缶詰で売られているようだ。旨いのだろうか?    戻る
2012年12月23日(日)

大和民俗公園

奈良県大和郡山市

センボンクヌギタケ
(カサ直径 約3〜8ミリ)
 今年の最終撮影地をどこにしようかと考えたが、もうどこへ行っても代わり映えしないだろうと、お気に入りの山を歩くことにした
 朝から冷たい雨が降り、ときおり雪片も混じる。手袋をはめても指先が痛くなる寒さだ。最初にニガクリタケを撮ったが、その後はあるはずのアシナガタケも目に留まらない。
 歩きながら「物好きにも程がある」という言葉の意味を考え、ブツブツとつぶやいている自分に気付いた。
 ふと階段脇の木の根を見ると、なにやら米粒のようなものがたくさん並んでいる。覗き込むと小さなセンボンクヌギタケの群れだった。少し地面を掘り下げてローアングルに撮ったが、雨の中だったのでカメラはすっかり赤土まみれになってしまった。
 帰宅後、一年の労をねぎらいながらカメラを磨いた。   戻る
2012年12月28日(金)

神野山

奈良県山添村

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