シリーズ <第114回>


竹 しんじ
自選  《月間MV展》
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MONTHLY MOST VALUABLE PHOTO

一ヵ月ごとの「きのこ探して」の中で、印象に残ったものを自選してみました。

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オリーブウロコタケ
 毎年そんなことを言っていいるのかも知れないが、今年の冬は厳しくて長い。雨や雪が時どき降るので異常乾燥というほど、きのこ環境が悪い訳ではない。しかし、どこを歩いてもきのこの姿は見当たらない。ヤケを起こして開き直りという訳ではないが、今月のMVPはいつもなら見て見ぬふりをするような種類を選んでみた。
 小さな円盤状のものが成長して互いに癒着し、子実層面は焦げ茶色で周縁部には成長帯と思われる白い縁取りがある。
 外見からだけの判断だが、図鑑を見て本種だと同定した。枝からはみ出した部分では反転して幅の狭いカサを作り、表面には紫色を帯びた淡褐色の環紋を描いていた。
 見付けたのは今回で2度目だが、子実層面がこんな色になる他種はなさそうなので本種とした。  戻る
2013年 2月 11日(月・祝)

くろんど園地

大阪府交野市

未同定
2013年 2月17日(日)

大渕池公園(西)

奈良県奈良市
 当日の「きのこ探して」の中では少々疑問を感じながらも「シロアナコウヤクタケ」だろうという表現をした。しかし、当種とされる画像を和名や学名で検索してみると、どうも雰囲気が違う。
 シロアナコウヤクタケは管孔の部分がもっとくっきりと明瞭で、今回のものは様子が違うように思う。そこで、本コーナーでは一歩引き下がって「未同定」とすることにした。
 木の垂直面に背着していて、上端の部分ではわずかにカサを作っているように見える。管孔の部分は淡いクリーム色を帯び、その周囲にはごく薄い菌糸の層が広がっている。
 広葉樹に生える「ザイモクタケ」という半背着のきのこも、ひょっとすると候補に入るのかも知れない。
 普段ならあまり興味を持たない種類だが、被写体の乏しいこの季節にあって状態もよかったので写欲が湧いた。 
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ウスキイロカワタケ?
(長径 約2センチ)
 細い落ち枝にべったり貼り付いて、ルーペで見ても管孔も針も見えない。これのどこで胞子を作っているのかと、不思議な気分になる。
 よりたくさんの胞子を作るためには、担子器のある部分の面積を大きくする必要がある。そこでシワ状に凹凸を作り、さらに進んでヒダを作り、もっと進んで網目や管孔となった。これを進化だとするならコウヤクタケやウロコタケのような平滑な子実層の仲間は「下等」ということになるが、はたしてそうだろうか?
 胞子の数を多くしなくても、効率よく子孫を残していくという進化をしたのなら、その方が「高等」という見方もできる。
 まだこれからも寒い日が続くのだろう。耳が遠くなったせいか、一向に春の足音が聞こえない。   戻る
2013年 2月24日(日)

矢田山遊びの森

奈良県大和郡山市

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